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◆◆◆ -- 2009年4月のお話 -- ◆◆◆

 

-- 090430--                    

 

         

                               ■■ 第1回紅い瞳賞 ■■

     
 
 
 
 
 
 
 
 なによ、これ。
 もうちょっとなんとかならなかったのかしら。
 べつに、私だってネーミングセンスに自信がある訳じゃ無いわよ?
 でもね、だからって自分の名前そのまんまって、どういうことよ。
 なんのひねりもやる気も無いじゃない。
 これじゃ、なんのためにやるのかわかったもんじゃないわ。
 やってらんないわよ。
 こういうのはね、名前が肝心なのよ、名前が。
 わかる? 名は体を表すっていうのは伊達じゃ無いのよ。
 でも、まぁ、いいわ。
 よく考えたら、らしいって言ったら、らしいものね。
 
 うん、そうね、いいかもしれないわ。 意見変更。
 
 自分の名前を選んでつけたってことは、要するに、それは個人的な価値観で選ぶぞっていう、
 意志表示でもある訳よね。
 おまけに、サイト名でも無い訳だから、この賞がこのサイト全体が共有すべき価値観で、その対象を
 選び出すということにもならない訳でもあって、極めて個人的、やりたい放題好き放題、まさにそういうこと
 になるのよね。
 いいじゃない、それ。 気に入ったわ!
 なによ? 私が一番だと思った、それ以外になにがいるっていうのよ? 
 ふん、他の奴らの評価なんて興味無いわ。
 勿論、私の価値観で選んだ作品を、他の奴らも受け入れろだなんて言わないわ。
 
 そんなこと、どうでもいいのよ。
 
 私が良いと思ったものを、良いと言うだけ。
 それを賞として形にして残す。
 それをどう受け取ろうと、あんた達の勝手だし、私もあんた達がどう受け取ろうと興味無いわ。
 好きにしなさい。
 言っとくけど、こうして形に残すことに意味があるだけで、他の奴らが残した賞自体に興味が無いって
 言ってる訳じゃないし、正確に言えば、他の奴らの評価の仕方自体には興味があるわ。
 私はただ、他の奴らの評価基準に、私が良いと作品を評した、その私自身の評価基準を従わせる
 気は無いってだけよ。
 ただの評価方法に興味は無いわ。
 あんた達の中に、刺激的で、意外性があって、独創的な評価方法を持っている者がいたら、私に
 それを魅せなさい。
 なんなら、趣味的で、個人的な評価方法というだけでも構わないわ。
 私が言いたいのは、そういうこと。
 同じものなんて、同じであろうとするだけのものなんて、お呼びじゃないのよ。
 私はね、あんた達が、あんた達自身で選んだものを見たいのよ。
 人間、同じ奴なんてほんとは誰もいないんだから。
 同じものは持っていてもね、その同じもので同じように語るかどうかは、話が別なのよ。
 ま、だから私は、同じもので同じように語ることも出来るけどね、割と得意よ、そういうのは。
 べ、べつに無理してなんかいないわよ。
 諦め? 所詮人間はそういうものなんだから仕方無い?
 はっ! なに言ってんのよあんた。 私がそんなくっだらない事言うとでも思ってんの?
 違うわよ、同じもので同じように語ること、それ自体に罪は無いし、それ自体をそれとして楽しむことは
 出来るってことよ。
 逆にね、そういうことも楽しめなくちゃ、嘘でしょって話よ。
 
 って、わかりなさいよ。
 同じもので同じように語ることも楽しめるからこそ。
 だからそれと同じで、自分だけのものもぱーっと楽しめなくちゃ嘘なんじゃないのってことよ!
 
