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◆◆◆ -- 2008年10月のお話 -- ◆◆◆

 

-- 081031--                    

 

         

                             ■■寒い寒いも寒さのうち■■

     
 
 
 
 
 ごきげんよう、紅い瞳です。 夜とか寒いです。
 
 忙しさもまとめ段階に入った感じで、無事11月を迎えられそうな今日この頃です。 寒いです。
 一定のリズムを割りと守るタイプなんですけど、私の場合それが崩れてもなんだかんだでのらくらと適応
 してしまうので、いっそこのまままったりでいいか、住めば都いうしいいよねー、なんて普通になってしまう
 ため、その辺り無闇にでも気を付けていかないと、違う世界に安住しかねず、そのくせそれでもいいやん
 と投げやりなんだか前向きなんだか前のめりなんだかわからないから始末に悪い。 寒いし。
 ええとつまり、気を引き締めな、あかん。 てか寒い。
 ということなので、色々と生活リズムとか変わりまくってしまっているのを、そろそろ修正する方向に
 持っていく感じで、そんな中でこの本日の日記をお送りしたいと思います寒いよストーブストーブ!
 
 ていうか、え? もう11月なの!?  ←まずは体内カレンダーの修正から始めましょう
 
 
 
 ◆
 
 現在、ゲーム中。
 忙しいとか言っときながら、ゲーム中。
 んでも、忙しいときの間になんも考えずにやれるもの言ったら、私の場合ゲームなので、まぁそんな感じ、
 というよくわからないまとめ方で、OK。 (なにが)
 
 で、信長の野望革新PKを久しぶりにやっています。
 今回は普通にプレイするのでは無く、新武将を作ってやってます。自分で作れるんですね、武将を。
 能力とか色々設定して、それで好きな大名家に配置することで、勢力バランスを変えることが出来
 まして、ついでに物資とか技術とか兵力もプレゼントして、それを整える。
 私は、関東の長野家でプレイする予定です。 長野業正が有名ですね。
 予定、と言ったのは、まだその勢力の調整段階だからです。
 基本的に私がプレイするシナリオは武田家と上杉家が鬼になるシナリオなので、そこにひとりずつ
 能力平均100超えの武将を送り込んで、さらに凶悪化させるマゾプレイというかアホプレイを望んで
 いるんですけど、その二家だけに列島を埋め尽くさせるのも面白く無い。
 なので、他に3つばかり巨大勢力を空いてる地域、すなわち九州、畿内、東北に制作しよう。
 あ、関東は長野家が担当して盛り上げる予定。
 
 ということなので、恋姫無双の出番なのです。
 
 アホと言うなら笑え。アホと笑うならアホと言え。
 新武将をアニメキャラになぞらえて作るのは私の趣味です、好きなんですそういうの。
 というかたんにオリジナリティが無いだけかもしれないけれど、それは敢えてねじ伏せます。
 いいの、私はそのキャラが好きだから戦国に登場させたいの! (たぶん)
 で、どうやるかというと、革新の場合、いきなり大名の当主と新武将を取り替えることは出来ないので、
 まずは一門武将として配置して、それに跡を継がせる、という形になるんですね。
 九州の有馬家に恋姫の呉勢力を配置しようとする場合、当主の一門として孫策・孫権・孫尚香を
 配置して、孫策に跡を継がせたり、という感じ。
 そして残りは畿内に魏勢力を配置し、曹操に足利家を継がせました。
 このときちょっと残念だったのは、曹操が継いでも足利の家名は残り、あくまで足利家の曹操、となって
 しまう点ですね。
 「曹操」を姓にして(名は真名の「華琳」を採用)るのに、なんで勢力名は変わらないのよー。
 普通に曹操家でいいじゃないの。
 まぁそれはいいとして。
 じゃあ残りの東北は蜀勢力にするの?、ということなんですけど、関羽と張飛使っちゃった。
 ウチとこ(長野家)に入れちゃった。 ついでに領内に趙雲と孔明を浪人としてうろつかせちゃった。
 さらにはお隣の宇都宮家とお近くの佐竹家にそれぞれ黄忠と馬超を入れて、そのうち採れるように
 しちゃった。
 だって使いたかったんだもん。
 
 と、いうことでフリーな東北には、狼と香辛料入れてみました。
 
 だって北だし。 北を目指す話なのにもう北ですけどなにか。
 もちろん主人公(当主)は、賢狼ホロで。
 そしてなんか中国地方と四国が空いてるのも気になって、中国の尼子家に董卓勢力(董卓・賈駆・
 呂布)を入れ、四国はイコール死国というイメージ関連でヴァンパイア騎士の枢様と閑様を以前プレイ
 した長宗我部家に在籍させてみました。
 まぁその辺りは勝手にやってください、と言いたかったのですけど、ほとんど次のターン(リアルタイム制な
 のでターンとか無いけどw)で尼子家は毛利家に滅ぼされてしまったので、尼子の月山富田城と言えば
 堅城として有名だったので、築城技術をいくつかプレゼントして、董卓てか呂布は騎馬なので騎馬技
 術をぽちっとな♪
 四国の方はなんとかなるでしょ、ヴァンパイアですし♪
 
 と、この辺りで随分ノってきた訳です。
 
 ノってきたので、北陸朝倉家に袁紹勢力も追加で配置。
 と、調子に乗ってるうちに、さすがにこれじゃ群雄割拠し過ぎだと思い、重点的に育てる勢力は、
 呉な有馬家と魏な足利家と賢狼な蠣崎家に限定。
 で、育成方針としては 、まずは呉と言えば水軍な訳で、有馬家はほっといても水軍技術育てる家なの
 で、ほっといてもええかな思ってましたら、全然征服活動開始しないときたもんだ、これ。
 港には船使って攻め込むんですけど、陸戦が必要な城にはほとんど攻めず、結果財政難で手詰まり。
 ということで、急遽足軽技術を伸ばさせるためにいくつか技術をプレゼントしたところ、かなり早い段階で
 九州制覇+中国地方上陸とやってくれましたので、まずはOK。
 次に足利家な魏はというと、足利は弓技術に加え弓の特殊技術も開発出来るゆえに弓系統育成で、
 なおかつ南船北馬という通りに騎馬を育てたかったので騎馬技術をプレゼントしたところ、なんと弓と
 騎馬をほぼ同時に育成していく系統に変化して、大変な勢いで列島中央部を席巻してくれました。
 ただまぁ、攻め取った分だけ、東隣の武田家に隙を突かれて稲葉山城や観音寺城を取られたり取り返
 したりしてて、ある一定の段階で成長が止まったりはしますけれど、その辺りはその武田家に東接する
 ウチの長野家が牽制したりすればなんとかなりそうなところ。 なんなら同盟したっていいよ。
 
 で、問題なのは。
 残りの蠣崎家な賢狼。
 開始時に領有しているのは城ひとつに港ひとつで、南以外に他家が存在しない地理的状況は良い
 のですけど、問題なのはその南接する南部家。
 なんか、強いんですけど。 城ふたつ持ってるし、騎馬ガンガン生産するから行軍速度速いし。
 城の耐久度や物資兵力を削ることは編集出来るのですけど、既に獲得している技術や建築済みの
 建造物は削除出来ないという中途半端なこのゲームシステムが災いして、どうあっても滅ぼせない。
 デモプレイにして賢狼家を観察してみると、どんなに物資兵力+鉄砲技術を上げても、南部の城をひ
 とつ落としただけで素通りして次の斯波家や同盟の切れた安東と小競り合いをして、でも南部家も
 牽制する必要がある分だけ南下が遅れ、そうこうしてるうちに上杉が大繁殖してあぼーん。
 どこが賢狼やねん、問題は南部家っていうより賢狼の頭の中身やん!
 なぜかしらないけど、どうしても南部家を滅ぼしてから南下、ということをしないのよ、この子。
 知力は110越えという贔屓な設定してるのに、駄目だこりゃ。
 ただまぁ、確かに戦力的にはマズイ設定はしてるんですよね。
 狼と香辛料は南蛮の話ですから、基本鉄砲技術で+内政・兵器という感じの育成方針にしたのです
 けれど、当主賢狼はなんか火薬の匂い嫌いそうという安易な発想で騎馬中心戦法と適性を与え
 たんですけど、固有技能として与えた強力な「挟撃」を使わずに、知力を活かしたもうひとつの方の
 「回復」ばかり使って全然戦力にならず、てかどっちにしろ騎馬なので技術無いから強くないし、んで、
 他にはロレンスとかノーラとかクロエとか入れて鉄砲使わせてるんですけど、なんかキャラ的に能力値
 高めに与えるのが気が引けて(ぇ)、結局平均60〜70くらいのほんと平均にしたので普通に南部の
 騎馬隊に蹴散らされて、ていうかクロエなんかは一度も戦場に出てきてさえいないし、とそんな感じ。
 うん、今この勢力に必要なのは、鉄砲を使える高性能キャラだ。
 ということなので、現在そんなイメージ鉄砲な奴らをアニメキャラから探し出している次第です。
 鉄砲の固有技能は3つ(捨奸・組撃・烈火)存在するので、どうせなら3人欲しいところ。
 ソウルイーターのキッドとか、屍姫の眞姫那とかあたり、かな、いまのとこ。
 ていうか、ここまで来ると、賢狼家が圧倒的に(設定的には)強いんですよねぇ、てか強すぎる。
 まぁ南蛮だし?いいかな、みたいな感じで、適当に物量作戦させときます。
 
 という感じで、プレイも開始せずに、デモプレイでちくちくと各勢力を編集しながら、最良のゲームバランス
 を探求している日々で御座います。
 なにげにここまで細かく調整するのは初めてだったり、てか私一体この忙しいときになにやってんの、
 なにこんなに拘って完成度高めてんの。
 全く、謎です。
 現実逃避もほどほどにね♪ (はい。)
 
 
 P.S:
 ちなみにこのゲームには武将ごとに親愛と嫌悪という関係があったり設定出来たりします。
 どういう効果があるのかよくわからないですけど、例えば賢狼とクロエとノーラがロレンスに対して親愛で、
 争奪愛で、賢狼はノーラに対して嫌悪で、クロエは賢狼に対して嫌悪で、ノーラは嫌悪対象無してか
 無視でロレンス親愛一筋で、なにげにロレンスは親愛対象無しで、泥沼で、みたいな。
 すごく、楽しい。
 
 
 
 
 ◆
 
 前々回ネタ保存してたお酒話題の残り。
 
 
 特別本醸造 ひやおろし 越乃景虎:
 辛味が甘味をまとっている感じ。
 飲み応えも少しあり、でもそれでごり押ししない喉越しの良さもある。
 そして辛味が様々に変化して味わう愉しみを教えてくれる。
 なんか最近甘味メインに味わってたので、ひとつ路線変更を愉しみたいと思わせてくれる、そういう逸品
 に出会えた気分でした。
 あ、なんかまた趣味が広がった。(気がする)
 
 生原酒 白鶴 蔵:
 不思議なクリーミーな感じがありました。
 生クリームを薄めて薄めてアルコール漬けにしたような、ふんわり柔らかい香りが舌の上に残るような、
 あまり味の変化は無いけれど、その味が旨くてまったりと味わうには非常に良いお酒でした。
 これもまた飲んでみたいなぁ。 ってこれどこにでも売ってるけど。
 
 
 でした。
 
 
 
 
 ◆
 
 次、ラスト。
 アニメ話題。
 というか、視聴リスト決定版。
 
 
 月: (ソウルイーター)・ヴァンパイアギルティ
 火: 魍魎の匣
 水: とらドラ
 木: (銀魂)・夜桜
 金: 黒執事・サンレッド
 土: 地獄少女三鼎・かんなぎ・屍姫赫・ケメコ
 日: ダブルオー2
 
                              :全13作品 ()付きは前期以前よりの継続作
 
 
 以前のリストにあった、黒塚と5の2は切りました。 申し訳ない。
 他に、ヒャッコ・のだめ巴里・クラナド2・カオスヘッド・とある魔術 は、まぁ時間があるときにちょことちょこと
 気長に観ていく、という感じで気持ち保留(なにそれ)ということにしました。
 そしてさらに、喰霊-零-というのに手を出してしまいました。 一応気長に観る方に分類。
 途中参入ですけれど、なんか女の子が可愛かったので、という直球を躊躇わずにど真ん中に投げて
 ホームランを打たれてしまって「ほう。」と呟くようなそのまんまなので、その、観ます。 
 べ、別にいいでしょ動機なんてどうでも! 可愛いは正義なのよ! (好きになさい)
 
 
 という感じで、全13作品という一見スリム化に成功したかのような、その実観るアニメの実数は変わって
 いないという、全く無意味な詐欺ぶりを披露したところで、本日は失礼させて頂きます。
 
 
 
 次回はたぶん、流れ的にアニメの話題とゲームの話になると思います。
 あと11月になりましたけどなにか、的なものを。
 
 では、ごきげんよう。
 
 
 
 
 
 

 

-- 081026--                    

 

         

                                  ■■ 夏目と先生 ■■

     
 
 
 
 
 夏、なんですよね、いわゆる。
 
 夏目友人帳。
 それは私にとって、まさに夏でした。
 よくわからないんですけどね、自分で言っておいて、なにが夏なのかというのは。
 なのに、どうしても夏だ、あれは夏なんだと言い張りたい。
 そんな、なぜか意固地とも言える小さな自分に声援を贈り、そうして応援している自分自身は、
 ひっそりと木陰の中で、その日差しの中で小さく夏を叫ぶ自分を見つめている。
 この夏目友人帳という作品そのものが、主人公夏目貴志をそういう立場にもまた、立たせています。
 別に自分自身が夏を生きていないという訳では無いのに、それなのに、どこか完全に醒めて夏の中の
 自分を見つめている。
 
 なんだろう。
 
 私がこの作品を観て、一番不思議に思ったのは、夏目が自分の両親のことについて、一番最初に
 一言触れた以外に、全く言及もまた想いを及ぼすことも無かった、という点なのです。
 夏目の両親は、彼が幼いときに揃って他界していて、それ以後ずっと夏目は親戚の間をたらい回しに
 されて生きてきました。
 そして、夏目には妖怪が見えるという特殊能力があって、それを最初は素直に周囲に伝えていたのに
 、それが周りの人間を自分から遠ざけてしまうと知った時点で、そのことを隠してしまいます。
 でも、夏目はそれを隠すことで、とてもとても苦しい重圧を背負うことになってしまうのです。
 彼は自分だけが自分で全部背負って、なにもかも隠して強く生きていく、という自分を本能的に怖れて
 いるからです。
 彼にとっては、今目の前にいる人達の存在が、なによりも重要です。
 それは、夏目が全く既に失われてしまった両親という存在に、なんら自らの生きる想いを依拠しない
 ところから見えてきます。
 両親への想いが強ければ、きっと彼は二度と手に入れることの出来ない両親との肌と肌を通じた触れ
 合い、というものを堅持して、ずっと独りで強く生きていくことも出来たはずです。
 けれど、夏目はそうでは無かったのです。
 いえ、彼にとっては、今自分が此処にいる現実が、なによりも愛しかったのでしょう。
 自らの中に周囲の人には受け入れられないものを宿していて、だからこそそれを隠すことこそが周囲の
 人達のためになる、本当に今此処にいる自分と其処にいるみんなを愛しているからこそ、だからこそ
 隠すんだ。
 でもそれは、「逃げ」なのです。
 それを、この夏目貴志という人間は、初めから感得しているのです。
 この「夏目友人帳」という作品に、主人公の両親があらゆるレベルで存在しないからです。
 自分が自分を隠すことに、それこそに後ろめたさを、そう、自分に対する背徳感を抱いている。
 自分は両親のことをなんとも想っていないのに、それなのに両親とこそ繋がろうとする意味での、
 自分の姿を隠して強く独りで生きる、ということに逃げ込もうとしていると、夏目は感じるのです。
 
 
 じゃあ、両親がいようといまいと、関係無いじゃないか。
 
 
 なぜ、自分を隠して、独りで全部背負って強く生きようとするのか。
 それはたとえば、失われたなにかのために、逆に言えばそのなにかだけは確かに自分の中には確かに
 あるからこそ、周囲がどうであれ、自分はそれを見つめて強く独りで生きていけるんだ、という言葉を
 導き出す。
 じゃあ、その「なにか」が無かったとしたら?
 無いのに俺、なんだか全部独りで背負って隠して生きようとしてるんだけど?
 それって、「なにか」っていうのは、全部独りで背負って隠して生きるためにこそ存在したり、存在させ
 ようとしているってことなんじゃないの?
 この作品では、夏目の両親というのは徹底して描かれませんし、存在もしていません。
 それなのに、夏目がずっと本当の自分を隠して、独りで生きようとする姿が描かれているのです。
 両親への想いが、絶対的な「なにか」があるからこそ、周囲と距離を置き孤独に生きるというのなら、
 どうして夏目は、その両親や「なにか」が無いにも関わらず、それと同じことをするのか。
 
 それはつまり、たんに自分が、目の前のみんなを愛していながら、みんなを怖れる自分に負けている
 からだけなんじゃないの?
 