 
 あー、なんか説明するの面倒になってきたわね。
 理屈なんてどうだっていいし。
 まぁ、要するに、だから私もあんた達に、私にしかないものを魅せてあげるって感じね。
 と言っても、そんな肩肘張ったものじゃ無いんだけど。
 ってなによ、その肩透かしを喰らったような目は。
 いいのよ、最初はそういう感じで。
 こういうのはね、長続きさせることに意味があるのよ。
 そうよ、次以降もやるつもりだから、そのつもりでいなさいよね。
 
 
 
 前置きが長くなっちゃったから、サクサクいくわよ。
 今回こんな事を始めた理由は、まぁ今言ったようなことだから、これでおしまい。
 あ、そうね、なにをやるのか具体的にまだ全然言ってなかったわね。
 アニメよ、アニメ。
 今年度、ってもう年度変わっちゃったから昨年度か、そう、08年度ね、その08年度の作品の中で、
 私がこれはと思った作品を表彰したいって思ったのよ。
 ええ、選考対象は私が08年度視聴した作品の中で、最初からだろうと途中からだろうと、とにかく最後
 まで観た作品ね。
 だから、最初から観てても、途中で観るのをやめた作品は対象にしないわ。
 観るのをやめたってことは、つまらなかったという結論出してた訳だし。
 ということで、まずは対象作品のリストアップから始めてみましょうか。
 
 
 
 
 〜春〜  
 ヴァンパイア騎士  夜桜四重奏
 ソウルイーター  黒執事
 我が家のお稲荷さま。  天体戦士サンレッド
 xxxHOLiC◆継  地獄少女三鼎
   かんなぎ
 あまつき  屍姫赫
 コードギアス 反逆のルルーシュ R2  ケメコデラックス
 狂乱家族日記  機動戦士ガンダムOO 2nd
   ヒャッコ
 〜夏〜  CLANNAD 〜AFTER STORY〜
 夏目友人帳  とある魔術の禁書目録
 恋姫無双  
 ひだまり スケッチ×365  〜冬〜
 乃木坂春香の秘密  続夏目友人帳
 セキレイ  まりあ†ほりっく
 ゼロの使い魔 三美姫の輪舞  マリア様がみてる4thシーズン
   源氏物語千年紀Genji
 〜秋〜  黒神  TheAnimation
 ヴァンパイア騎士 ギルティ  屍姫玄
 魍魎の匣  みなみけ おかえり
 とらドラ!  
   
             :全35候補作品
   
   
 
 
 
 ま、こんなところかしら。
 って、全部で35作品? 思ってたより随分少ないわね。
 まぁいいわ。
 それで、肝心の選考基準だけど。
 そうね、突き詰めると、次の3つね。
 
 
 ・感動を上回る、「感激」
 ・涙が出てくるほどの、「笑い」
 ・とにかくなんだかわからないけれど、すごい、「なにか」
 
 
 こんな感じかしらね。
 3つ目の基準は卑怯な気もするけど、逆に幅があって良いと思わない?
 個人的に好き勝手選べるっていう感じで、いいのよこれで。
 じゃ、早速選ぶわね。
 紅い瞳賞として5つ、そして紅い瞳大賞として1つ、ってことでいいわよね。
 じゃ、いくわよ。
 
 
 
 
 
 〜 第1回紅い瞳賞受賞作 〜
 

 
マリア様がみてる 4thシーズン
 
  我が家のお稲荷さま。
 
  みなみけ おかえり
 
  まりあ†ほりっく
 
  恋姫無双

 
 ++ ++
 
 
 
 あー、ひとつ言うの忘れてたわ。
 選考基準にもうひとつ追加。
 私こそがその作品を評価してあげたいと思えるかどうか。
 そ、この基準を入れることで、ぐっと私色の賞になってくるでしょ?
 な、なによその目は。
 ちょっと、なに言うのよ。
 べ、べつに好きとか、あ、あ、愛してるとか、そんな話じゃ無いんだからね!
 いい加減にしなさいよ、そういうのは、まったく。
 次いくわよ、次。
 そうよ、紅い瞳大賞よ、大賞!
 