 絶対的な「なにか」が存在していても、それは目の前の現実に負けている自分を肯定するための
 便利な道具にしか過ぎない。
 それは、その絶対的な「なにか」が存在していない場合と同じことで、それを夏目自身が身を以て
 証明しているんですね。
 俺はただ、逃げているだけなんだ。
 両親がいないなら、今度は塔子さん達をその位置に据えようとしてて、たぶん塔子さん達と距離を
 置いても、俺はまたその離れた場所にいる他の人達を両親や塔子さん達と同じように利用してしまう
 だけなんだ。
 
 極論すれば、夏目は塔子達周囲の人間への愛にのみ生きようとして、肝心の塔子達周囲の人間
 そのものと生きようとはしていなかったのです。
 
 それはまた随分と勝手な話だな?
 当たり前だろうがそんなこと、この阿呆、白アスパラ。
 にゃんこ先生は、あっさりと夏目の気づきを小馬鹿にしたように見下ろすのです。
 そんなことは、当然なのだ。
 無償の愛?
 そんなものはただ、その愛への反応を怖れそれから逃げている奴らのちんけな宝物だろうが。
 無償なんだから、相手がその愛に不満を持とうが気にしない、はっ、楽なもんだな、夏目よ。
 つまりそれは、無償なんだからなにをしても良い、どう愛そうともそれはこっちが勝手に想ってやったこと
 なんだから相手になにを言われようが気にしない、気にしないってことは相手がどれだけ嫌がろうと
 なにをしようと関係無いという、まさにその愛の先にいる相手の存在を無視しての、孤独な独りよがり
 な愛にしか過ぎない、ということなのです。
 夏目は塔子達に心配させまいとして、そうしてみんなへの愛のために自分を隠して孤独に生きようと
 するたびに、そのことをひとつひとつ再確認していくのです。
 この作品には「失われた両親」がいないからこそ、よりそのことが良く見える。
 或いは、この作品はその点にこそ絞って作られた作品でもあります。
 
 
 そして、同時に。
 この作品は、「孤独」の意義も作るのです。
 
 自分独りでも生きることも出来るからこそ、いや、不覚にも出来たからこそ、本当の意味で周囲と向き
 合う強さも手に入れられたのかもしれない。
 
 これが実は、この作品の最大のポイントだったと私は思います。
 確かに、最初からただ周囲を無視して、それを正当化するために周囲への無償の愛を説き、そして
 独りですべて背負って生きるのは欺瞞に満ちた愚の骨頂ですけれど、でもだからと言ってそのまま
 180度転換して、周囲の人達との関係性の中だけに生きるのもまた、前者と同じくらい本質的な
 事からは離れていることなのです。
 
 両方、なんですね。
 両方大切なことだから、どちらにも拘らずに囚われずに、一番大切なものを生きることが出来る。
 
 周囲との関係性の中にだけ生きる、ということは、実はもの凄く難しい。
 いつのまにか気づかないうちに、自分のことを誰かに全部預けてしまい、それでただ主体性を失い
 相手の言動に一喜一憂する「だけ」になってしまうこともあります。
 大事なのは、周囲の中で生きているのは自分だという、主体性。
 自分だけが存在している訳でも無いゆえに、自分の存在がどれだけ周りの人達に影響を与えるかを
 見つめる必要があり、そしてそのためにこそ、自分というものをなによりも深く知る必要がある。
 そして、その自分を生きる覚悟と、そして。
 そのみんなの中に生きている、その自分の存在の責任を持つことこそが、ここで言う主体性の殻に
 あるものなのです。
 周囲の人達は、他者は、自分とはなんの関係も無く其処に存在し始めた。
 そして同時に自分もまた、他者とはなんの関係も無く此処に存在し始めた。
 でもそのふたつの存在は出会うことで、それぞれに関係が生じる。
 つまり、自分など存在しなくとも、他者はそれとは関係無しに存在し続けていて、他者が存在しなくとも
 自分は此処に存在しているということ。
 ゆえに、自分独りでも生きられるというのは当然の自覚であり、でも生きている以上、既に他者との
 存在と関係しているのだから、それと向き合って生きる必要もある、ということなのです。
 だから、自分独りで生き続けることのみを修練することも、他者に依存し求めるだけのことに汲々と
 することも、私達が生きるということの本質では無い、というのです。
 
 
 それゆえに、ひとつの生きる要素として、孤独には意義が生まれてくるのです。
 
 
 ただ没入するだけのものでも無く避けるだけのものでも無い、それは不可欠な人生の要素。
 孤独とは、悩み苦しみ、そして愉しむことと見つけたり。
 なにアホなこと言ってんだ先生。 先行くぞ。
 にゃ、にゃーん!
 
 
 
 そんな感じのことが、さらっと深く、私の中を駆け抜けていました。
 決して私の中に根強く留まるものでは無いのだけれど、それが私の中を通った感触だけは、確かに
 ずっと残っています。
 その余韻が、残り香が、私をひとつ考えさせてくれます。
 今此処から、考えたい。
 今此処で、そして此処から先へ生きて行きたい。
 なぜ人との繋がりを求めるのか、それは其処に人がいるからさ。
 でも其処に人がいなければ何も出来ないような奴にはなりたくない。
 いえ、そんな人間でいられるような私じゃ無い。
 なぜなら。
 私もまた、誰か他の人にとっての、「其処にいる人」なのだから。
 私は此処にいる。
 絶対的に、此処にいる。
 そういう、私にとっての、目の前の其処にいる「私」とも繋がっていきたい。
 だから書く。
 私のことを。
 私が考えたことを。
 そして、私では無い「私」のことを、ゆっくりと、長く深く、書いていきたいと、改めて思いました。
 
 
 
 と、いう感じだったんですけど。
 ええと、なにが書きたかったのか訳わかんない気が自分でもしているんですけど、ねじ伏せたーっ!
 って、感じです。
 というか、読み直してみたら、読みにくいということはわかりました。
 でもすっきり。
 やっぱりアニメの感想書いたあとには、気分的にだけでも締めてすっきりしないとね。
 ということなので、私のアホな所業にお付き合いしてくださって、ありがとでした。
 てかごめん。
 
 
 では、なんだか区切りが良いので、今日はこの辺りにて。
 次回からはまただらだらといつもの駄日記に戻りますよー。
 ばいばい。
 
 
 
 
 
 
 

 

-- 081022--                    

 

         

                                  ■■ OSAMURAI ■■

     
 
 
 
 
 どうも、こんにちわ紅い瞳です。
 
 良い天気続きの秋空全開の下、皆様如何お過ごしでしょうか。
 私は色々と忙しいながらも、充実というほどではありませんけれど、ちょこちょことこまめに過ごしている
 今日この頃です。
 
 
 さて、今日はなにをお話致しましょうか。
 じゃまずはしばらくしてなかったお酒のお話でも。
 
 ここんところ、辛味メインの日本酒にハマってきています。
 というよりこの頃はなにを飲んでも甘く感じるというか、美味しい=甘い、という図式に頼ってしまって
 いることが多いので、これじゃ逆に甘味の意味が無くなっちゃうよ、真にお酒の真髄は甘みにあると
 思うのなら、やっぱりここは辛味もわかるようにならないと、辛味も甘味も味わうことが出来て、それで
 複雑豊満な日本酒の良さを改めて実感出来るのだよワト○ン君、といういつもながらのプチ演説を
 舌先三寸のうちでごにょごにょやっていた訳なのです。 黙って飲めって感じなのです。
 でも語る。
 でもどうせ語るなら、味そのものについて語りたい、そんな2008年秋の紅い瞳で御座います。
 どうも、どうも。
 
 はい。
 
 
 
 純米大吟醸 ひやおろし 菊勇 三十六人衆:
 最初の一口で、つる味と甘さと淡い香りが、その変化とともにまとまりを与えてくれる感じ。
 フルーティだけどまろ味もあり、甘味と辛味が程良く混じり、飲み飽き無い。
 これ、前に同じお店で買った「水伝」の純米大吟醸に少し似てるかな。
 是非もう一度飲んでみたいですし、お勧めの一本でもありますね。
 日本酒初心者にも良いかも。 大吟醸ですしね。
 
 富久娘 米だけの酒:
 なのに純米酒では無いという、謎なんだか詐欺なんだかわからないお酒。(笑)
 でもお米のまろ味が薄く伸びてあって、諸々の他の味の無さを補っている、というかむしろお米っぽさを
 強調するために他の味が無い、と思うと割と長く飲める感じ。
 味を探すのでは無く、そのお米っぽさを感じるにはなかなか使えるお酒でした。
 無添加ですし、毎日の晩酌用とかにはよろしいかと。 私は毎日は飲みませんけど、と一応蛇足。(笑)
 
 
 という感じです。
 他にもいくつか飲んだのですけれど、それはまたいずれ。
 ネタ保存の法則。 (なんだそれほんとなんだそれ)
 
 
 
 
 ◆
 
 一応、アニメのお話を少しだけ。
 今期アニメの視聴リストです。 まだ決定じゃ無いヨ。
 
 
 月: (ソウルイーター)・ヴァンパイアギルティ
 火: 魍魎の匣黒塚
 水: とらドラヒャッコ
 木: (銀魂)・のだめ巴里夜桜クラナド2
 金: 黒執事サンレッド
 土: 地獄少女三鼎かんなぎ屍姫カオスヘッドとある魔術ケメコ
 日: ガンダム005の2
 
                               :全20作品 ()内は前期以前よりの継続作
 
 
 色=ほぼ決定  色=様子見  色=このままいくと切り
 
 現時点で切ったのは、伯爵と妖精だけです。 てかむしろ人知れず増えてる。
 ちなみに今まで銀魂を表記してなかったことに気づいたので、今更プラス。
 というかなんかこの色合い汚いな。
 でも青黄赤は外せないでしょ。既に黄は微妙に違うけどきっと平気。
 で。
 
 この優柔不断。
 
 私的常識的に考えて20は無理。
 でもね、ここに残ってるアニメは正直、どれも面白いのよ。
 だから青色以外の作品も、出来ることなら切りたくないし、切るとしてもそれは面白く無いとか評価と
 して低いとか、そういうことは無いのよ。
 てかもう、すごく感度上がってきてるし、黒執事とか3話観て赤から青への二段飛びだし、切りたく無い。
 ・・・・。
 なので、うん、青は観る、これは確定。出来るだけその週のうちに観るよ。
 で、残りも、観ます。 たとえ積んでも観る、観ます。
 というか、うん、なにかしながらのBGA(バックグラウンドアニメ)としてちょくちょく観れば、意外に早く
 消化出来るかもしれない、いいよこの際もう消化でもいいよもう、切るよりはマシだよ。
 あ、よく考えたら最近はまとめて(全部じゃ無いけど)金曜夜にごろごろしながら観てたんですよね、
 てことは他の日はそもそもほとんどの日がノーアニメデーだった訳で、そだ、そっちに回せばなんとなるよ。
 毎日アニメデーにすればなんとかなるさ。
 みんなでいこう! (違う世界へ)
 
 この件については、もう触れない方向で。
 知らない知らないよ私はどうなっても。
 
 
 
 
 ◆
 
 ええと、あとはなにかあったかな。
 あ、そだ、また久しぶりにゲーム始めました。
 友人に借りて、ギルティギアという格げーをやりました。
 って言っても、昨日返してしまったので、不確かなことしか書けないんですけど。
 うん、で、難しい。
 友人と対戦しても、全敗。
 手も足も出ない上にぐうの根も出ない。
 無双系のゲームでボタン連打でなんとかなるものしかやってこなかったツケがこれなのか!
 で、そんなツケはどうでもいいんですけど、ボッコボコ。
 格げーは結構好きなんですけど下手の横好きど真ん中。
 クラドベリジャムというキャラがやりやすかったので頑張って練習したんですけど、すべて返り討ち。
 ていうか近づけない、ていうかハメから逃げられない。
 なので取り敢えず走り回って飛び回って、ちくちくとヒットアンドアウェイ戦法に徹してみたら、
 やっと勝てるようになりました。
 十回に一回くらいの割合で。
 進歩してる! 少しだけど進歩してるんだよ!
 その辺りを、評価して頂きたい。
 
 さて、次はサッカーやろう、サッカー。 (だから勝てんのです)
 
 
 
 
 という感じで、今日はここまで。  なんか筆が進まない。
 
 次回はアニメの話をします。
 夏目友人帳とか。
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 

-- 081017--                    

 

         

                               ■■ これからのお話 2 ■■

     
 
 
 
 
 早速ですけれど、前回の続きです。
 さらっとぽちっとぽいっとな。
 
 
 
 
 ◆
 
 
 
 夜桜四重奏:
 OPが気に入った、くらいしかないよ。 厳しいよ。
 技法的に評価出来る、らしいのですけれど、私はそういう分野には造詣が無いのでわかりませんし、
 また技術度が高い、という観点で愉しみたいともあまり思わないので、その技術の「面白さ」を語れる
 人がいたら私のところに来なさい。
 で、その絵とか動きとか演出とか、その辺に面白さを感じられなかったのは良いとして(良くないけど)、
 じゃーお話的にはと言いますと、うーん。
 ごめん、技術とか技法のことで頭一杯で、ちゃんと観てませんでした。 (こいつ・・)
 ん、でも、第2話まで観たんですけど、チューニング=殺すじゃないの?という問いはいけるかなと。
 殺さなければ守れない者がある、殺す対象は暴走した妖怪?
 それなら妖怪が人間不信になるのは当然じゃないかな?
 暴走しないように努力してまともに生きようと懸命に生きる、っていうのはわかるし誰も否定しないけど、
 逆にいえば暴走せずにはいられない、努力してもどうにもならない弱い妖怪達にとっては、それこそ
 「勝ち組」の論理にしか聞こえないのは当然、だよね。
 確かに努力するしか無いんだろけど、でも本当の問題は、努力しなければ、努力出来なければ生存
 することさえ許されない世界の、その構造そのもの。
 それは、努力するということの是非とは関係の無いこと。
 そしてこのお話は、まさにそこを突く。
 妖怪だって好きで暴走する訳じゃ無い、だから、暴走してしまうこと、その暴走そのものを破壊しよう、
 ひいては暴走することをやめられない、努力したくても出来ない妖怪と一緒に頑張ろう、それこそが
 妖怪をみんなと一緒に生きられるようにするための、チューニング。
 ・・・ってことでいいんですよね? (3話からはもっとちゃんと観ますごめんなさいすみません)
 
 
 
 地獄少女三鼎:
 随分、いえ、大幅にパワーアップしちゃったねぇ・・・(汗)
 ぞくぞくしちゃいましたよ、緊張で。
 映像美と言うのならそれでもいい、まさに映像美ですから。
 だけどそれだけでは絶対に足りないものがありました。
 新キャラ紹介ですら、さりげなく空気のように表現して(説明さをほぼ消去して)、それを全体の空気
 とひとつに繋げている。
 骨女や輪入道達、現世に散った前作までのメインキャラが再び集まる、その終着点そのものに地獄少
 女たる閻魔あいを置くのでは無く、ただそこに閻魔あいがいるからこそ皆集まった、つまりその「集まる」
 という行為自体が既に地獄少女なのです。
 そして、「怨み」の先に閻魔あいが顕れるのでは無く、「怨み」があるところに地獄少女は既に存在して
 いる、その「怨み」の集積自体が既に地獄少女として顕れる。
 それが閻魔あいという個人が復活するという儀式的なものを削除し、ただ「地獄少女」という現象に、
 便宜的に閻魔あいという個性を持たせていく過程で、同時に作品的に「閻魔あい」という地獄少女
 の復活の儀式も圧倒的に行っているんですね。
 ほんともう、ぞくぞくしました。
 そしてその復活した閻魔あいは、明らかに今までの地獄少女とは違ったものとして出現しています。
 なんのために怨みを晴らすのか、怨みとはなにか。
 それを、その問いを閻魔あい自身こそが人間に直接語りかけていくようになったのです。
 明らかに、地獄少女という立場の中で、閻魔あいは恣意的に動いているのです。
 地獄少女はもうすぐ完結する、もしくは、「結」としての第四期を暗示する「転」として動き出した、
 そんな気を起こさせるに充分な、その第三期の初めのお話でした。
 少なくとも一期は「起」で二期が「承」なのは間違い無いですしね。
 是非みなさん、ご覧になってみてください。
 
 
 
 屍姫 赫:
 正直、よくわからん。 (腕組みしながら)
 というか、アニメ観てる数が多すぎてそろそろ麻痺ってきてしまっているのかもしれないのですけど、
 どうも印象に残りにくいというか、逆にこの作品とはこういう作品であると、そう自分で語ることでなんと
 なくなにかが見えてくる、というタイプでした。
 ひとつひとつ、これからからこの作品を作っていかなくちゃいけない、という枷が重々しく、どうも簡単に
 観ることも出来ないよう。
 んあ、辛い。
 このわからないという感覚、別に難しいんじゃないのに、すっと自分と繋がるなにかが無いだけのわから
 なさ。
 わかりたいともわかりたくないとも思わない、それなのにどうでもいいとは言い切れない。
 迫力は、ある。
 そして、その迫力をなぞるようにして語るからこそ、迫力を隠そうとしているだけの私に気づく。
 結構、いくつかテーマ的な事は語ってる、ならそれを考えてみようか、そう思った瞬間に、なにかが「隠れ
 て」しまう気がする。
 なんだろう。
 惹き付けられていないのに、滅茶苦茶惹き付けられている。
 ヒロインの理屈的な口上が、全く彼女がぶっぱなす銃弾と同じにしか見えないんだもの。
 自らの屍の匂いが、自分の息吹に感じられてるんだもの。
 全部が全部絡まって、動悸すらも脳みそで感じてしまうほどの静かな絶叫。
 わからないと言いつつ、語る自分を止められない。
 語っても語っても、絶対に「屍姫」の本体には辿り着けないと知りながら、全力疾走で言葉を撃ち込み
 突っ切り、にやりと不敵に嗤う。
 『今、お前私を怖れた。お前の負けだ。』
 ふん。
 わかるわからないなんて、関係無いのだ。 ←別に言い訳じゃありません
 ヒロイン眞姫耶の静かな乱れに呪いあれ。
 ということで、いけます。 (どんなまとめ方だ)
 
 
 
 ケメコデラックス:
 帰れ。ていうか私帰るっ!
 訳:すごいね。OPとEDが振り切れ過ぎ。自制とか自重とかそういう言葉が載ってない辞書ですね。
 というかほんとにこういうのがやりたいの?と疑問符がつくくらいの悪意に満ちている。たぶん良い意味で。
 なんていうかね、本編はもうバラバラ。キャラに統一性(というとなんか変だけど)が全然無くって、
 ありとあらゆる変態もとい変人を無造作に掻き集めて描いているような感じがするんですよね。
 全員、レベルの差はあれ、振り切れてる。小さく大きく、振り切れてる。
 主人公ヒロイン幼なじみクラスメイト、全員すごい。静かにすごい。
 普通にケメコが怖い、怖いくらいにウケる。 あとあのスク水で校庭で朝礼台な青髪少女が怖い。
 ノリとか無いてかそういう問題違う。まんま剥き出し。 いきなり目の前で裸踊り見せられたようなもの。
 ・・・・どうしよう。
 マーベラス! ←笑い転げながら
 
 
 
 ガンダム00第二期:
 一話については特に無しなので、第二話にぽつぽつと。
 
 ・理系なことはさっぱりですが、いけます。
 ・仮面の男の仮面の意味が無い件について。
 ・ですっ娘に地味に馴染めない。
 ・スメラギな酒乱。 酒の切れ目が縁の切れ目。 二年間ありがとうさようなら。
 ・刹那のアンチ酒乱女能力は脅威。
 ・Fセイエイの新たな能力開花。酒乱女は誇っていい。
 ・ビリーはもっと誇っていい。
 ・ロックオンが補充された。
 ・シーリンは、ヒーローかツンデレか。
 ・お姫様も早速攫われたし、出番です。 この姫様はある意味成長した。したんだよ。
 ・『随分と寂しい組織なんだな。』
 ・ガンダムの背中にガンダムの顔がある件については、知らない方向で。
 ・新型っていうか、ふたつくっつけた。
 ・カコーン。 いい音。
 ・今一番必要なのはビリーのケア。
 ・二重人格な人が二話連続で放置プレイなのに挫けない件について。
 ・次で奪還されてください。
 
 これはいけるって、思った。 (純粋な気持ちで)
 
 
 
 伯爵と妖精:
 ううーん。
 これはほっといてもいいって思った。
 否定もしないし肯定もしない、ただ今、私は素直にテレビの電源を切った、ただそれだけ。
 もうちょっと、もうちょっと時間をください。すみません。
 そういうことです。 (なに)
 
 
 
 ヴァンパイア騎士ギルティ:
 普通に続いてるし。
 ゼロとの再会とかもっとこうなんか手間暇かけるのかと思ったら、普通にいるし。
 普通に出会ってるし。ほんと、しばらく見なかっただけ、じゃん。
 まぁいいか。まぁいや。
 という感じです。
 と、まず最初に一息ついてしまう、そんな出だしでした。
 でもね、なにこの溢れ出す空気は。
 普通に続いているからこそ、いきなりトップスピードのままに迫ってきてるような、枢様がなんかすごい。
 じわーっと、薔薇を焚きしめたような、なんかこう、あるでしょ? (なにもわかりません)
 時々刻々と主人公の優姫の向こう側で動くゼロや枢様達の影に、思い切り手を伸ばして縋り付こう
 とする優姫の足掻きが、それをより際立たせています。
 優姫が足掻いて、足掻いていることの悲しみの涙しか魅せられないことで、よりゼロや枢様達の抱え沈
 むものが浮き上がる、ということでもあります。
 そして、その優姫を向こう側に運んでくれるかもしれない飛び道具(?)、紅まりあの復活。 ええーっ!
 閑様! 閑様はいずこへ!?
 と、むしろ閑様命な私をあちら側(ぇ)へ運んでしまうシチュエーション。
 ていうか、まりあの話を正座して聞きかねないくらいに集中してる私ったら、どんどん見事にゼロ達に
 置き去りにされてしまっているその実感たるや、びんびんです。 びんびんでガンガンです。
 ガンガンいこうぜ! (そっちは崖です)
 うん、これ、紅まりあで一本書けちゃいますよね。
 まぁ落ち着け。
 そっちに行っちゃうと、枢様は独走態勢に、そしてゼロはかえってこちら側に無理矢理引き戻されるだけ、
 になってしまいますよ。
 あくまで優姫(私も)が向こう側にいかなくちゃいけないんですからね。
 こっち側にいて足掻くだけの優姫はただのお姫様で、それは可愛いだけのお子ちゃま優姫にしか過ぎ
 無い。
 ゼロが元老院に追われることになった事など色々と条件が加わったけれど、それ自体は決して「本質」
 では無くて、それと向き合うこと自体は決して優姫をゼロの元に連れていくことは無いんですよね。
 そうやって、色々なものに思い切り捕まりながら、足掻きながらも、それに負けそうでも、それでも
 真っ直ぐと前方の闇の向こう側をみつめようとする、そのひとりの人間としての優姫の姿が、あの瞳が
 毅然と在ったのが、やはりこの作品の素晴らしいところですね。
 優姫の孤独、その孤独そのものも容赦なく描く。
 そして、その描いたものをしっかりと舞台として提出し、そこから優姫がどう「生き出す」か。
 いよいよ、ヴァンパイア騎士が唯一の方向に向き直った気がしました。
 そしてそれには、枢様とゼロを酷写することは外せない。
 より描くべきはまず、そのふたりの男ですよね。
 変に漢(と書いておとこと読む)的にカッコつけたりとかさせないでね、させないですけどね、この作品は。
 ふたりの男とひとりの女、その伸ばす手が本当に、繋がる瞬間を私は是非観てみたいです。
 あの「現実」の中でこそ、どう共に生きられるか、ですね。
 というかまぁ・・・・・・・すごいね、ほんとヴァンパイア騎士は・・・・・(もぞもぞしながら)
 
 
 
 のだめ巴里編:
 大笑い。
 爆笑じゃなくて、大笑い!
 のだめは第1期の途中までしか観てなかったんですけど、やっぱり面白いわー。
 とにかくのだめの天然ぷりと千秋の容赦無さが炸裂して、ああなんか、次にどういう展開になるのか
 わかってても笑っちゃいます。
 笑いのアイディアの繋げ方が上手い、という褒め言葉が合うような、そんな素直ながらもありきたりさを
 感じさせない、そんなコメディ。
 なんかほっとします。
 そしてその足で、きっとのだめと千秋のもやもやっとした話に繋がっていくんですよね。
 のだめと千秋をコメディキャラとして真実育てれば相当なものになるはずなのですけれど、あくまでこの
 強烈なキャラクターを小さめな的に絞って、ちまちまと、おそるおそるそれにぶつからせる。
 のだめなんか、音楽だけには収まらないあれだけの暴れぶりを示して笑わしてくれて、のだめにとっては
 音楽とは生活の一部「にしか過ぎず」、だからそれこそのだめ節を愉しむことが出来るのに、その大きな
 のだめが、そして小さな音楽というものに的を絞ってぶつかっていく。
 たぶん、それが、音楽、なんでしょうね。
 音楽だって生活のひとつにしかすぎないからこそ、全部が繋がっていて、それでいて敢えて「音楽」という
 名をつけてそれだけを特別にみつめていくと、改めて見えてくるものがある。
 なにを言っているのかのだめばりにわからないとは思いますけれど、その辺りは流してしまいましょう。
 あとは千秋先輩がなんとかしてくれるです。
 フランスにきてまで般若になれる(相手はロシア人)千秋を尊敬しています。
 ・・・ロシアの人、フランスの人、お疲れ様でした。
 
 
 
 
 
 
 
 改めまして、ごきげんよう、紅い瞳です。
 
 如何でしたでしょうか?
 もう10月も後半に入っているのに、ようやっと一通り今期開始のアニメに言及出来ましたよ。
 どんだけアニメ沢山あるのよ、てかみなさんどうやってこれ捌いてんのよ、あ、見てない、そうでしたか、
 ええ、あ、騒いでるのは私でしたか、あ、はい、なんでもありません、問題ありません、ええ。
 ・・・・。
 思ったより、ネット的に盛り上がってなかったり? 
 ウチのチャットが盛り上がりに欠けてるのは、ひとえに私が形振り構わずに盛り上がってるのを観て、
 かえって冷静になられているものと(都合良く)拝察しておりますけれど、実際のところ今期のアニメは
 みなさま的には如何なのでございましょうか。
 
 いえ、私的には、ここまで見てきても意見も感慨も変わること無く、大豊作ですよ。
 レベルも高いのが揃ってますし、数だけでは無く質も良いのがあります。
 それはまぁ、私的に見て「レベル」が低いのもいくつかありますけれど、今の私はそれを愉しめるように
 なるための自分自身のアニメ視聴者としてのレベルを上げる作業に没頭していますので、あまり関係
 が無いので御座います。
 てかだから、今期のアニメ郡自体のレベルが高いか豊作かなんてわかりませんし、そもそも私のやり方
 こそがアニメ視聴者としてのレベルを上げることになるだなんていうのは異論ありありで当然ですし、
 なんだかもうなに言いたいのかわからなくなってきましたけれど、みんなそんなもんじゃ無い? (ぉぃ)
 でも私思いますに、アニメのレベルってなに? という疑問があるのでございます。
 統一されたアニメの評価方法なんてありませんし、あっても私はお遊び程度でしかそれとは付き合い
 ませんけれど、ですからアニメの評価方法は個人別の問題であって、そういう意味で私が現在
 そのアニメ評価方法を無限開発しようとしているなら、それはそのまま現在私が観ているアニメ郡を
 評価することと繋がるのではないでしょーか。
 つまり、最終的には私にとって面白く無いアニメというのは存在しなくなり、現在面白くないアニメが
 あるのは、それはたんに私がそのアニメを評価する方法を現在持っていないというだけであり、
 だから私が現在面白くないと「評価」したことは即、直接的な私とアニメとの結びつきからは離れるもの
 になるのではないか、ということです。
 つまり。 (二回目)
 
 豊作とか不作とか言うのは主観であり、だけどそれはアニメ自体の評価とは別という意味では無く、
 アニメ自体の評価もまた同じく主観なのではないか、ということです。
 
 
 「つまり」を二回も使ったのに、全然わかりやすくなってないというか、説明になってないというのが、
 もう、致命的な気が致します。 ていうかいつも言ってることとどこが違うのか自分でもわかりません。
 ていうか、みんなが盛り上がらないことに対してムキになっている私は必死だな。
 頑張れ。 (めげない。焦らない。)
 
 
 
 ということで、ぐちぐちぶつぶつと、上手く表現出来ない自分に蹴りを入れて蹲っている感じなので、 
 それじゃどうにもならないので、まずは語ります。 紅い瞳語ります!
 語ってればそのうちなんとかなるはずさ! (なりません)
 んで。
 今期はと言いますとね・・・ごそごそ。
 
 ・魍魎の匣
 
 が、ぶっちぎりでした。
 で。
 
 ・とらドラ!
 ・かんなぎ
 ・屍姫 赫
 
 が、掘り出し物でした。
 魍魎はほっといても平気、だからそうですね、前期の恋姫無双的な、私ひとりだけでも愉しんでやる
 わよ、てか私こそがあんたを漢にしてあげる、みたいな、そういう発掘的なプロデュース的な、そういえば
 のぶたとのだめって似てるよね、うん、字にしてみたらあんまり似てないね、うん、みたいな感じなので、
 たぶんきっと、大丈夫。 (なにが)
 でも、私にしか出来ない愉しみをどう伝えていくか、っていうのがミソなんですよね。
 私発、皆様着の、そんななにかを。
 なに言ってるんですか。
 
 ・地獄少女 三鼎
 ・ヴァンパイア騎士ギルティ
 
 で、このふたつは私にドンピシャな作品。
 というか、私が最もすらすらと語れるタイプだし、最も適した熟し具合で提出された出来になってた。
 本来ならこのどちらかで感想書くのがベストでした。
 てか、地獄少女は散々書いてきて充分に近かったし、ヴァンパイア騎士は前期書いてなく中途半端
 なので、実際書くとしたら、上に挙げた屍姫が実は最有力候補になってました。
 んでも。
 お知らせ。
 
 
 
 今期、紅い瞳はアニメの感想日記をお休みします。
 
 
 
 前期で言うところの夏目友人帳のスタイルのアレね。
 もしかしたら、欲求不満が有り余って、いつもの雑日記中でちょろっと繋げて書いたりすることもある
 かもしれないですけれど(前期でいう恋姫無双)、基本的にはお休みです。
 理由は、エネルギー補充。
 あと一応忙しいので。 忙しさは10月一杯までの模様なので、一応って感じ。
 調べたら、最後に休んだのは04年度の冬期ですよ。 随分続いてたなぁ。ちょと感心。 (よくいう)
 ということで、この辺りでちょと、新しい風を入れてみたいのです。
 風に乗ってどこまでも、な。 (違)
 次は来年1月開始のアニメからになると思いますので、それまで存分にサボらせて頂こうと思います。
 書くよりも、観る。
 それを一応、モットーにしておきますね。
 いやそれより。
 観るな、萌えるんだ。
 
 自分で言って、困りました。
 
 
 
 
 じゃ、あとはよろしくです。
 せいぜいがんばってください。 ←某元○相風に
 
 
 
 
 
 
 
 

 

-- 081015--                    

 

         

                                ■■ これからのお話 ■■

     
 
 
 
 
 さぁて。 (挨拶)
 
 
 なんだかんだで、割と忙しいのがほんとに続いている今日この頃の紅い瞳です。
 10月一杯はこのまま「忙しい。」の一言で済ましても差し支えない(と勝手に思っている)状態が
 続きそうで、なによりです。 いやなによりじゃ無い。
 と、そんなことばかり言ってるのはアレなので、と前回も前々回も毎回言っているはずなので、そういう
 前置きはしません。
 しませんので、普通にそのまま今の私に出来ることだけをやります。
 今の私に出来ることと言えば、アニメの感想を片づけるくらいのことです。
 片づけるとか言ってるあたりに、なんらかの悪意を感じること請け合いでしょう。
 悪意というか、既にそういう自分の状態を、まぁええねん、とまんま肯定して見て見ぬふりしようという
 魂胆がすけすけでありんす、ということでしょう、ことなのです。
 
 
 ・・・・。
 自分で言ってて、寂しい? 寂しいよね? 寂しいそうです。
 
 
 
 〜突発的紅い瞳のこの頃な箇条書き〜
 
 ・早く涼しくなってください。秋物にちゃんとした出番をください。
 ・お香始めました。 ちょっとだけよ。
 ・酒見賢一「泣き虫弱虫諸葛孔明/第弐部」  海道龍一朗「後北條龍虎伝」
 ・綺麗に大切に扱っていたマイ自転車に、錆が目立ち始めました。 ま、まだですだ。
 ・最近、紅が似合うようになってきました。 (自己申告)
 ・なんか肘が痛い。 酷使した記憶は御座いません。
 ・友達が冷たい気がする。 メールの返信サボったしね。 頑張ろう。
 ・ハートフル!
 ・いえなんでもありません。 CMで言ってた。 元気出せよ。
 ・やべーまたサッカー観るの忘れた。
 ・記憶力が心配です。 てか覚える気あんのか。
 ・傾向として、頑張り屋さんに引きずられる。
 ・安売りに超反応する私がいる。
 ・杉本圭「月に駆られて 六条御息所物語」  郡順史「日本の誇る侍たち」
 ・辛口がしみる。 (お酒の話です)
 ・そのくせ、気分上々。 なんか今すごく自分の髪型気に入ってる。 自分が好き。 (怖)
 ・ダイエット+筋トレ再開。何十度目かの再トライ。 ほそくながく! (合い言葉)
 ・あ、だから肘痛いんか。 きゅぴーん。 ひとつすっきりした。
 ・筋肉痛。 当日から何日後発生かは数えない。 知らない。
 ・そしてアニメに還ってくる。
 ・スパイラル!
 ・いえなんでもありません。 独り言で言ってみた。 元気出せよ。
 
 
 
 さて。
 いきます。
 
 
 まずは、前期の残りの奴。
 早く語らせて! はやく早くっ!
 
 
 
 
 ◆
 
 
 狂乱家族日記:
 傑作。
 その一言でさらりと済ましたっていいくらい。
 傑作。
 これが遊び? それは遊んでいるけど、遊んでいる全知全能の神様がいるだけ。
 主人公は全知全能の神だと嘯く一介のネコミミですよ。
 つーかネコミミ取れるし。
 取れた瞬間になんかファミリーな話をするし。
 でもさ、ファミリーな悩ましい小作りな話をするだけで、別にそういう話にあの作品がなる訳じゃー無い。
 陳腐でありきたりな理屈を、この作品はまぁぽんぽんぽんぽん展開するのだけど、でもそういうの全部、
 遊び道具のひとつにしか過ぎない、そう、全知全能の神、狂華様にとっては。
 なんでもあり。
 たとえほんとに遊びがマジになってしまっても、ていうか普通に時々そうなってるけど、でもその舌の根も
 渇かぬうちに、正反対のことをさらっとやったりする。 しかも大真面目に。
 真面目なのか巫山戯てるのかわからない、じゃー無く、真面目で巫山戯てる。
 んや、真面目とか不真面目とか、そういう次元じゃ無い。
 大体さ、わかるもの、この作品。
 ひとつの理屈で繋げて考えると訳わかんないけど、でも目の前にいるのはただやりたい放題やってる、
 普通な猫さんがいるだけで、別に沢山の理屈で理解すれば、なんのことは無い。
 当たり前な全知全能の神が、そこにいる、その面白さ。
 ひとつひとつの理屈はわかりやすいっていうか、むしろ普通にありきたりなものばかりだし、掘り下げなんて
 微塵も無い。
 全然難しくない。
 だけど、その理屈が同時にあっさりと沢山見せられるから、難しくわからなく感じるだけ。
 ひとつひとつ、狂乱なるままに無秩序にぶつかっていけば、あっさりと、ああそういうことか、みたいなもの
 がそれぞれそれを観る人の中に生まれてくるんですね。
 なんでもあり。
 それが、そう。 面白いことに。
 自分が自分の理屈に責任持てば、それが自分の中で繋がってるなら万事OK。
 狂華様的には、すべてが最初から全部繋がっているのだ!!      たぶん。
 ってな感じ?
 なんでもあり、だから、なんでもありでも無いとも素直に言える。
 面白かった。
 だから、傑作。
 それで、いい。 本当に。
 
 
 
 
 ◆
 
 では、遅れに遅れていた今期発のアニメの感想を書かせて頂きます。
 全部の作品についてはここでは言及してません(てかさすがに長い)ので、残りはまた明後日あたりに
 Upさせて頂きます。
 
 それでは、簡潔ながら。
 
 
 
 
 とらドラ!:
 黙れ、そして腐れ。
 手乗りタイガーで今期はいけますね。竜児もいいし。
 おまけに櫛枝実乃梨までいいだなんて。
 まずい、贅沢過ぎます。
 これじゃなんにも私の言いたいことが伝わらないかもしれないけれど、反省します。(はや)
 手乗りタイガーの暴虐ぶりと竜児のお節介っぷりと櫛枝実乃梨のはっちゃけぷりがいいんです。
 私の言いたいことは伝わったかもしれないけれど、これだけで終わってしまうなんてあんまりだ。
 あんまりなので、もうちょっと考えて書いてみます。
 ええと。
 面白かったです。
 良かった。
 楽しかった。
 手乗りタイガーと竜児と櫛枝実乃梨がいい。
 いいって言ったらいいんです。
 あとまるおくんの良さがわかったら完璧なんじゃないのかって感じなんです。
 ゴールまであとちょっとなんです。
 がんばれ。
 頑張れ!
 もうちょっと、がんばりましょう。 (語彙とか表現とか)
 ということで、もうちょっと研究してから、また今度書いてみます。
 だって、だってまだ第2話なんだもの! ←まだ第2話なのに既にハマってる人
 
 
 