 
 
 
 

++ 第1回紅い瞳大賞受賞作 ++

 
 

夏目友人帳/続夏目友人帳

 
 

++ ++

 
 
 
 
 そう、この5つと1つの作品が、08年度で私が最も素晴らしいと思った作品なのよ。
 自信を持って、この受賞作達を評価してあげられるわ。
 だからまぁ、それだけで充分なんだけど、一応個別に少しだけコメントしておくわ。
 な、なによ、別に他意は無いわよ。
 それじゃ、ひとつずついくわよ。
 
 ・マリア様がみてる4thシーズンは、その煌めきさがずば抜けているわ。
  それに、ぐっと盛り上がっていく愛しさとか、まぁそういう感じで、選考基準でいえば、「感激」の最たる
  作品だったわね。 威力が違うのよ、断然。
  誰にでも一度は観て欲しい作品ね。
 
 ・我が家のお稲荷さま。は、なんだかんだで天狐のクーちゃんのキュートさに尽きるわね。
  自由奔放で、それでいて情に篤くて思慮深くて、そしてなにより人生を流れる水のように愉しむその
  様が、やっぱり強く胸に響いたわ。
  選考基準でいえば、「なにか」のある作品かしら。
  平和で、激しいのに、穏やかで、まったりとしたその起伏のある平穏さが、他の作品には無い最高の
  魅力ね。
  選考にあたりもう一度観直してみて、改めてそう思ったわ。
 
 ・みなみけおかえりは、その緻密な笑いの作り方がなによりな魅力ね。
  これだけ笑い続けられる作品を、私は知らないのよね、ほんとに。
  この作品を選ぶのは、まぁ、私としては当然だったわ。
 
 ・まりあ†ほりっくは、主人公のかな子ちゃんの活躍に胸がすくおもいがするのよね。
  あれだけ自分のやりたいように思い通りにやられちゃったら、拍手しない訳にはいかないわよ。
  まったく、この作品を作った人達には本当に呆れるわ。
  私も見習いたいものね、ほんとうに。
  評価基準でいうと、みなみけと合わせて、勿論「笑い」の最たる作品よ。
  まさにギャグアニメの頂のひとつね。
 
 ・恋姫無双は、なんて言ったらいいのか、正直よくわからないわ。
  だけど、この作品は是非表彰して評価しておきたいと思ったのよ。
  こういう作品が出てきたことで、アニメっていう文化はひとつの可能性を獲得したと思うのよね。
  そこをまず、評価したいのよ、私こそがこの作品を評価することに意味があるとも思うしね。
  あ、単純に女の子達がキラキラしててカッコ良いとか、三国志の「武将」というものを擬人化して
  焼き直したとか、それらとコメディとの融合のレベルの高さの評価があってこそ、だけどね。
 
 ま、こんな感じかしら。
 大賞? 
 大賞の夏目友人帳/続夏目友人帳については、むしろ特に無いわね。
 完璧よ。
 というか、この作品と出会ったからこそ、この賞をやろうって気になったのよね、実は。
 言っとくけど、この作品が愛しすぎてなにも言えなくなったとか、そんなんじゃ無いんだからね。
 私がなにを言っても言わなくても、この作品の評価は確かなのよ。
 おかしな邪推はしないでよね。
 そんなことばっかり言ってるから・・・私は・・・
 な、なんでもないわよ。
 じゃ、そういうことで。
 
 
 ◆紅い瞳賞◆
 
 マリア様がみてる 4thシーズン:
 我が家のお稲荷さま。:
 みなみけ おかえり:
 まりあ†ほりっく:
 恋姫無双:
 
 ◆紅い瞳大賞◆
 
 夏目友人帳/続夏目友人帳:
 
 
 これで決まりね。
 次点の作品を挙げて、それについても語ってみたかったんだけど、この際やめるわ。
 私が選んだもの、それだけをみて欲しいのよ。
 ちゃんと目に焼き付けときなさいよね。
 まぁ・・・
 私がこれらの作品を選べたのは、選に漏れた他の作品のことを忘れないって、自信を持てるように
 なったからなんだけど。
 私が観てきた作品達の存在が、私の中で確かになったから、私は安心してこうやって賞なんてやって
 みる気になれたのよ・・・・・
 って、なんでもないわよ、なにも言ってないわよ。
 