 魍魎の匣:
 ・・・・・。
 気分的感情的個人的な想いについては伏せさせて頂きましょう。じゃないと鼻血吹きそうなので。(ぇ)
 たぶん、私が想像していたであろうこの作品の映像化された姿のうちの、そのどれにも似ていなかったと
 思います。
 想像以上、いえ、想像外。
 言葉による説明を徹底的に排し、ただなにかを喋っている人間だけをぽつぽつと描くことで、言葉の
 説明を排したあの映像世界自体の「説明」がなによりも圧倒的迫力で伝わってくる。
 まさに映像で語る、とはこのことで、これはもう解釈好きな人にとってはかなり情報量のある素敵な映像
 となっていて、なおかつ、私のような解釈だけでは無い、その中で生きている人間の生の感覚をも
 求める人にとっても、この映像はもはや「映像」という域を超えてひとつの強大な「物語」になっていました。
 多感薄情な少女頼子の想いの、その感情の説明を心理として描くことはせずに、ただただ憧れを含む
 眼差しで見つめるもうひとりの少女加菜子を無限大に求め吸収していく、その少女自体の完全一人
 称の体感と体感世界を描いている。
 頼子の残酷さを語ることも描くこともおろか、それを私達に考えさせることもしないほどに、陶酔よりも確
 かな少女頼子のその世界は、同じくひとりの少女である加菜子のそのひとりの人間としての、或いは
 自分と同じ立場である存在としての「同志」を一切持たず、頼子にとってはただただ加菜子は頼子の
 「すべて」であり、また頼子「自身」でもある。
 つまり、頼子=世界、なのです。
 あの第1話という作品の中には、頼子以外の語り手は一切存在しない。
 頼子の語る言葉、頼子が聞き入れた言葉、それらの言葉の中にだけすべてがあり頼子があり、また
 そうして「言葉の世界に閉じ籠もっている頼子」というものを描き出す語り手はまた、存在しない。
 言ってみれば、あの映像世界はすべて、頼子の頭の中の世界を丸写ししたようなもの。
 そしてそれは同時に、あの第1話を作ったのは他でもない楠本頼子である、ということになっていたのです。
 
 そしておそらく、第2話から、その頼子の世界がひとつひとつ壊され、丸裸になっていくのです。
 
 ラストに木場刑事の視点世界を滑り込ませ繋がせたのは、実に効果的。
 というか超確信的! 上手い!
 原作に於ける一人称の複合体と、それらがひとつひとつ解体されていくだろうその予感を見事に表現
 した、いえ、全く想像も付かない形で再現したこの魍魎の匣第1話に、京極作品ファンとして、
 最大最高の拍手を贈ります。
 大絶賛!!
 そしていちアニメファンとしては、鼻血吹きながら涙流してたりします。もう駄目、死ぬ。ぎゃー。
 
 
 
 かんなぎ:
 最初観たときは、全然面白くなかった。というか、当てが外れた感が強かった。
 だけどもう一回見直してみたら、なんだか素直に面白かった。
 OPのアイドル踊り(ぉぃ)で拍子抜けしたのはしたのだけど、変な言い方すると、本編と連絡しない、
 けど本編がどういう方向に進むのかわからないからこそ、もしかしたら繋がるんじゃね?どうなの?、
 というそのカオスな感じがするし、またあの踊り自体もノリノリでいいじゃん、みたいなとこもあって、
 妙なしっくり感があるんですよね。 てかこれ、私の知らない感覚や。
 となると本編なのですけど、これがまたリズムがいいのやら悪いのやら。
 少なくとも私の「笑い」のリズムとは違うのは、一回目観たときに面白さを感じなかったことで確かなんで
 すけど、だから逆に提出されたリズムに乗ってみると、これ結構笑える。笑えるじゃんこれ。
 全体的なナギのずるーっとした空気感とか、けれん味があるんだかないんだかわかんないようなそのまん
 まな感じとか、うん天然とはちょと違うんだよね、自信たっぷりだからいうか神様ですし、笑っちゃいけない
 という余裕が持てないほどに呆気にとられてしまうというか、おー、おー、みたいな。 「!」は無いね。
 なんたーるちーあー。 ノリツッコミまでするこの神様はなんだろう。なんだこいつ。
 うん。
 公式サイトにあった「おはなし」に書かれてた言葉通りの展開なんだけど、全然ノリが違うというか、
 なんだろ、あれはあのナギがあのノリでやるから面白いのだってことがわかった。
 なんでじゃー、は面白く無かったけど。文字で書くとあそこがポイントなはずなのに、ナギがやると全然
 ポイントじゃなかったりして、え、それってただたんに演出が下手って意味だったりして?、と思ってもう一回
 見直したら面白かった。なんでじゃー、じゃー、じゃー。 なにこの順応性。
 ちょこっと自分のリズムを変えるだけで、普通に面白い。
 結構主人公の仁とナギのリズムがズレズレなところが笑いどころのひとつになっているって言うのも
 あるだろし、というか、結構仁からして突飛なナギの行動も実は私達的には理解出来たり、まぁあの
 魔法少女踊りも巫女の踊りみたいな感じで了解出来る(出来るか?)し、結構ナギ的になんでじゃー
 と叫びたくなることもわかるんだよね。
 だから、なんですよね、これだけ私がこの作品の、というかナギのリズムに合わせることが出来るのは。
 そして同時に、仁的視点から観れば紛れも無くなんだこいつ、と素で笑うことも出来るんですね。
 ナギは公式サイトのキャラ紹介にもあった通りに、神様で高飛車だけど親しみやすい、てかほんとに
 神様かこいつ、てか自称だし、というのが作品的に大きく、またそれに対して遠慮しながらもしっかりと
 ぶつぶつとツッコミを入れる仁とのタッグがこの作品の肝だったり。
 新鮮な神饌。これはなかなか。なんだこいつ。
 こんな感じなので、友情的な親和性とか高そうだし、或いは普通にギャグ度を深めていったりとか、
 そういう可能性の高さは異常なので、ていうかナギのトランクス(だよね?)履いといての羞恥心シャツ
 というギャグのやり方とか、結構アグレッシブだったり、というか仁的にあれは恥ずかしいやら笑うやらの
 凄まじい心境だったこと請け合いっていうかあれは逆に怖いよね。
 はい。
 そろそろなにが言いたかったのかわからなくなってきたので、ナギ様万歳ということでしめときます。
 あと仁がんばれ仁。 前途多難でしょうけど。 (可能性的に)
 
 
 
 黒執事:
 結論から言うと、微妙。
 割と視聴継続ラインギリギリ。
 別に面白くないという訳じゃ無いのだけれど、飽きる。飽きちゃう。
 この作品はどういうものなんだろう、どういうところが面白いんだろうと、そうして探し当てただけで充分
 というか、時間がもうちょっとあれば観てもいいんだけどね、いいんだけどねってなによその言い草、
 というあたり? ・・・・。
 ただ、時々はセバスチャンの冷たさを味わいたい、という気持ちはありますね。
 あの執事の黒い忠誠心は大好きですし。
 悪魔で執事ですから。
 ありがとうございます。 (なに)
 
 
 
 黒塚:
 アニメという媒体を使えていない。
 ぎこちなさと隙間の塊。 そして無意味なものの寄せ集め。
 ひとつの作品としてのまとまりが無い。
 ていうかぶっちゃけ、なにも感じ無い。
 それ以前に、作り手の魂を感じ無い。
 絵は綺麗だし凝ってるけどね、それがなにか。
 プロモ以下。
 駄作とすら言えない。
 少なくとも、アニメとしては。
 お話自体には、興味を少し、そそられた。
 散々貶した上で、そう思う。
 「造形」美を求める人にはいいかもしれないし、私もその側面でなら感心出来なくは無い。
 けど、それだけで終わってしまう。
 アニメを観て、感心して終わってしまうことの、なんと悲しいことか。
 この作品には、ここからの奮起を是非にともお願いしたい。 
 入れ物の中に魂を。
 このお話を「アニメ」として動かし生かして、欲しい。
 このままじゃ終われない、そして終わってはいけないと敢えて言いたい。
 
 
 
 とある魔術の禁書目録:
 正直、それほど期待してませんでした。
 風雅さんにお勧めされたので、まぁつまらなかったら風雅さんのせいにすればいいや、という軽い気持ちで
 のほほんと観てみました。 風雅さんは石を投げてもいい、他の人だって投げていいと思う。逃げろー。
 そしたら、面白いでやんの。 ぽけーっと、観てやんの。 口に煎餅挟んでたら落としてたね、ぽろっと。
 なにより、インデックスが愛くるしいよ、愛くるしい。
 萌え、とは私的にはちょと違うかなあれは、やっぱり愛くるしいとか愛嬌とかそういうあたりで、ちょっかい
 出してイジってあげたくなるみたいな?
 ハムスターか、ハムスターじゃん今考えたらそれ、それがぴったりくる。
 つーかアホだし、本人真面目なつもりなんだけどアホだし、カタカナでアホと書くのが素晴らしく私的に
 似合うキャラねこの子、一生懸命なんだけどきっと能力も高いんだけどドジな結果にしかならなかったり、
 結構賢いんだけどアホだったり、アホな子供だったり、こんな子絶対現実にはいないよねーと言ってる
 側から目の前にいたりするような子だったり、うわーみたいな、でもなんかほっとけないっていうか、
 でも無理にツッコミ入れるよりも少し放置して遊ばせとくと面白いかな、みたいな、でもあの男の子(あこ
 っちは名前忘れた)とはタッグ的にあんまし相性は無いっつーか、男の子に個性が無いっていうか、
 まともにツッコミ入れないから普通にアホの子の独壇場だったりして、あ、だから逆に効果的なのか、
 てか魔術魔術言っておいて、いきなり他人ん家の台所から包丁抜き出してそれで刺してみろ魔術は
 本当にあるだからとか、なんか笑える、なにそのアホな即物さはキ○ガイさは。
 んでそれにもまともなツッコミが入らないから、インデックスっ子のそれはボケにもギャグにもならない、
 くるくるぱーな愛くるしさ、としてがっつりと画面に張り付く、のかな?
 で、ツッコミが入らないのは、魔術とか超能力とか、そういうのが当たり前な世界で、その文脈で語られ
 るから、なんですよね、たぶん。
 だから「かんなぎ」みたいなコメディはならないというか、たぶん素でインデックスのアホさは特にイジられも
 せずにそのまま進んでいっちゃうのだし、たぶんそこが一番私的に面白いところ。
 バカにして、もう、とインデックスがむくれるのを、ぷっと、笑ってしまう私。
 そして素で流す主人公の男の子。そして物語は進んでく。
 あーこれ、ラクチンに見れる感じですね、いい感じ。
 てことで、お勧めありがとでした風雅さんスペシャルサンクス!
 でも当面の問題は、アホの子以外にあまり興味が湧かないてかどうでも良かったりなところだったり。
 あ、石は投げないでねっ☆ (微笑)
 
 
 
 今日の5の2:
 なにこのロリコンアニメ。 てかいいの? こんなの放送して。
 まぁでも、それは抜きにしてもいいかな、別に。 それはそれで、好きな人はどうぞお楽しみを。
 んでまぁ、小学生が小学生してる、ただそのまんま、って感じかな。
 ってことで、まぁ、うん、私的にはデフォでは興味無し。
 もうちょい時間と余裕と遊び心があったら観るかなぁ。
 というか現在時間は無くとも余裕と遊び心は無駄に有り余ってるから、困るんだけど。
 ただまぁ、うん、「よつばと!」とか「みなみけ」とかと違ってギャグもボケも無い、ほんと淡々小学生アニメ
 なので、それを愉しむ能力開発期間が結構要るとは思います。
 現時点では、つまらないとは言わないけど、面白いと言い切るにはまだちょっと足りない、という段階
 です。
 んでは、そういうことで、まぁ、ぼちぼち、観たり観なかったりしていきます。
 
 
 
 クラナド2:
 OPが綺麗。
 それで、なんとなく、「クラナド的」な面白さを初めて認識した気がするんです。
 第一期のときは、なんていうか、「クラナド的」なものを無視して、勝手に自己流に自己解釈的に
 愉しんでたんですよね。
 だからクラナドという提出された作品の面白さの、何分の一も観てなかったんです。
 逆に言えば、それでも楽しめる、いえいえ、ほんとは全然楽しめなかったのに、それを元手にして楽しめ
 るようになったんだから充分じゃないの、という感じだったんです。
 それが、なんか、吹っ切れた。
 クラナドって、創りモノ、なんですよね。
 不自然上等というか、私なんか素で観たら一瞬で拒否反応してしまうような。
 感動も、仕草も、セリフの選択も、ひとつひとつがひとりの人間としてのものでは無く、それぞれが別個
 のものとして創られ抽出され、それを縫い付け縫い付けして、人形のようにそれを操り「劇」をしている。
 でもたぶん、それが、面白いところなんでしょう。
 それが好きか嫌いかで、私はそれが嫌いだったから他の面白さを強引に観ようとしていただけ。
 じゃー、その好きか嫌いかっての、やめよう。やめにしよう。
 大体ね、クラナドみたいなタイプって他にもあるんですよ、てかちょと違うけど、魍魎の匣の第1話の
 完全一人称でさっぱり描かれてるのと同じだし、それを「そういうもの」として観れば落ち着ける。
 まぁクラナドの場合、魍魎の匣と違いその完全一人称が壊れていくことで、その外にあるものの存在も
 ちゃんと描く、ということはしない、完全の上をいく超完全一人称なんですけどね、じゃあかえってこっち
 も覚悟決めてまるまるそれを受け入れてしまえばいいんだよね。
 ・・・と、そんなことばっかり言ってるから、またギャグコメ部分しかわからなくて終わったりしちゃうんだよ。
 もっと楽に、もっといい加減に、もっ(以下略)
 ちなみに私はこの作品のギャグコメのノリは大好きです。ノリノリです。
 
 
 
 ヒャッコ:
 うーん。
 私の立場(?)的には、面白く無い、んだけど。
 でも私が最近読んでるアニメ批評サイトさんは、面白いって言う。
 てか、「ヒャッコ批判」批判を元にして面白いって言うんだけど、確かにヒャッコの造形はありきたりだという
 理由で面白く無いというのは不当でまたアニメファンとしてどうだろう、という立場は大いにわかるのだけ
 ど。
 でも、それこそアニメ自身と向き合ってないっていうか、ヒャッコ批判は不当ゆえにヒャッコは面白い、
 あるいは面白くなければならない、かと言ったら全然違うっていうか。
 だって、第1話はともかく、第2話は破壊的に面白くなかったもの、いや、ありきたりな設定とか展開とか
 そんなの関係無いですから、面白いものはありきたりとか関係無く面白いですから。
 正直、駄目でしたい。 注文すら出来んかった。 呆然。
 というかね、さっき第1話はともかくって言ったけど、第1話はありきたりだったけど面白かったのよ。
 だから、うーん・・・私的にはこの作品は、あなたは第1話と第2話のどちらが面白かったですか?、
 と問うてきているような気がして、だからそれに私は第1話と答えてそれで現在止まっている、という
 ところです。
 なんだかよくわかりません。
 なんだか、第2話をどうやったら愉しめるだろうか、という思考が湧いてこないっていうか。
 むしろ第3話こそどうなるんだろう、てか次から他のキャラもガンガン出てきそうだし。
 ・・・あ、今思ったけど。
 第1話でエネルギー満載で、ぐるぐるに回って、さぁ第2話で飛び出そうという感じだったのに、その第2話
 で無駄にしつこく同じところをもう一周したから食傷というか、そんな感じだったのかな?
 はよ先行けヨ!、というツッコミが私の中にはあって、そして第3話は新キャラも加わるからいやでも
 外に飛び出すよね、という期待があるから楽しみ、てかこれでまたもう一周したら切り、ということで。
 あ、なんか整理ついた。 ←個人的話
 つーか、私もヒャッコと向き合えてないですね、うん。 (「も」って言うな失礼な)
 
 
 
 
 
 と、いう感じです。
 半分にしても長いなこれ。
 ということで、残りは明後日辺りにUpさせて頂きますね。
 
 
 それでは、また。
 
 
 
 
 

 

-- 081010--                    

 

         

                                ■■ 友とおなじもの ■■

     
 
 
 
 
 『だって、俺には見えてるんだから。』
 

                          〜夏目友人帳・最終話・夏目貴志の言葉より〜

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 夏は暮れ、空は降り。
 夜は晴れ、朝が閉じる。
 身の丈を越える雲が仁王立ちに立ち塞がり、山彦をすべて俺から奪っていく。
 叫んでも叫んでも、ただその声は何処にも届かずに、俺の元にも返ってきはしない。
 爪先で感じる土の重さが、そのまま肩に舞い降りる。
 けれど、深緑に血潮が満ちていくその下を歩いていると、どんどんとその気怠さは抜けていった。
 
 秋が来る。
 
 爽やかな風が熟して堕ちる、その豊かな滅び。
 一枚一枚の葉が紅く溶けていくのを、その美しさのままに見つめていた。
 さらさらと流れる川は流線を描く雲の流れのようにしなやかで、それでいて直線に落ちていた。
 祭囃子を始める楽器作りを勤しむ音が、今は静かに満ちている。
 遠吠えが木霊する。
 どこまでもどこまでも、遮られることの無い夏の叫びを見つめているうちに、既に俺の周りは秋に取り囲
 まれていた。
 どれほど熱しても、汗ひとつ流れない。
 それはすべて、秋の冷たい風が落としてしまう。
 自分の体が、それを冷却するための力を使わずに、そのまま冷えていくのを感じている。
 刺激的な夏の終わり。
 夏で得たもの、夏で失ったもの。
 それらすべての存在の代わりのものが、大きく深く、俺を満たしている。
 寂しいな。
 木枯らしが覆う灰雲の下でそう思うとき、なによりも俺を想う。
 ひとりだけ楽屋の裏に回ったような気分。
 誰か一緒に来ないだろうか、こっちで誰か一緒に楽しんではくれないだろうか。
 そう待ち侘びる、待ち侘びて、待ち侘びて、待ちくたびれる。
 けれど。
 その果てにあったのは、殷賑を極める宵闇の裏の、その静寂の中の愉しみだった。
 ひとりは、愉しい。
 充分に、楽しいじゃないか。
 てらてらと油まみれに灯るカンテラの下には、小さな黒い影達が無機質に集まっている。
 そして、その影を照らし出しているのは、紛れも無く、その向こうで幽玄に輝く祭火だった。
 七色に輝く孤独の時間が、ひとつひとつの影を解読し、小さな生命を其処に感じることが出来ていく。
 無機質な灯りと俺の狭間には、泣き濡れた涙が萎びた幕を張っている。
 けれど、その幕を通すからこそ、あの灯りの向こうから来た光が虹色に膨らみ輝くのだった。
 この輝かしき闇の時間を愉しむことは、祭火に必死に手を伸ばしていては見えないものだった。
 伸ばして伸ばして、叫んで叫んで、力尽き。
 けれど、そっくりその失われた分の力の、それと同等以上の深いなにかが俺を満たし、無上のまにまに
 たゆたう中で、俺はこの愉しき孤独な闇の賑やかさを感じることが出来たんだ。
 俺の目の前には、無機質な灯りが、その向こうには祭火がある。
 そして。
 俺の背後には、鬱蒼と籠もる、ただひとつの孤独の山中が広がっていた。
 その堆く積もる黒い山に登ることは、もう無い。
 いや。 
 