 じゃ、今回の表彰式は、この辺りでおしまいね。
 いい? 私も自分で選んだんだから、あんた達も自分でちゃんと選ぶのよ。
 アニメだけじゃなくてもいいわ、なんだっていいのよ、なんだって自分の目で観て、自分の価値観で
 判断して、そして自分のそれに自信を持って、自分の気持ちのままに評価してみてよね。
 それは、他の人と共有する価値観や基準に照らしてなにかを評価することとは、別のことだから。
 両方やればいいのよ、両方。
 だから私は、待ってるから。
 あんた達の、あんた達だけにしか見えない、色んなものの評価の仕方を魅せてくれることを。
 私が言いたいのは、それだけよ。
 
 
 !?
 べ、べつにあんた達のために言ってんじゃないわよっ
 
 わ、私はただあんた達の笑顔が見たいだけ・・・・・・・って、なに言わせんのよ!!
 
 
 もう、いいわ。
 でも、いい?
 今年度も一年間、じっくりたっぷり、楽しんで生きるのよ。
 ちゃんと自分の価値観や評価方法を育てて、色んなものの愉しみをみつけていってよね。
 約束なんだからねっ!
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 (フォロー無し)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 

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                                ■■ 夏目という希望 ■■

     
 
 
 
 
 どうも、紅い瞳です。
 
 本日は、続夏目友人帳についてのお話をさせて頂きますので、どうぞよろしくお願い致します。
 
 
 さて。
 続夏目友人帳ですか。
 そうですね、なんていうんでしょうか、私にとってこの作品は、勿論前シリーズの夏目友人帳もそう
 ですけれど、新しい境地というか、私の中にある既存のものを、さらに別の形で進化させていくよう
 な、そんな感じがあるのですね。
 そういう意味では、「わからない」を「わかる」にしていくマリみてと似てはいるのですけれど、夏目の
 方がより根源的に、より早い段階で分化しているんです。
 なんというか、素なんですね、この作品って。
 自分が築いてきたものを、ぽーんと捨てちゃって、ゼロから始めていくみたいな、でも横目でしっかりと
 その投げ捨てた自分が築いてきたものを見ながらだったりとか。
 前にも書いたと思うんですけど、自分の中に今現在ある真面目さとは、違うタイプの真面目さがある。
 そしてその真面目さは、ずっと昔から自分の中にあったもの。
 それを知りつつ、ずっと今現在採用している真面目さだけで生き続けていて、ずっとそのもうひとつの
 真面目さは放置されていた。
 その置き忘れられた、或いは存在を知りながら遠ざけていた、その青冷めるほどに透き通った真面目、
 それが、夏目貴志として存在している。
 その夏目が、今現在の自分の真面目さを、みつめている。
 ああ、俺が今まで採用していた真面目さって、良く考えたら不真面目なんだよな、と。
 自分が今まで、これと信じて真面目にやってきたもの、誠実さ、思い遣りに気遣い、そういったものが、
 一体どういった「欺瞞」を孕んでいるのかを、鮮明に描き出してくれる。
 
 真面目であるということを、真面目に問う。
 まさに聖域無き改革な訳ですね。 (笑)
 
 でも、夏目はそれだけでは無い。
 というよりむしろその真面目な改革は足掛かりにしかすぎない。
 真面目な自分が生きているとは、一体どういうことなんだろう、いや、どういうことになるんだろう。
 哲学といえば哲学なのですけれど、ただ探求を重ねるというだけじゃ無く、その探求して得たものの
 実践と、その実践の結果がすべて「自分」として顕れてくるということが、一体どういうことなのかと、
 ひとつの「自覚」という答えとして、夏目はそれを獲得していきます。
 つまり、ああだこうだと考えてたって、そうやって考えながらも俺って此処にいるんだよな、その考えの中身
 を実践してもしなくても俺は此処にいるし、不思議だな、俺が此処にいるってことは、という感慨を
 夏目は得ていく訳です。
 そしてその感慨を得た夏目が此処にいて、そのまま生きている中で夏目は色々なものを感じて、
 そしてその感じたものそのものが、夏目の生を作っていくのです。
 真面目とはなにかと問い続ける、それそのものが生きているのです。
 