 俺はきっと、その山に登ったことなど、本当は一度も無かったのじゃないか。
 
 俺はその山の影の中にいる。
 ずっと、ずっと、そこにいる。
 俺にしか見えないものを見て。
 それそのものを愉しむことしか出来ない悲しみは、やがて。
 それそのものを愉しむことも出来る嬉しさへと、変わっていた。
 あの祭囃子の灯る輝きが、この影と繋がっているのが見えたのだから。
 
 
 
 
 影が踊っている。
 ああ、楽しいな。
 ひとつひとつ、丹念に生きている。
 わざわざ肌を峙てなくても、目の前にはみんながいた。
 みんながいて、ひとりひとりがいて。
 その中に俺はいない。
 俺はみんなと向き合うとき、俺を本当は感じていない。
 けれど、俺は俺を感じていると言うことで、より一層、みんなとの楽しい瞬間を求める俺になれる。
 優しい気持ちに、だからなれる訳じゃ無い。
 俺は初めから、優しい気持ちのままに行動したくて、うずうずしてるんだから。
 みんな、そうなんだ。
 だから、色々考える。
 考えるからこそ、色んなものがごっちゃになって、些細なことですれ違ったりしてしまう。
 だから俺は、全部隠そうとした。
 隠すことに痛みを感じながら、その痛みがあることこそが、俺がみんなを其処に感じていることになるんだ
 と思っていたから。
 でも、そうじゃなかったんじゃないかって、先生と出会ってから、そう思うようになった。
 北本達と出会って、レイコさんの記憶と出会って、妖達と話をして。
 俺はみんなの存在を感じることで、自分を感じることを目的にしていることが、わかった。
 自分を感じるのはみんなの存在を感じるため、じゃあみんなの存在を感じるのはなんのため?
 俺はそこに、俺の存在を感じるためという言葉を入れ、それでひとつ円満に納得した気になれていた。
 でも、違った。
 違うのじゃないかと、思ったんだ。
 俺がみんなの存在を感じることに、理由なんて無いんだ。
 俺がいようといまいと、俺が俺を感じようと感じまいと、それとは関係無くみんなは其処にいる。
 なのに俺は今まで、それを信じられなかったんだ。
 だから、思っていた。
 俺がみんなは其処にいると、そう強く願って信じているからこそみんなは其処に存在していると。
 俺が俺は此処にいると願い信じてしがみついているからこそ、俺は此処に存在していると。
 いや。
 だから俺は、此処に存在していられるのだと、そう思っていたのかもしれない。
 
 怖かったんだよ。
 俺が、俺としてこの世界に存在しているということが。
 自信が無かったんだよ。
 その自分を愛していると、みんなの前で当たり前のように言うことが。
 
 それでも存在している俺と、俺はどう接していいのかわからなくて、ずっとずっと、逃げていたんだ。
 
 俺が俺を憎んでも恨んでも、俺が俺を感じられなくても、誰の存在を感じられなくても、誰とも繋がり
 を感じることが出来なくても、俺は存在している。
 俺が俺であることをやめることなんて、出来ないんだ。
 そして、みんながみんなであることを消すことなんて、出来ないんだ。
 俺が俺を感じられなくても俺は存在しているし、だから俺は、俺から逃げることは出来ないんだ。
 みんなだって、みんなとの繋がりだって、そうさ。
 繋がりを感じられなくたって、俺やみんなが存在している限り、それ自体が既に繋がりを生んでいるの
 だから。
 ただ感じられないだけ。
 感じられないからすべては存在しないなんていうのは、ただの逃げにしか過ぎない。
 ああ、そうだ、先生。
 俺には、見えてるんだ。
 もし俺の妖の姿を見る力が無くなったとしても、それでも妖は存在していることに変わりは無い。
 少なくとも俺は、妖は存在しているとして行動する。
 そしてそれは、俺が妖は存在していると思うからこそ妖は存在しているのだ、ということでも無く、それと
 は関係無く純然と妖は存在しているものとして、捉えられるものなんだ。
 見えるって、そういうことなのかもしれないな。
 
 だから、長く付き合える。
 俺は、俺のおもいとは関係無く、厳然と存在している俺とも、永遠に向き合えるんだ。
 俺が俺であるという、どうしようも無い意識と共に。
 そして。
 
 みんながみんなであるという、恐ろしい現実とも、向き合わなくてはいけないんだ。
 
 
 
 
 紅葉が美しい。
 燃えながら枯れていくその様子が、なにものも連想させないままに、俺の視界の中で溶けていく。
 紅く、紅く、その木々達は生きている。
 どこまでも、どこまでも、俺の瞳の中の紅は広がっていく。
 際限なんて、無い。
 その紅が、紅葉の紅なのか、俺の血なのか、それはわからない。
 けれど、気づけば俺自身が紅く染まっているのを、俺は感じていた。
 ああ、夕焼けが綺麗だ。
 色とりどりに色づく妖達が、祭りさざめいている。
 人々の喧噪と重なるように、その夜宴は深まっていく。
 ただぼーっとそれを眺めている。
 今までは、そうだった。
 なのに今は、その渦中にいる。
 次々にすれ違っていく妖と人間。
 俺はそれをうっとりとそれでも眺めながら、静かに祭り火のひとつとなって燃え広がっている。
 ふつふつと滾るように静まっていく、孤独。
 全身が灯りの闇に溶けていくような感触が、俺の視界の中から俺をどこかへと連れて行く。
 気づけば俺の手は、誰かに繋がれていた。
 繋がれて、繋げて。
 なんだろう、この不自然な安心感は。
 とろけてしまう自分の、その輪郭だけはどこまでも感じているなんて。
 その輪郭で触れるみんなの存在を愛しく感じながら、その線の内側の自分を感じないだなんて。
 誰かに尽くしたいとか、誰かを守りたいとか、そういうことは欠片も無かった。
 なんだろう、冷静に頭の中で巡らす他人へのおもいは、まるで独楽のように回りながら、どこかへ消えて
 しまっていた。
 体が、自然にだらだらと動く。
 言葉が出ない。理屈が繋がらない。
 夜空に浮かぶ花火の色彩が、妖達の背を洗い、妖達がそのまま流され空へと昇っていくのを見るに
 つけ、同じく空に落ちるようにして零れていく俺の瞳の往く先のままに、それは溶けていった。
 
 凍り付くほどに、熱い。
 
 繋いだ手の先に、誰かのためになりたいという想いがいた。
 それは必死に人の姿を取ろうとして、懸命な笑顔を形作っていた。
 握りしめてきたその指先に、沢山のぬくもりが詰まっている。
 手を繋げ、背負い、抱き締め、一緒に屋台を巡り、花火を見上げた。
 一緒に、祭りを愉しんだ。
 ぽっ ぽっ
 仄かな焔が青白く足下から立ち上る。
 
 子狐が、田沼が、塔子さんが、俺のことを想ってくれる。
 
 俺への想いと手を取り合って歩く、みんなの姿が祭り火の中に見える。
 優しいな。
 ひとつひとつの、繊細で脆い言葉を恃みに、みんな誰かの影と必死に向き合っている。
 それなのにこうして、俺達はこの祭りを愉しめる。
 想いの向こうに、誰かがいる。
 だからいつだって、冷たい熱情を肌で感じて沸き立つことが出来る。
 背筋を這う恐ろしい孤独の魅惑が、誰かへの想いの中で自分を引き込んでしまっても、それなのに
 こうして、誰かは其処にいてくれる。
 それは、それは、恐ろしいこと。
 どんなに言葉を投げかけても、考えても、すれ違い続ける、絶対の他人。
 言葉も思考も捨ててしまえば、素直に、其処で待ってくれている誰かと付き合えるというのなら、きっと
 俺は俺こそを失ってしまうのだろう。
 その誰かから、俺というその誰かを奪ってしまうんだ。
 誰かは、みんなは、俺のために存在している訳じゃ無い。
 だから、俺もみんなのために存在している訳でも無い。
 厳然と、画然と、俺達は分かれている。
 だから、言葉と思考と手を繋ぎ、必死になる。
 俺はただ此処にいて、みんなはただ其処にいる。
 だけど、俺には俺が、みんなにはみんながあるんだ。
 それらはみんな、言葉と思考で出来ている。
 誰かのためになるための言葉と思考で、それは出来ているんだ。
 
 それも、俺なんだ。
 それも、みんななんだ。
 
 だから、無視しない。
 いや。
 
 それとも、付き合いたい。
 
 俺は、みんなのものじゃ無い。
 だから。
 みんなも、俺のものじゃ無いって、はっきりと言いたい。
 
 
 だから、みんなのためになりたいという、どうしようも無い、自分の優しい想いと、素直に繋がれる。
 俺は、その俺とも、生きられるんだ。
 
 
 
 複雑神奇に入り組む、祭火の光彩。
 あの楽屋裏の、孤独の山の影の中から涙の幕を通してみた、その七色の祭火の幻影とは比べものに
 ならないほどの、豊穣にして怯懦な灯り。
 掴まねばすべて肌の上を転がり消えていくだけの儚い、それでいて、決して消すことの出来ない、その
 祭りの中に犇めく無限の影達。
 堪らなく、遠い。
 足掻いてももがいても、届かない。
 とても近くにいるはずなのに、存在しているはずなのに、それを感じることが、触れることが出来ない。
 だから、誰もいないんだ、誰も存在していないんだと、胸を張りながら虚しく息を潜めてしまう。
 でも。
 どう見ても、みんなは其処に、遠くても、其処に、いる。
 逃げられない。
 怖い。
 なのに。
 
 
 今は、嬉しい。
 
 
 一歩、一歩、そろりと足を上げる力を抜いていく。
 恐ろしいほどにその一歩は無感動に刻まれ、耳を澄まさなくても、勝手以上に祭りの喧噪が頭の中を
 劈いていく。
 いない、いるのにいない、届かない。
 その恐怖は、闇の中の孤独の何倍も恐ろしい。
 だから、その恐怖の姿は、やけにはっきりと見えている。
 おどろおどろしいお化けのように、その恐怖は俺の前を闊歩している。
 なんだ、こいつのせいか。
 俺は大きく足を振りかぶり、全霊の力を込めて、その足を振り抜く。
 その猫だか豚だかわからない、不気味な笑顔の先生の、影に向けて。
 にゃ!? な、やるか夏目!!
 いや、ごめん、八つ当たりだ。 すまない。
 先生の顎を撫でさする。
 先生は激怒したまま、喉をごろごろと鳴らす。
 恐怖が、俺の胸の中に入ってくる。
 ああ・・・
 俺は・・・・・・・俺なんだ・・・・・・・
 恐怖と向き合わない、恐怖の影に打ち沈む俺をこそ蹴り上げる。
 しっとりと、恐ろしいなにかが、優しく等しく、俺の中に広がっていく。
 震えが止まらない、そしてそれがなによりも、俺を歩かせる。
 
 ひとつ、ひとつ。
 言葉を重ねて。
 ひとつ、ひとつ。
 考えを深めて。
 果てしなく広がるすれ違いと作られる距離の深遠の中に、人がいる。
 祭囃子の中で路頭に迷う俺がいる。
 でももう、祭りは始まっている。
 俺は既に、祭りを照らす極彩色の灯りの一筋になっている。
 なにも、誰も感じない。
 なのに、俺は此処にいる。
 誰かを感じることに中に、俺の求める誰かはいない。
 いや、言葉と想いの中に感じる誰かを使って、俺はその俺の求める誰かと共に、この孤独の祭りの中を
 生きているんだ。
 俺にしかわからないことが、見えないものがある。
 そのことで、悩み、悩み続けてきた。
 そして、その悩みという誰かへの想いを生きることしか出来なかったがゆえに、見えないものがあるという
 ことを知りながら、それを見ないままにしていた。
 ああ・・・・そうか・・・・・
 
 見れば、いいんだ。
 そして、見れない自分と、向き合えば、いい。
 
 
 
 
 
 『悪い。 本当は見えないんだ。 なんかでっかい奴が邪魔で。』
 
『でも、綺麗なのはわかるよ。あいつが、あんなに見とれてるんだから。』
 
 

『少し歩こう。』

 

『夏目にも、見える場所があるかもしれない。』

 
 
 

『ああ・・・・・行こう!』

 
 
 
 
 
 
 見えないものも、見えるかもしれない。
 そのために、言葉と思考が、想いが俺達にはある。
 俺達は、紛れも無く、同じ世界を生きている。
 たとえ見えているものが違っても、同じものを見つめようとすることは出来るんだ。
 それぞれに見え方は、違う。
 なにも見えない、という見え方すらある。
 でも、同じ対象を見つめそれについて共に考え語り合うことは、出来るよ。
 俺達には、どうしようも無いほどに深い、優しい気持ちがある。
 それの顕れ方の差異や、顕す技術の巧拙は無限にある。
 優しさを顕せずに鬱屈してしまうことや、それを恨むことすらもある。
 だから、俺達は、そのことについて話し合える。
 どれほどすれ違おうと、そのすれ違いを埋めるためにこそ言葉を結ぶんだ、それは当然なんだ。
 俺達には、絶対の優しさがある。
 優しさが無い奴なんていないし、無いという奴は自分から逃げているだけだ。
 その自分の優しさから逃げてしまうことも、そうさせるなにかについても、俺達は話し合える。
 わかり合えるかどうかはわからない。
 というか、関係無い。
 俺をわかって貰うために、みんなは其処にいるんじゃ無いのだから。
 そして同時に、俺はみんなのことを理解しなければ存在出来ない、という訳でも無いんだ。
 俺は、みんなは、ただただ、それぞれの此処と其処にいる。
 だから、俺達はわかり合おうとする。
 
 
 
 俺はもう。
 俺達がわかり合おうとすることを、俺達の存在のせいになんか、しない、
 
 
 
 夏目 夏目
 俺の名が聞こえる。
 誰かが呼んでいる。
 遠い、遠い、近くて遠い場所から、呼んでいる。
 だから、俺はこの祭りの中で光を放とうと力むことが出来るし、またそうしようと思える。
 誰かが俺の名を呼んでくれるから、俺は迷いながらも、歩いていける。
 俺が誰かの名を呼ぶからこそ、それが誰かを歩かせる力の一筋になっている。
 そしてそれが、俺の、俺達の瞳を、迷わせずにに互いの姿に導いていく。
 友達。
 自然に口に含むその言葉を味わいながら、俺はそのまま夜空に浮かぶ星明かりを見つめていく。
 たとえ夜空が闇に染まってなどいなくとも、星は存在する。
 星の光ですら、陽の光に溶け込みながら滲んで在る。
 俺はその見えない星の光を、視る。
 空が黒かろうが白かろうが、関係無い。
 色のせいになんかしない。
 見えないなら、視るまでのことだ。
 
 自分が此処にいる。
 自分が此処にいると思っている自分がいる。
 それとは関係無く、ただ自分が此処にいる。
 
 そして、俺は此処にいる。
 勿論。
 俺の、意志で。
 
 
 それが、見えるってことなんだよな、先生。
 
 
 
 
 
 泣き濡れるほどに紅い闇が犇めいている。
 微風が参道を駆け抜け、砂利道の触れ合いが歌をうたう。
 並ぶ提灯は掠れるままに燃え上がり、境内の闇は慇懃に優しく朝を待ち構えている。。
 どこまでも愛しい気持ちに染まり、その片手間に理屈をこね、さらには無造作に触れ合っていく。
 そのまま隣に座る友に不安を預け、痛みですらも共に味わおうとする。
 いやだな、誰かに心配をかけるのは。
 その言葉を誰にも聞かせられない恐怖とは、ひとつひとつ、向き合いたい。
 そしてその先には、誰かの友の姿がある。
 話さなくちゃ、自分のことを。
 いや。
 話せないと決めつけているだけの自分と、向き合わなくちゃ。
 ひしひしと、みんなの優しさが滲んでくる。
 これほど人の優しさを感じられるのに、それなのに俺は一体なにをやっているんだろうか。
 その理由と共に、少しずつ、歩いていく。
 溶けて、解けて、結んで、開いて、繋がって。
 俺の中に、涙が零れていく。
 青く広がり、深まり、暖かいままに俺は濡れていく。
 ほんとうに、暖かい。
 笑顔を、止められない。
 泣きながら、笑っている。
 少し、レイコさんのことがわかった気がした。
 嬉しいんだ。
 
 こんなにも、自分が優しいことが。
 
 そして、少しずつでも、優しさを上手く表せることが出来るようになっていくことが。
 
 友人と触れ合い、語り合い、名を呼び合い。
 どんどん、どんどん、自分になっていく。
 そうなんだよな・・・
 自分になるって・・・自分を失うことと同じなんだよな・・・
 自分を得るために、誰かに自分を与える。
 ほら、花火を見上げる田沼の瞳に映る俺は、あんなにも愉しげに笑っているよ。
 そして、その誰かの瞳の中の俺とは、それとはなんの関係も無く、俺はただ此処にもいるんだ。
 そしてそのただの俺は、誰かの瞳の中の俺にこそ、綺麗な俺を見つけることが出来る。
 無論。
 その俺を、暖かい愉しさを感じているのは、ただ此処にいる俺なんだ。
 誰かに喜んで貰いたい。 なにか善いことをしてあげたい。
 よし、助けてあげよう。
 そう、誰かにも、みんなにも思わせてあげられるよう俺に、俺はなりたい。
 ありがとう。
 そう笑顔で言えるように、もっともっと、そう俺はなりたいよ、先生。
 
 
 
 ありがとう。
 
 今夜もまたひとつ、隣で共に花火を見上げる友人に言えた。
 
 ありがとう。
 
 今夜もまたひとつ、俺に会いに来た小さな友人に言われたよ。
 
 俺に会いに来てくれて、ありがとうな、子狐。 ・・・・そういえば、おまえ、名前なんて言うんだ?
 
 おまえの見えない、けれど知らないだけのものを教えることが出来て良かったよ、田沼。
 いや、それはちょっと調子良すぎたかな、はは。
 
 
 やっぱり、それしか無いよな。
 俺とみんなは、おんなじだ。
 みんなが幸せに、優しい気持ちのままに生きられますように。
 そう祈りを捧げるそばから、俺は自分の足下の影へと還っていく。
 いちから、やり直しだ。
 もう一度初めから、みんなと、向き合おう。
 
 
 
 そして俺は。
 俺はもう随分と、みんなとの触れ合いで暖かく染まっている、この世界を生きていることを感じた。
 もっと、もっと、求めたい。
 もっと、もっと、伝えたい。
 
 知りたい。
 見たい。
 
 
 
 
 『冬の足音が聞こえる、秋の夜。』
 
 
 『でも此処は・・』
 
 
 
 『暖かい。』
 
 
 
 
 
 
 ああ。
 
 愉しいな、先生。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 〜 夏目友人帳  了 〜
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
                              ◆ 『』内文章、アニメ『夏目友人帳』より引用 ◆
 
 

 

-- 081005--                    

 

         

                            ■■ビッグな時間の過ごし方■■

     
 
 
 
 
 すみません。 (挨拶)
 
 
 ということです。
 時間がありません。
 すみませんけれど、紅い瞳のくせに忙しいのです。
 忙しさを口実にして、忙しさの実際以上に色々なモノをサボらせて頂こうという所存で御座います。
 生まれてきてごめんなさい。
 そんなことばっかり言っててごめんなさい。
 だって、時間が無いんだもの。 ←いちばんの口実の使いどころ
 
 はい、では早速。
 まだ書いていなかった残りの前期アニメ感想まとめ編を、ほんとにまとめてずらっと書かせて頂きます。
 かなりいい加減ですけれど、まぁ、大丈夫ですよ。なにが大丈夫なのかはご想像にお任せします。
 あ、あと、まだ「狂乱家族日記」の最終回はまだ見ていないので、それは次回の雑日記にて書きます
 のでしばしお待ちください。
 それと、あんまし雑日記では触れてあげなかった可哀想な「夏目友人帳」についてですけれど、
 現在鋭意最終話の感想を制作中です。
 近いうちにそれはUp出来る予定です。
 んで、可哀想なので、一通り落ち着いたら、「夏目友人帳」のまとめ感想を更新一回分を使って
 やるかもしれません。
 やらないかもしれません。
 わからなくなってきました。
 でも「夏目友人帳」はすごい作品です、決して軽んじている訳ではありません。
 あ、そうちょっと言及したらなんか説明責任果たした気になってきちゃった。
 もうすこし、がんばりましょう。
 
 
 では、いきます。 (いつものことですが、フォロー無し)
 
 
 
 
 
 ◆
 
 
 
 乃木坂春香の秘密:
 ううーん、やっぱり最初だけでした、竜頭蛇尾。
 ヒロイン春香がオタクである必然性が無いというか、オタクであることがメインなのに、オタクでもオタクの
 ままに「普通」に生きられるということを描くはずなのに、いつのまにか春香からオタクを取ってしまって、
 そのまま普通にシンデレラストーリーをやってしまったら、ねぇ?
 まぁシンデレラなのは、ヒロインのユウト(漢字どんなでしたっけ?)だったりもしますけど。
 いずれにせよ、これではただの、良くあるお話で、おまけにスパイスとしてのオタ文化的な小道具も、
 ほとんど活かされていないという、うーん、残念というか悔しいけど、これを愉しめる人がいるのかどうか
 が不安になってくるほどでした。いや、いるんでしょうけどもね、絶対に。
 や、だからこそ悔しいというか、私も愉しめる側に回れなかった口惜しさというかですね、うん。
 ただし。
 それは、ヒロイン春香をメインに据えた場合の見方であって、オタクな春香に対して対等に向き合ってい
 たのが、やがてお嬢様を見上げる立場になり、そこから一体なにを見たのかという、そのユウトのことを
 考えた場合、結構考えられるものはあったのだと思います。
 オタクというある意味逆に「表層的」な面に対してのみ対等に、或いは心のどこかで対等以上の位置か
 らまだ向き合うことが出来ていた自分自身があることを、お嬢様という逆に「本質的」な春香とは向き合
 えていない、差別対象のオタクよりもはるかに「ヘタレ」な自分によって初めて思い知らされる。
 「その程度」、な自分。
 その辺りのことを突き詰めて他のことにも絡めて考えて観ていければ・・・・そこまで行けなかった私の
 力不足が目立つばかりで御座います。ごめんなさい。(土下座 ぉぃ)
 というかまぁ、うん。
 春香って、すごいよね。
 それがやっぱり、一番この作品を観て、私が得たおもいでした。
 勿論それはユウト視点からであって、春香視点からしたら、ユウトの最終的な心の広さとド根性が、
 それらを邪魔するユウトの中の色々なものをぶち破ってきたことを、すごいと思ってるだろね。
 私もそこから、始めていきたいなぁ。 (なにを・・)
 
 
 セキレイ:
 文句無しで面白かったです。
 最高とか万歳とか普通に言わずに、黙ったままさくさくとページをめくっていくような。
 OPがざーっと流れ始めると、一気に私もセキレイモードになってきて、そのまんまEDまで息継ぎ無しの
 ノンストップ。
 ふぃー、いいお湯じゃったわい。
 そんな感じ。
 なんだかね、とっても自分が老け込んでるんじゃないかって、おもいっきし思うんですね。
 なんか、ぞくぞくする。
 別にこの作品は青臭く熱い作品って訳じゃ無いんだけど、当たり前のように、青臭いこと熱いことを前提
 にしていて、ついてこれない人は置いてきますよ、っていう感じがある。
 そう、当たり前さ、なんですよね、別に若い感覚が試されてるとかじゃ無いし、むしろ若い感覚を素の
 まま展開してる訳でも無く、それよりむしろこの作品はおじさんおばさんな感覚で描いてる作品な気が
 するんですよね。
 でもそれはさらに、おじさんおばさんのくたびれた感覚でも無く、おじさんおばさんがはりきって若々しく
 アンチエイジングとか昔返りとかしてる訳でも無い。
 なんだろうね、そのまんま生きてるっていうか、今を生きてるっていうか、若い感覚とかは無いのに、それ
 なのに稚気溢れるというか、うーん、そのまんまなんですね。
 言ってみれば、おじさんおばさんの恋? なんか違うな。
 「若い」の猿真似では無い、歳を行ってからする「素の感情」の発露、かな。
 昔の自分と今の自分て、結構余計なものを取り払った素の一番大元にあるものは、変わってない。
 で、その変わってない大元の自分には、それを取り囲むようにして、様々な「大人な」しがらみっぽいも
 のが沢山まとわりついてて、で、そのしがらみちっくな茂みを掻き分け掻き分けしながら、ふいーっと
 息を吐きながらゆっくり進んでいる。
 しがらみを掻き分ける素の自分の姿を生きてみる、それが、セキレイという作品がやっていること。
 掻き分ける対象としてのしがらみは描かずに、ただ掻き分けて見えてくる素の自分の姿をぽつぽつと
 掴み出し、その積み重ねがあの映像となっているような気がします。
 若いのに若くない、若くないのにとても若々しい。
 
 自分返り、のためのツールなのかな、これは。
 あ、それは本当の自分とかそういうんじゃ無いですよ。
 素の感情のままに、目一杯振る舞ってみること。
 それは、大人なしがらみを纏っていると、本当に出来ないことなのかな?
 素の感情もしがらみも捨てること無く、そのまんま全部、生きてみる。
 しがらみを掻き分け掻き分けしている、そのしがらみの中に素の自分こそが面白い。
 ていうか、大人になったからこそ、しがらみの茂みという舞台が創れて、そしてその舞台を素の感情で
 生きてみたらどうなるんだろうっていう、そういう実験的な作品なのだとも言えますね。
 すっごく、すっごく、面白かったです。 こういうアニメはどんどん作ったらいい。うん。
 ていうか、おじさんおばさん言うな。 いやほんと、言うな。 ← 鏡の中を見つめながら
 
 
 ゼロの使い魔 三美姫の輪舞曲:
 どう・・・でしょう・・・・ねぇ? (訊くな)
 ものすっごい、「幼稚」、な気がするんですけど、うーん、それで切り捨てるにはなにかこう、ひとつ引っか
 かりがあるというか、 うーん、じゃあこうしましょう。
 面白かった? 面白くなかった?
 うん。
 面白かった。
 ですよねぇ・・・ ←困ったような顔をして
 評価云々をしてしまえば、それはもう、全然語れない。
 むしろ、語るに値しないと敢えて言おう。言ってしまえ。
 けども、語るとか評価するとか、そういうことで愉しみたい、とは思わなかったし思えなかった。
 なんていうか、見ていて、ぽっと、なにかに乗ったような。
 きゅいーんと、お子様ちっくなゴーカートみたいな小さな乗り物なんだけど、でもなんか乗ったら結構
 ぐいぐいいけたみたいな、あぶなかっしいんだけどそれが面白いみたいな、おこちゃまなんだけど、だから
 良いみたいな、だってさ、一生懸命にさ、真面目とかそんなじゃない、そのまんまにやってるのがとっても
 清々しいというか、がーっと始まって、走って、がーっとゴールラインを越えて終了。
 むしろこのままもう一周行っちゃいたいような、いつのまにかの小作りな興奮感覚。
 ありますよね? そういうの。あるある、あるって言え。
 まぁうん、そうやってきゃーきゃー遊んでる様をビデオに録られていて後で見せられたら、崖があったら飛び
 降りたくなる、そういう感じのギリギリな面白さがありました。なにがギリギリか。
 つまり、面白かったのは楽しかったのは事実だけど、でもあんまり他人には言わないでよねっ。
 そんな感じ。
 あーあと、竜な子が可愛かった。きゅいきゅい。
 新たな時代、到来。
 頑張ります。 (いいのかなぁ・・)
 
 
 コードギアスR2:
 私は、自己犠牲というものや、その言葉も嫌いだ。
 正しいとも思わないし、それをなぞろうとも思わない。
 どんなに美しく描こうと、どれだけ素晴らしく描こうとも、それは同じだ。
 私は、コードギアスというものは、下手だったと思う。
 あれだけの素材を、それこそ消化するためだけに使い切ったのだから。
 その確信犯的な「下手さ」を、私は全く評価しない。
 
 敢えて言おう、駄作であると。
 
 だが。
 それが、どうした。
 
 最終回で、初めて心の底からこの作品を観て、泣いた。
 ルルーシュが、死ぬ。
 そして死んだ。
 それがすべてだった。
 一切がすべて、そこに収束した。
 思想も、理想も、関係無い。
 ルルーシュがなにを思って死んだのかも、関係無い。
 なにを感じていたのか、すらもどうでもいい。
 ルルーシュが為して成したものなど、さらにどうでもいい。
 私はルルーシュに一切共感しない。 評価もしない。 できもしない。
 ルルーシュが死んだから、コードギアスが終わったのでは無い。
 コードギアスが終わったから、ルルーシュは死んだのだ。
 敢えて言おう、この作品を強引に終わらせる事情のために、ルルーシュは死んだのだと。
 それでもいい。
 それでも、ルルーシュの死は、そんなものを、あっさりと超える。
 私は、ルルーシュの作り守ったものを認めないどころか、それを平然と踏みにじる。
 私はただ、ルルーシュという一個の人間の命を想う。
 ただひとりのルルーシュが、死んだ。
 その死にのみ私は染まり、そして額ずくのだ。
 生きていたルルーシュが、ルルーシュが、死ぬ。
 
 やっと、R2に入ってからの不自然なC.C.のことが、わかった気がした。
 
 すべてを超えて、C.C.はただ、ルルーシュのそれを見ていたんだね。
 超スピードの疾走感に溢れ、滅茶苦茶とも言えるその物語の破格な進みぶりに一喜一憂する中で、
 その疾走が溢れれば溢れるほどに、その終焉に顕れるものは、必ずこのルルーシュだったんだ。
 敢えて言おう、コードギアスは駄作であると。
 ゆえに言おう。
 オールハイル、ルルーシュ。
 エンターテインメントとしてはこの作品は最低だが、それらをすら全部使ってただひとりのルルーシュの死を
 描いたものとして、この作品は至高なのだ。
 蔑みと尊崇を携えて、私もC.C.と同じく、それを超えて祈りを彼に捧げよう。
 C.C.の瞳に映るルルーシュ。
 それが、このコードギアスという作品だったのだと、私は思う。
 私がギアスの疾走感に抗うたり酔うたりしていたのは、ひとえにその事実から逃げていたがゆえのことでは
 ないかと、今、ルルーシュへの祈りの中で考えている。
 『ルルーシュ・・お前は人々にかけたギアスの代償として・・・』 by C.C.
 私はこの作品を如何なる形であれ愉しんだ代償として、ルルーシュの死に涙せずにはいられない私を
 引き受けようと、いや、その自分を生きようと、最後にそう、思った。
 ルルーシュは生きた。
 世界を生き、世界を壊し、世界を作るために。
 そしてその世界の中で、死んだ。
 それがどんなものであろうと、それが、ルルーシュ。
 ただひとりの、ルルーシュ。
 『ギアスという名の王の力は、人を孤独にする。 ・・ふふ、少しだけ、違っていたか。
  ・・・・なぁ? ルルーシュ。』  by C.C.
 願いは人を孤独に立たせる。
 そしてその孤独はやがて。
 その人の目の前に誰かがいることを、初めて、教えてくれるんだろうな。
 ルルーシュが其処にいる。
 そして。
 私が此処にいる。
 さようなら、C.C.。
 誰かと誰かの存在を願いを超えて求めた、金の瞳の少女よ。
 ありがとう、コードギアス。 と、それを作ったすべての方々。
 
 オレンジ卿をオレンジ畑で働かせてくれるなんて、誰がそこまで願っていたでしょうか。
 
 あー、すっきりした。
 
 
 
 
 
 ◆
 
 
 次。
 紅い瞳が事務的にやらせて頂いております。
 はい。
 次。
 
 前期のお話は事務的に終わらせた体裁を取らせて頂きましたので、その実次回以降も前期のことに
 ついてはだらだらとお話させて頂くとして、今の急務としては、待ちぼうけさせてしまっている今期アニメに
 ついて私が言及してあげることです。
 ごめんごめん、待たせちゃったね。
 というか、忙しいといいつつ普通にもう新しく始まったアニメを観ている辺りが怖いのですけれど、
 観たらすぐ語る、はいちゃっちゃと語る!、という紅い瞳的原則をまだ守ってはおりませんので、その、うん
 、紅い瞳、語ります。
 ちょっとだけよ。
 次回ちゃんと語りますからね、逃げんなよ。 (お前がな)
 
 
 
 とらドラ:  ヒロインがルイズ6神楽4の割合の絶妙なバランスで立っているのがすごかったです。
 釘宮すごい、すごい釘宮。ほんとに手乗りタイガーでした。もう滅っ茶苦茶に暴れてください。
 
 ヒャッコ:  なんだか知らないけど、ひゅーっとした。ひゅーって。意味わかりません。(私が)
 全部平凡、だけど真ん中にでっかい穴が空いてるから、どこまでも飛んでくみたい。本当に意味がわかr
 
 夜桜四重奏:  難しいです。 まだまだまだ、これからです。
 
 クラナド2:   あんまりにもクラナドだったので、かえってやる気が出てきました。 頑張ります。
 
 黒執事:  セバスチャンがほさかにしか見えなくて困りました。異様に困りました。 すごい、ほさか。
 ぼっちゃんとセバスチャンは面白そうでした。他は雑だけど。ほんと雑。 あとぼっちゃんのすごい舌打ち。
 
 
 
 以上。 他のはまだ観てないです。 しばしお待ちを。
 
 
 
 
 ◆
 
 追記。
 で、今期発の感想日記についてなのですけれど。
 結論から言いますと、結論はまだ出ていません。
 ・・・。
 時間無い無い言ってる奴が滑るボケをかましている暇は無いような気がするのですけれど、性分なの
 です。たぶん。
 で。
 結論出てないというか迷っているというか、基本的に今期はですね、お休みにしたいな思ってるんです。
 忙しいというのもあるのですけれど、少し仕切直しというか、溜めを作りたいというのが大きいのです。
 なにげに今、アニメ的に私、調子いいのです。
 というか、新境地開拓気味?
 それを少し生のまま休ませてみようかなと。
 今までは調子に乗って乗れるだけ乗って息切れしてぐだぐだになったので、今回は久しぶりに感想日記
 無しの三ヶ月間を、敢えて調子の良いときに休みで過ごしてみようかと。
 今期のアニメは粒ぞろいなのですけれど、実は割と私的に感想書けそうなのは無いかもしれなかったり
 もするのですよね。 いえまだ全部観てないから決まりでは無いですし、だから迷ってるんですけれど。
 うん、つまりあったとしても、書ける書けないの延長線上って感じで、私の気持ち次第というか、なら、
 その私の気持ちとして、前向きに休んでみようかな、と思うのですよねまだ決まってないんですけどね。
 ・・・この優柔不断め。
 でもま、1月からはマリみて第四期と夏目友人帳二期という、感想対象としてのビッグーネームがふたつ
 も並んでいて、それに備えるためにも感想的英気(?)を養う必要はあると思いますしねまだふたつとも
 書くとは決まってないんですけどねこの優柔不断め。
 

 
 狼と香辛料」 テレビアニメ第二期制作決定!!
 

 
 ・・・・。
 ど  う  接  し  て  い  い  か  わ  か  ら  な  い  よ  。
 
 
 (訳: 気絶するほど嬉しいのですけれど、気絶したいんですけど、もしこれ1月開始だったら私は死ぬ
  しかなくなると思う、ていうか死んじゃう死んじゃう3つも感想なんて書ける訳無い!)
 
 
 
 
 まぁ、取り敢えず、その涙と涎を拭きなさい。 ←ビッグニュースに嬉し泣きしながら
 
 
 
 
 
 
 
 ◆
 
 
 
 恋姫無双、最終話感想、参ります。
 
 ・・・・・・。
 
 
 こ ん な に す っ き り し た 失 脚 劇 っ た ら な い よ 。
 
 改めまして、劉備おつ。 わはは。
 なんかもう、滅茶苦茶嬉しくて胸ときめかしてる私こそが可愛くてならないんですけど。(笑)
 まさかあんな形で終わるとは、よく考えたら一番あり得る可能性だったのに、全く想定外でした。
 まさかまさか、劉備が失脚て。普通に小者ぶりを発揮+悪行がバレてトンズラするなんて。
 おまけに劉備の名は騙りである可能性まで、ご丁寧に残してくださるなんて。
 ああもう。
 なんか、とんでもなく、すっきりしてしまいました。
 涙が出てくるくらいにほっとしてます。
 なにこの純情な私は。あはは、わはは。
 前回まで、劉備が偉大な奴かそうじゃないか、関羽さんの立ち位置がどうなるかを論じて頭悩まして、
 その挙げ句にヘンタイ仮面にすべてを委ねて開き直っていたこの私、はい、さようなら。 ぷぷ。
 にっこりニコニコ顔で、無双の姫達の桃園の宴に拍手喝采送っている今の私、はい、おはよう。
 目覚めた。というか目が覚めた思いですよ、すっごい爽快ですよ、なんだこれ、なんだこれーっ!
 ・・・。
 地味に嬉しい。
 普通に楽しい。
 
 涙出てきた。
 
 これぞ恋姫無双。
 これが恋姫無双。
 なんかもう、はっきり言っちゃうよ私。
 他の可能性があるのも認めて、その上で、この可能性しか、この恋姫無双しか無いと喧伝して憚り
 ませんよ。
 すごいなぁ、やっぱりこのアニメは、酔えますよ。
 本当にもう、愉しませてくれました。
 見せ所も一気呵成に放出し、張飛が、孔明が、趙雲が、馬超が、黄忠が結集し、そしてそれぞれの
 見せ場をきっちりと自分のキャラを出して魅せ切り、もう、大盛り上がり。
 ああ、なんか、時代劇を楽しむお年寄りの感覚が、私なりにわかった気がしてきましたよ。
 こうでなくてはならない、では無く、しぜんにこうという形になっていく、その愉しみ。
 なんだろう、恋姫無双って、とても安心出来るんですよね。
 恋姫無双の「テーマ」的言語的なものを論じることは充分可能ですし、この作品的な、関羽的な思想
 を通してなにかを考えていくことも可能ですし、私的には三日三晩それについて語ることも出来ます。
 というかもう、今日はほんとはそのことについて書こうとしたんですよ?
 この作品のヘタレ劉備って、普通に歴史小説的な立場から見直したら、別にキャラ的におかしい訳で
 も無くむしろ当然で、ただ致命的に戦が弱いからヘタレヤラレキャラにおとされただけですよね。
 ていうか三国志の劉備は恋姫のヘタレが可愛く見えるくらいに、極悪に切り捨てとか大義万歳なこと
 しまくってますし、ていうかそもそも三国志の劉備も戦は弱かったのですし、それでいて、というか、
 それは当然の「正しいこと」として、劉備は主人公的に扱われています。
 ですから、恋姫的関羽的な思想を語るときには、この「正しいこと」としての劉備と突き合わせて考える
 必要があったり。
 そうしてからこそ、本当に意味のある恋姫無双的関羽的な言葉が出てくるのですよね。
 それを論じることを中心に、私は最終話を猛烈な勢いで考えて観ていました。
 でもね。
 
 それを論じることは、恋姫無双という作品がどういうものであるかを説明することにはなれど。
 この私が、この恋姫無双という唯一無二の愉しみを与えてくれる作品の、その愉しさを語ることには
 ならない。
 
 だってさぁ、そういう言葉的思想的なものをアニメから読み出す作業って、今までの作品で散々して
 きたことですし、勿論読み出したものに個別の違いはあれども、けれどその読み出し作業そのものは
 同じなんですもん。
 同じようにして、恋姫無双という作品からなにが私なり読み出せるか、ということは先に言ったように既に
 三日三晩語れるくらいに考えましたし、それはもう私の考えに甚大な影響を与えるもので、もしかしたら
 これすごいんじゃね?、逃した魚は大きいんじゃね?、みたいなくらいに美化されてはいます。 (笑)
 でも、それはいつもやってることと、同じこと。
 私がこの作品にハマったのは、他の作品とは違うハマり方をしているからです。
 未体験。
 新三国志としての恋姫無双の価値を私なりに論じることは充分可能、ていうか割とやってきた、だけど、
 私はそれよりも既に早く、一歩先に、その私が論じたものに同一化してたんです。
 守るべきもの、つまり愉しめるべきものこそに、一途になる。
 だって、愉しいもの、恋姫無双。
 三国志的な言葉も、アクションも、啖呵も、萌えも、お約束も、全部全部盛りだくさんでぶつかりあって、
 もうそれが、堪らなく面白いのです。
 あんなにキャラが、キャラとして生き生きとしていて、だったらそれを愉しまずにいて、なにが愉しいものが
 あるというのであろうか、いや無いよ。
 関羽の振り回す青龍刀の風切り音、うりゃあと振り上げる張飛の蛇矛の重量感、趙雲の風のように
 突き抜けていく体捌き。
 そして、愛紗と鈴々の交歓、星の真面目な巫山戯っぷりや、いかに。
 馬超はお馬鹿のまんまにカッコ良く武将的に駆け抜けて、黄忠さんは若いおかーさんの情熱のままに
 大きく弓で弧を描く。
 その間孔明は地味に策を巡らし指揮を執りっぱなし。たぶん超的確に。
 ああ、なんだかこういう形だけを書いてるだけで、酔ってきた、萌えてさらに燃えてきたアルヨ!
 
 『まったく、お前というやつは。』 by ぐりぐりと鈴々の頭を撫でる愛紗
 『相変わらずだなぁ、星。』  by 星のしれっとした大嘘にコケる愛紗
 
 その鈴々は愛紗は星は、張飛という関羽という趙雲という名の武将であり、またそれは同時に、
 「あの」張飛という関羽という趙雲という三国志の武将でもある。
 
 『ここから先は、この張翼徳が通さないのだ! 命が惜しくない奴はかかってくるのだ!!』
 『妹が世話になったな。礼は十倍、いや、百倍にして返させて貰うぞ!!!』
 『あるときは美と正義の使者、華蝶仮面。しかしてその実体は、常山の趙子竜ここにあり! とう!!』
 
 なんかひとりだけすごく変なのがいますけど(笑)、そういう萌えと燃えの一体化した、そういう贅沢でびり
 びりとしてしまう感覚が、どうでもいいことをすべて吸収していく、この華々しさ。
 もうなんか、愉しいとしか言えない自分が愉しくて堪りません。 語彙が無いことすら愉しめちゃいます。
 それで時々、かしこまって難しい言葉を使ってたりして、お、やるじゃん、みたいな、曹操の小理屈も、
 それを真上から大上段から踏み潰す何進の快楽的屁理屈も、その狭間でふつーに劉備へのおもい
 に揺れる乙女すぎる関羽の純情(ていうか欲情? 笑)も、見栄っ張りで健気な張飛も、結構ひどい
 ことをあっさり言う孔明も、出歯亀馬超もツンデレ曹操も、そのまんま、愉しいじゃん。
 そして、ところどころに三国志のエピソードを思わせる見せ場も織り込んで(張飛の長坂橋とか)、
 さらにはもうひとつの三国無双ネタも盛り込んで(馬超の馬上からの槍の振り方とか 笑)、ほんとにもう、
 この作品はアニメという媒体を目一杯使って遊んでいるんです。
 言葉も感覚もお約束も、そのレベルの高いものも低いものも全部使って、ぞっくりと愉しんでいく。
 それは、評価や吟味の無い、いえ、評価と吟味を口に含んでそのまま飲み下した、血肉の籠もった
 娯楽があるんですね。 エンターテインメント、というとなんか型張り的で違う気がします。
 私は別に、あの無双の姫達の宴に参加したいとは思いません。
 あの宴は、というか恋姫無双という作品は、色んなものを無視しての愉しみなのですからね。
 私自身は、たとえば劉備的な思想とか、黄忠とか趙雲はばっさりやってた賊達の論理とか、そういうも
 のと突き合わせて常に生きていきますし。
 でも。
 
 それで、色々なものを無視しての愉しみを愉しめないか、と言ったら嘘になりますし、愉しまないという
 意志を選ぶことも私はしません。
 
 そして私は、関羽にも張飛にもなりません。
 色々なものを無視して取捨選択をする愉しみを、それを愉しむということと、それを生きるということは、
 全く別のこと。
 むしろ私は逆に、その無視してある愉しみを愉しむことが出来るからこそ、その愉しみを生きるということ
 が、なにかを無視してあるものだということを、さらに強く認識することが出来るのだと思います。
 だから私は、恋姫無双的に生きるのでは無く、恋姫無双を愉しむことを選ぶのです。
 それが、色々なものを無視しない、その色々なものの中には勿論恋姫無双的生き方も含まれる、
 そういう私を生きるための選択だったりします。
 そしてその私の生の中で、恋姫無双を、それとして、それこそ純粋に愉しむんですね。
 だからきっと、その私の生の中に、少しずつ、恋姫無双的な生き方、つまりなにかを無視して愉しむ生き
 方が加わり、その分だけ、肩の力を抜いて生きていくことも出来るような気がするのですね。
 無視するとかしないとか、そんなこたぁ、全然本質じゃあないのよ、みたいな。
 なんか、私の話になってしまいました。すみません。あれ? なんでだっけ? (頭を捻りながら)
 
 
 と、いうことで、語り尽きてしまいました。
 うわ、言葉的じゃない感覚的なことを語る体力ほんと無いな、私。
 ま、うん、そうね。
 この作品は、もう、大きいよ、私のアニメ体験史(?)に、ひとつ大きな変化を与えてくれた作品ね。
 というか、その地固めまでしっかりしてくれたというか、もう私の中に「恋姫無双」という愉しみ方の基礎
 を作ってくれたというか、ほら、萌えとか燃えとか私あんまし造詣深く無いっていうかカマトトでしたから(ぇ)
 、そういうものを外から観て論じるだけでは無い、実際直にそういうものの中に飛び込んで、その中で
 も自分のいつも通りの愉しみ方では無い、全く違った愉しみ方を与えてくれたことに、もうほんと、
 涙が出るくらいの感謝の念に耐えません。
 でも御礼なんて、言わないよ?
 だってもう、私は「恋姫無双」の一員なのだから。
 御礼を言ってる暇があるのなら、そのまんま、どんどんどんどん、愉しんでいきたいと思っています。
 
 恋姫無双、万歳。
 もう、思い残すことはありません。
 桃の花の下の、関羽と張飛の姿が、まさに最高の終わりでした。
 最高!
 
 
 
 
 
 『恋姫†無双』オリジナルビデオアニメーション制作大決定!!!
 
 
 
 
 が ち ゃ ー ん   ←ちゃぶ台をひっくり返して
 
 
 
 
 
 
 
 おしまい。  (お約束でしたね ええ本当に  ←お茶をずずっと飲みながら )
 
 
 
 
 
 
 
 
 ていうか、この人ほんとに忙しいの? (疑問です)
 
 
 
 
 

 

-- 081002--                    

 

         

                               ■■ 幸せを呼ぶ畏友 ■■

     
 
 
 
 
 『レイコ・・・麗しのレイコ!! おお、その蔑むような目! 薄ら笑いが似合う口!
  どうしたのだ、その髪は。 また人間に嫌がらせされたのかい?
   ・・・あな口惜しや人間ども! お前に触れる者はみな、このヒノエが祟り殺してくれようか・・・っ!!
 
   ・・・・・・ん?・・胸が無い? んん、なんと!? ・・ 男 ぉ っ ? ! 』
 

                          〜夏目友人帳・第十二話・ヒノエの言葉より〜

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 月が綺麗だねぇ。
 そう私が言ったら、レイコはこう言った。
 「そう?」
 私の顔を見ながら、口の端を少しいたずらっぽく釣り上げて言ったのさ。
 痺れたよ。
 もう私の瞳の中からは月なんか消し飛んじまって、レイコの瞳に映る私の顔をどぎまぎしながら見つめて
 いたさ。
 ぷいっとね、まるで怒ったように、まじまじとレイコの瞳を見つめる私から、レイコは顔を背けた。
 私は、勝手にそのままレイコの視線を追うように月に顔を向ける私の幻の姿を思い浮かべながら、
 そうしてレイコの横顔を見つめていた。
 美しかった。
 震えるほどに、月光に青白く照らされたレイコの姿は、美しかった。
 一歩、音を立てずにレイコから距離を取る。
 衣擦れの音をひとつでも立てたら、レイコの姿は瞬時に消えるのだと、そう言い聞かせながら。
 一歩、一歩。
 確実に、息を潜め、想いを込め。
 レイコの向こうに木立が見える。
 林の中の、夜の内の、月の光の下のレイコがみえる。
 おお、おお・・・おお・・!
 レイコの香りは、凄まじく華やかに、この薄い灯の広がる湖の畔に広がっていた。
 レイコの姿は、燦然として、私に繋がっている。
 ぞくり。
 いつのまにか、レイコがこちらをみていた。
 いつ? いつさ? 私はずっとレイコを見ながら離れていたのに、こちらを向いた瞬間なんて無かったはず
 なのに。
 そうして慌ただしく動揺する私の姿を、レイコは冷徹にみつめている。
 レイコが地面に手を付く、腰を上げる、背を伸ばし、そして、向き直る。
 
 一歩。
 なんの音もしない。
 それなのに、私の瞳に映る世界のすべてが揺れていた。
 
 もう、とろけてしまったさ。
 ああもう、なにもかも解けてしまうような気持ちだったよ。
 とろとろに溶けて、ぼろくずのようにもう一度縫い合わせてしまいたい、そんな願望。
 すたすたすた。
 またしてもいつのまにか、足音が聞こえる距離までレイコが近づいていた。
 レイコ、おお、レイコ。
 険がありながら笑みで縁取り、歪んでいながらも細く笑う、レイコの美しい美しい顔。
 髪、肌、首筋、耳朶、胸、腕、足、その全部に手が届く。
 おお、レイコ、私のレイk・・
 
 すぱーん
 
 思いっきり、殴られた。
 気づいたら、思いっきりの笑顔を湛えたレイコが、その麗しい右の掌を振り抜いていたのさ。
 「私にはそういう趣味は無いって何度も言ってるんですけど。 ていうか今なんで離れたのよ?」
 ううーん、抱きつこうとした瞬間を見切っての、この一瞬の早技。 そして捨て台詞!
 私はただ、お前の美しい姿に、この月の下の世界を支配させたかっただけさ。
 レイコ、あんたは私の瞳の中の世界の神なのさ。
 ほら、こんなにも月に照らされて透き通り、私の指先を流れていくお前の淡い髪が暖かい。
 なんてことさね、こんなにも美しい人間がいただなんて、私はお前に出会うまで知りもせなんだとは。
 お前と出会うまでのすべての私の時間は、まさに魂の浪費のようなものだよ。
 美しいお前に対する罪、この世界に於ける大罪さね。
 ほら。
 だからその綺麗な涙を、私におくれな。
 お前は絶対に泣いたりしないと言いながら、平気で泣くのだものな。
 レイコの瞳は、いつだって渇いていたよ。
 もう、喉から手が出るほどに、レイコのそのふたつの目は、潤いを求めていたよ。
 レイコの瞳の中に映る私は、いつも常に泣きじゃくっていた。
 きっとレイコも、目の前の私が泣いている姿を渇望していたのだろうさ。
 レイコは、ただ、潤いの無い瞳のままに、泣いていた。
 人を小馬鹿にしたような薄ら笑いを満たしたその顔で、泣いていた。
 涙の無い泣き顔は、こんなにも美しいものなのだねぇ。
 お前は、泣くことを我慢したことなど、一度も無かったのだねぇ。
 ただ涙が出ないから、涙の代わりに笑顔をこぼしていただけだったのさね。
 
 「なんの話?」
 少しの間を置いて、少しも純情な素振りを見せずに、笑い顔のままにレイコは背を向けた。
 すたすたすた。
 また湖の畔へと、レイコは戻っていく。
 レイコ、レイコ、お待ちよ・・・
 そう言いながら、私はレイコを引き戻すどころか、私の方がレイコと居た場所に戻っていったのさ。
 
 
 
 
 
 ◆
 
 レイコ?
 ああ、良く知ってるさ。
 レイコは寂しがり屋さ。
 そして私もそれ以上の寂しがり屋さ。
 誰もがみんな、自分の寂しさを紛らわすために誰かの存在を利用する、ということを戒めている中、
 レイコと私はお互いの存在を貪りあったのだからね。
 レイコ、寂しくないかい?
 ヒノエこそ、どうなのよ?
 そうやってふたり、笑い合っていたのよ。
 私は煙草をふかしながら、レイコはあの薄い髪をいじりながら、ね。
 よく考えりゃあ、私もレイコも、気が強いくらいしか似てるところは無かったふたりなのに、不思議な話さ。
 寂しくないかい?
 そっちこそどうなのよ?
 煙草をふかし、髪をいじるその時々に、そう問い掛け合った。
 時々、レイコは私の煙管に興味を示し、女だてらにこういうの吸ってんだ、かっこいいわね、などという
 的はずれで素っ頓狂なことを言った。
 あんた物を知らないんだねぇと、ひときわ端然と大きく紫煙をくゆらせて魅せ、レイコはすごいわねぇと
 本気だか暇潰しがてらの相槌だかわからないような感嘆の言葉なんぞこぼしていたよ。
 そういえば、私にも貸して、とは一回も言ったことなかったねぇ、レイコは。
 でもね、私は別にそれを寂しいと思ったことは無いのさ。
 むしろ、饒舌に煙で私を語って魅せた。
 私はレイコを求めなかったし、レイコは私を求めなかった。
 ただ私は私のままでいて、レイコはレイコのままでいて、お互いに他人を見せ合ったのさ。
 レイコの髪はさ、風に靡いてふぁさっと揺れるときよりも、しっとりとレイコの身にまとわっているときの方が、
 美しく、そして強靱な存在感があった。
 なにしろそれは、レイコなのだからね。
 綺麗な髪をした、レイコが其処にいた。
 もはやそれは、綺麗とか美しいとか、そういう話でも無かった気がしていたよ。
 
 レイコの神々しいばかりの姿を見つめることが出来るだけで、生きられる気がした。
 レイコがこの世界にいるというだけで、生きているということが、嬉しかったのさ。
 
 私が笑うと、レイコはほっそりと、私の胸にその小さな顔を埋めてくれたよ。
 ヒノエって、あったかいわね。
 そうかい? 人間からしたら、妖怪の体ってのは冷たいものだと思ってたけど。
 その代わりに、私が撫でるたびに、そのレイコの髪は硬く冷たく変色していった。
 小さなレイコ、それなのに強くて折れないレイコ。
 愛おしさを通り越して、憎しみさえ不覚にも覚えてしまったよ。
 うん? レイコみたいになれない私を恨んだのかだって?
 馬鹿をお言いでないよ。
 その逆さね。
 レイコと私は、とてもよく似ている。 いや、同じだった。
 なのに、こうして抱き締めてみると、まるで別物を抱いているような感触になるのさ。
 自分が自分で無くなる感覚。
 今確かに、私の胸の中で、目の前の私の着物の柄を舐め回すように見ているレイコの瞳の中には、
 私の姿が無いのが感じられたんだ。
 私は誇り高い女さ、これでもね。
 そして私の胸の中では、ちっとも心を開かないくせに甘えた仕草をするレイコがいる。
 そのレイコが、私には私の姿に見えてしまうのさ。
 私はこんな女では無い、私は違うと、ただ呻いていて誰かの胸に顔を埋めている女がいる。
 
 レイコには、そんな自分の姿の自覚があったのだろうか。
 私には、レイコがそんな自覚を持っているようには思えなかった。
 それなのに、レイコの中のなにかはそれを自覚していて、レイコはそのなにかにすべてを任せて、自分自身
 は全く自由に、誇り高く、甘えることも出来たように見えてしまう。
 つうと一息吸って、つとレイコから一歩の距離を取る。
 レイコの顔は、一切の粘着を見せずに、今私の胸と共に在った場所に居続けていた。
 私だけが離れ、レイコはまるで初めからずっと其処にいたかのように、まるで私の胸など無かったかのよう
 にして、そこに立っていた。
 なんの反応も無い。
 なに? 私の顔になにかついてる?
 いいや、ただお前の顔の美しさに見惚れていただけさ。
 懸命に、私はレイコの顔に見惚れている。
 どぎまぎと、小娘のように、不思議な羞恥の心が湧いてくる。
 私だけの独り相撲、レイコには全部見透かされていたのか。
 それとも始めから、相手になどされてはいなかったのか。
 そして、レイコの視線に晒されると、その羞恥と絶望は掻き消え、ただ私は居住まいを正してしまう。
 はん、なにを狼狽えているんだい私は。
 ぷかり
 舌足らずに震える白煙をひとつ。
 おもわず、飲んでしまった。 情けない。
 ぽかんと、レイコは私の巻いた煙に見惚れている。
 綺麗ねぇ、本当に綺麗ね。
 はは、怖くてなにが綺麗なのかなんて、とてもじゃないが訊けやしない。
 もし、狼狽えている私が綺麗だなんて言われたら、私はもう、死んでしまうかもしれない。
 そのレイコの残酷な言葉と手と手を取り合って、消えてしまうかもしれない。
 けれど、煙草の火を消すこともふかすことも、私にはどうしてもやめられなかった。
 なんだか、レイコを怖れているだけの自分に引き籠もってしまうような気がしてね。
 私はね、そのまんま、野晒しのまま冷たい川風に洗われるようにして、震えながら煙草をくわえ続ける
 ことにこそ、女の矜持を蓄えていたのさね。
 レイコは、ぞくりとするほどに恐ろしい女だ。
 いつだって、私の胸に誘惑の魔の手を伸ばしている。
 私がレイコを求めれば、レイコは綺麗に笑ってその求めに応じ、私がレイコから逃げようとすれば、
 レイコは婉然と笑って私と居た場所に居続ける。
 お前は本当に綺麗だねぇ。私はお前を見ているだけで幸せだよ。
 それは良かったわね。私は別にどうでもいいのだけど。
 がりがりと、胸を掻きむしろうとする私の指先のおもいのままに、私はその自分の指先に嫉妬する。
 嫉妬するからこそ、私はその指先に負けずに、その指先とは別の形で素晴らしく強い女になろうとする。
 レイコ、レイコ、私のレイk
 すぱーん
 
 私には、レイコの笑顔がすべて泣き顔にしか見えない。
 本当は、心から笑っているときもレイコにはあるはずなのに、私はなにもかもを包み込んで、優しくレイコ
 を抱き締めてやってしまいたくなる。
 可哀想なレイコ、可哀想に、可哀想に。
 でもそれは、絶対に私が選ばない抱擁の仕方。
 仮に私がそうしてレイコを抱き締めれば、レイコは凄まじく壊れた至高の笑顔を撒き散らして、私の胸
 を喰い散らかすようにして飛びついてくるだろう。
 それは、レイコの死、私の死と同義なのさ。
 でもね、私はレイコを抱き締めることは、やめないのさ。
 レイコ、レイコ、私のレイコ。
 レイコが私に興味が無いのが本当か嘘かは関係無く、私がレイコを自分の寂しさを紛らわすために求め
 ているかいないかも関係無い。
 
 私はレイコが怖い。
 レイコに見捨てられることが怖いなら、レイコに求められることはさらに怖い。
 
 それが、どうしたってんだい。
 震えながら、けれど、なによりも強く指先を引っぱたきながら、私は煙管をくわえるのさね。
 レイコを哀れむことで私の確かさを得るための淫らな抱擁に堕ちる危険があれば、私はひときわ大きく
 背をしゃんと伸ばして、大きく大きくレイコを抱き締める。
 レイコ、レイコ、私のレイコ。
 レイコの振り上げる腕、振り抜かれる掌、そしてじんじんと痛む頬が暖かい。
 レイコを、私を生かすも殺すも、私次第だろう?
 寂しさを紛らわすためだけの抱擁しか私には無かったとしても、私はレイコという存在を愛している、
 他ならない私という存在を生かすために、それ以上の抱擁を私に求めるのが筋ってもんだろう?
 いやさ。
 それが女の矜持、私の誇りなのさね。
 私がレイコの髪や瞳や腕を美しいと思い、レイコの素晴らしさに酔いしれ、レイコを愛していることは、
 それを否定することでなにかを得るために存在しているものでは、決して無い。
 私はさ、レイコに思いっきり囚われているのさ。
 でもね、レイコに囚われずして、レイコに囚われない生き方が出来るなんてこと、ほんとにあるのかい?
 
 
 自らの寂しさを紛らわすために人間を求めることを経ずして、どうしてそれ以上の関係を人間と結べる
 ようになると言うんだい?
 
 
 レイコは寂しがり屋さ。
 レイコはそれを、まるで嘘であるかのように、正直に告白している。
 レイコはそういう女さね。
 ああ、あんなに自分で私は寂しがり屋やなの、よろしくね♪、なんて明るく言ってたら、誰だってレイコが
 寂しがり屋だなんて思いやしない。
 仮に寂しがり屋だと思ったとしても、それは結局レイコの本当に示したかった寂しさとは、違うものでしか
 無い。
 それらは全部、レイコが寂しがり屋かそうでないか、という選択の話にしかなりゃしないからさ。
 レイコが嘘を吐いているか吐いてないか、それを見極めるだけの、そんなちっぽけなことしか考えてなく、
 そしてそれしか見てないから、そう言えるのさ。
 レイコの顔を見たら、そんなことは考えていられないはずなのに。
 レイコはいつも、笑っている。
 そしてレイコのその笑顔は、ひとつとして同じものは無いのさ。
 レイコはすべて、その笑顔で語っている。
 レイコは嘘なんかわざわざ吐きゃしないのさ。
 だから私にとって必要なことだったのはただ、レイコが一体どういうタイプの寂しがり屋で、レイコにある寂し
 さとはどういうものなのかを見極めていく、というレイコの笑顔の解読作業だった。
 そしてなにより、レイコにとっての寂しさはどういうものなのかを見つめていたのさ。
 レイコが笑わないということなど、一度として無かったんだよ。
 レイコ、寂しいのかい?
 ええ、寂しいわ。
 満面の笑顔を湛えて、レイコはいつもそう言うのさ。
 レイコ、私といて寂しさは紛れたかい?
 ええ、紛れたわ。
 凄まじい笑顔を犇めかせて、レイコはいつもそう言うのさ。
 寂しいけれど寂しくない、紛れたけれど紛れることなんてあり得ない。
 寂しいけれど寂しさ以外のなにかがある、紛れたけれど紛れただけではなにも解決しない。
 幾千幾万とも知れない、レイコの真情を、私は決してレイコの言葉に求めなかった。
 
 でもね。
 そうすると、レイコは饒舌に私の胸の中で語り始めるんだよ。
 私の胸に顔を埋めて、ね。
 
 怖かったよ、顔の見えないレイコというのはさ。
 レイコの凛とした声が、まるで私の胸に染みこんで、そのまま喉を駆け上がり、私の口から流れていく
 ように聞こえてね。
 レイコの言葉を捨てレイコの笑顔に頼った瞬間に、私はあっさりと路頭に迷わされた。
 全く高尚流麗なものとして、レイコは自分の言葉を謳歌していたさ。
 やられた。
 煙管をへし折ってやりたくなるよ、まったく。
 
 
 寂しさを紛らわすためにレイコと向き合えば、私はレイコに殺される。
 けれど。
 寂しさを紛らわすためにレイコと向き合うことを避ければ、私は死んでしまう。
 レイコは私の胸の中で、今、確実に、言葉を諳んじながら、寂しがっているんだよ。
 
 冷たくも厳しい、私が、其処にいる。
 
 私は私、レイコはレイコ。
 そして。
 私もレイコも、それぞれ絶対的にひとりだという意味で、同じ存在。
 私はレイコを求めない。
 レイコは私を求めない。
 私は私。レイコはレイコ。
 私は完全に私としてのまとまりと、私としての強烈な世界を持っている。
 レイコもまた、同じさ。
 だけど。
 だからと言って、この世界に、私だけが、レイコだけがいる訳じゃ無いだろう?
 私の目の前にはレイコがいる。
 レイコの目の前には私がいる。
 互いに依存し合おうがそれにのめり込もうが、私達がそれでも絶対的にそれぞれひとりであることは、
 レイコの目の前に私が、私の目の前にレイコがいることが、なによりも証しているだろうに。 
 レイコ、レイコ、私のレイコ。
 絶対に絶対に私とひとつにはなれないレイコ。
 それなのに、レイコは私の目の前にいる。
 私はレイコと同じひとつ月の下にいる。
 それで抱き締めない方が、どうかしているさ。
 私が自分の寂しさを紛らわすことをしない、つまり自分を真に愛しているのなら、それこそレイコといる
 ことで寂しさなんか消し飛んだ気になれる、そういう自分も愛せないというのなら、その愛は嘘になる。
 だいたい、寂しさは絶対に消えないってのにさ、人間を寂しさを紛らわすために使っちゃいけない、
 人間に頼っちゃいけないだなんて、端からお笑い草なのさね。
 私らはそれぞれ絶対のひとりなんだから、どんなに依存し合おうと、自らの孤独を感じることはより深まる
 だろうに。
 
 ああ、そうだね。
 その孤独から逃げるためにレイコと一緒にいるというのなら、馬鹿さね。
 自らの孤独と向き合い生きようとするからこそ、レイコと共に生きるんだからね。
 でも。
 その馬鹿になんなきゃ、ほんとは自分の孤独の本当の深さなんぞ、気づけやしないのさ。
 求めて、求めて、死に物狂いで求めて、手に入らず、それでも諦めずに、諦めずに済むにはどうしたら
 良いのかを考え詰める、その中で、孤独と生きていく自分が見えてくるんだ。
 目の前の人間の存在に溺れてしまうかもしれないという代償無くして、人間と付き合えることなどある
 ものか。
 触れたり、避けたり、殴られたり、抱き締めたり。
 レイコとは、その静かな眼差しで、互いに丁々発止を繰り返してきた。
 もっとも、レイコは私なんかよりも遙かに強い奴だったから、私にゃとても太刀打ち出来無かったけどね。
 
 
 レイコが呼んでいる。
 ヒノエ、ヒノエ、こっち来て。
 なんだいそんなにでかい声で。聞こえてるよ。
 のんびりと、一歩先を行く自分の影の尻を踏みながら、歩いていた。
 レイコはただ真っ直ぐに、なにも見ないままに、顔を背けていた。
 なにかあるのかい?
 ええ、色んなものが。
 そうだね。
 ぷかりと一服浮かべながら、私はレイコを見渡した。
 いいねぇ、本当にいいよ、お前は。
 そう? そうかもね。
 路傍の石に腰掛けて、ゆっくりとレイコを眺めていた。
 レイコはまるで私など存在しないかのように、ずっとずっと、夕暮れの中に立っていた。
 ああ、面白い。
 面白く無いわよ。なに言ってんのよヒノエは。
 小馬鹿にしたような、蔑みを込めた小さな微笑が、夕日を背にして沈んでいた。
 じゃ、行こうか。
 そうね。行きましょうか。
 てくてくと私の前を歩く淡い髪が止まっている。
 手を伸ばす。
 千切れるように私の指の間から零れていく、そのレイコの命の輝きが、ただ、美しかった。
 レイコ、少し痛んでるようだね。
 そう? 手入れは丁寧過ぎるほどにしてるのだけどね。
 お前は、お前の髪が好きかい?
 いいえ、全然。 私は私だもの、特別髪だけが好きって訳じゃ無いし。
 私は、お前の髪も好きなんだけどね。
 そう? ただ眺めるのが好きなだけじゃなくて?
 眺めるのも好きさ。でも、触るのも好きなんだよ。
 ふーん。
 レイコは、いたずらっぽく笑って、こう言ったよ。
 
 
 今日は、抱きついてこないのね、ヒノエ。
 
 もしあなたが、私のことが好きだからって言ったら、抱きついてこなくても張り倒してやったのに。
 
 
 そして。
 レイコは、反射的に抱きつこうとする私の顔をむずと掴んで押し留め、そしてレイコへの愛を叫ぼうとする
 私の口先にバットを突きつけて、殺すわよ♪、と額に青筋を浮かべて微笑んでくれたのさ。
 ああ、とても、とても、嬉しかったよ。
 
 
 レイコが私のレイコへの依存を止めてくれたから?
 野暮をお言いでないよ。
 レイコに止められたくらいで消える孤独の不安なんて、あるものかい。
 それ以前に、レイコに止められたからやめる私って、なんなのさ。
 私とレイコは、巫山戯てるのさ。
 お互い依存に浸り、互いに寂しさを紛らわせ合い、それでも平然として、当たり前のように生きている
 自分達の生活を謳歌しているのさね。
 私らは、互いの依存心を笑うことも、寂しさを埋め合わせることを茶化して遊ぶことも出来るだけ。 
 レイコ、レイコ、私のレイコ。
 お前が目の前にいるだけで、私はひとりで生きていけるよ。
 私は自分の孤独と向き合うことが出来るからこそ、お前と生きることも出来ると思えるよ。
 レイコと私は、似ていない。
 けれど、似ていない者同士が、それでも向き合い共に生きていくことを求めることが出来る、という点に
 於いて、私とレイコは似た者同士だった。
 それじゃあ、ヒノエ姐さんに私の髪の面倒をみてもらいましょーか。
 なにが姐さんだい、お前が小者妖怪どもになんて呼ばれてるのかを、私が知らないとでも思ったのかい?
 あら? なんのことかしら♪
 さて、なんのことだろうね。
 そして黒く染まった夜道をふたりして、立ち塞がる者すべてを叩きのめすほどの気炎を上げながら帰って
 いった。
 
 レイコの髪を梳く。
 レイコは誰にも媚びない。
 レイコは誰の真似もしない。
 それなのに、平気でしなを作り、あっさりと誰かの真似をする。
 笑顔で純真に、さらりと馬鹿をやる。
 自分のことを誰のせいにもしない。
 自分のせいにもしない。
 大きいことも小さいことも言わない。
 ただ寂しそうな笑顔のままに、くつくつと笑っている。
 レイコの頬を撫でる。
 レイコはぴくりとも私の指先には反応せずに、くすぐったいわ、とだけ言う。
 私は思いきり自らの手を引いてしまいたくなる気持ちを、懸命に抑えながらレイコの頬を撫で続ける。
 そしてレイコは、私が撫でようが手を引っ込めようがに関わらず、私の膝の上の笑顔のままに笑っている。
 私とヒノエは同じよ。
 ふん、そういうことは簡単に言うもんじゃないよ。
 いいじゃない、減るもんじゃなし♪
 そう言いながらも、レイコは私の頬にも髪にも胸にも尻にも、その細く美しい指を伸ばしはしない。
 ただ私に触られるだけ。
 不安になる。
 それは、レイコが与えてくれた不安。
 でもそれは、私の不安。
 私が元々持っていた、私だけの、私だけが向き合う不安。
 
 レイコは私のことをどう思っているのだろうか。
 私は本当に、レイコと同じなんだろうか。
 ふふ、私の方こそ、軽々にそういう事を考えてしまうのにさ。
 馬鹿みたいだねぇ。 馬鹿になれないで足掻いているだけだなんて。
 馬鹿だねぇ。 足掻いているだけの自分と向き合わないだなんて。
 だから、私は何度でもいつでも、レイコに嫉妬する。
 私と同じはずなのに違うレイコに。
 そして、レイコと違うはずなのに同じ自分に、恨みを抱く。
 それなのに。
 どうしてだろうねぇ。
 
 
 そういうのが、全然どうでもいいと、こうして朝霧の中でひとり思えるのは。
 
 
 
 
 
 
 『大事なものを守りたいとか、迷惑をかけたくないとか、そんな気持ちばっかりだ。』
 
 『自分を大切に出来ない奴は、大嫌いだよ。』
 
 
 
 
 
 肌が黒く燃えている。
 私の中に犇めく情念が、等しく体内に満ちる孤独から逃れようと足掻いているのを感じている。
 足掻け、足掻け。
 足掻けば足掻くほどに、それは目の前のなにものかのためでは無く、それがすべて愚かな自分のため
 であることが知れるのだから。
 誰かのために頑張るだとか、誰彼に相応しい存在になるなど、そんなものはすぐに底が知れる。
 ただ純粋に自分を大切にすることこそが、目の前の誰かと共に歩む自分を愛することに通じるのさね。
 それが、孤独に囚われないってことなんだろうよ。
 レイコ、レイコ、私のレイコ。
 私はレイコのためになど、なにもしやしない。
 けれど。
 私はレイコを愛する私のために、こうしてレイコの髪を愛でている。
 そして、その私のために私がそうするのは、他ならない、目の前に私を置く、レイコのためさ。
 私はレイコの瞳の中の私を大切にし、レイコは私の瞳の中のレイコを大切にする。
 なぜなら。
 
 
 私とレイコは。
 
 
 同じだから。
 
 
 
 同じく自らの孤独を生きるがゆえに、他者の姿の大切さがわかるからさ。
 そして。
 その目の前の誰かと出会うためにこそ、孤独と向き合う自分の必要性を感じられるのさ。
 
 だから、孤独には意味があるんだ。
 レイコを眺めると、私はいつも、だから私の孤独を愉しむことも出来るようになるって寸法さね。
 
 
 
 
 レイコは、私に相応しい人間かい?
 
 私は、レイコに相応しい妖かい?
 
 
 
 
 
 
『相応しく無い。』
 
 
 
『しかし面白い。 気に入った。』
 
 
 
 
 

『名を呼ばれるのも、嫌いじゃ無い。』

 
 
 
 
 
 
 
 
 妖なんて、人間なんて、そんなものさ。
 ただそれだけの、
 
 
 
 幸せな、存在さ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 そして私は、レイコの死を知った。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 ありがとうよ、夏目。
 
 私にレイコの孫を会わせてくれて。
 
 
 
 これでまたひとつ、生き甲斐って奴が出来ちまったよ。
 
 
 
 
 
 『私も、夏目にだったら呼ばれてやっても良い。』
 
 『夏目、人間に嫌気が差したら、いつでも私のところにおいで♪』
 
 
 
 
 ふふ、レイコの孫が、夏目がどうするのか、それを見るだけでも、私はもう、愉しいさね。
 
 
 
 
 
 
 ぶかりと浮いた紫煙の輪を、初めて、綺麗だと感じたよ、レイコ。
 ありがとう。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
                              ◆ 『』内文章、アニメ『夏目友人帳』より引用 ◆
 
 
 
 
 

 

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