 
 うん、わかりにくいですね、これじゃ。
 自分でもなに言ってんのかわかんないやこれ。 (笑)
 
 
 
 そうですね、なんて言えばよいんでしょう。
 まぁ、あんまし理詰めな話をしたくは無いので、こう、ざっくばらんに生きたいのですけどね。
 んー。
 そうですね、やっぱり、その夏目的な真面目さっていうものが、自らの既存の真面目さを見つめている
 、ということは本質的では無くて、それよりも、その夏目的な真面目さそのものを生きている、その
 夏目自体が本質的というか、うわさっきと同じことしか言ってないや。
 んー、どうお話すればよいのかな。
 繊細で、鮮明で。
 ひとつも漏らさず見つめて、だけど、そうしてなにかを見つめている自分から、ぽっと離れて。
 夏目友人帳。
 うん、これ、「友」のお話なんですよね。
 夏目にとって、「友」ってなんだろうって。
 夏目自身がそう問うている訳じゃ無いけれど、体感的に自覚的に、夏目は「友」というものを色々な
 意味で「新しく」作り出そうとしているのは、よくわかります。
 うん。
 他者との関係というか、んー、それよりも、ある意味夏目友人帳という作品は、「友」という対象を
 目の前に置くことで、「自分」を作り、またその自分の居場所を作っていこうとする作品、とも言える
 でしょうか。
 やっぱりちょっと、ぽっと、自分と他者との間に距離を置いて、その距離感の中にこそ、むしろ、
 自分の紡ぐ言葉や思いを込めていっているように感じるのね。
 マリみてより根源的というか、マリみてはどっちかっていうと、今の私を延長させた中にある、それを
 徹底したいという「衝動」的作品なんだけど、夏目はその今の私と衝動に身を委ねてみたいと思って
 いる、その私の真面目さをみつめた上での、かつて私が持っていた、そして今も持っている別系統の
 真面目さを展開してる。
 もしかして、今、マリみて的「衝動」にさえ「特化」することが出来る私なら、もう一度、いえ、もしかしたら
 何度でも、もっと大元の自分の背景というか理というか、そういうものを組み直すことも出来るの
 じゃないかと、だからそう、「希望」を抱かせてくれる。
 マリみてが私を「縦」に深めるとしたら、夏目は私を「横」の方向に深めてくれるのじゃないか。
 パラダイムシフトというか、まぁそんな感じ?
 ただまぁ、それは右から左への大転換とか、そういう急激なものじゃ無くて、先にも言ったように、
 私の中の、あるのに触れることの出来なかったある意味異質な「真面目」さを、改めてじっくりとその
 鮮烈なものを敬して遠ざけようとした力を使って受け止め、そして感じて考えていくことで、ゆっくりとした
 、変化では無く創成として、行われていく気がします。
 
 
 うん。
 夏目こそ、夏目友人帳こそ。
 
 青臭いものや理想論を、ただそう断じて遠ざけるしか無い自分を、新しくその青臭いものや理想論の
 本質と向き合わせてくれるって、私は思うのですよね。
 
 妥協無く、鮮明に、繊細に、そして容赦なく鮮烈に。
 自分の「弱さ」と向き合わせてくれる。
 
 そのために。
 自分が今いる此処が、沢山あるうちの「此処」のひとつにしか過ぎないことを、なによりも教えてくれる。
 
 そう。
 妖怪の存在そのものを使って、ね。
 その人間とは異なる妖達と、「友達」になるってことは、つまり・・・・
 
 
 
 自分の胸に手を当てて瞳を凝らせば、あっという間に自分が築いてきたものが答えを教えてくれる。
 わからないことなんて無い。
 ぞっくりとするほどに、自分に染まれる。
 マリみての得意とするところのものです。
 では夏目は?
 
 目の前の「友」にそっと触れて。
 そして耳を澄ませば。
 無限の、いえ、無数の世界があることを、そのまま教えてくれるのです。
 あちらの世界、こちらの世界、そちらの世界、夏目はそのすべてを背負うことなどとても出来ない。
 でも、あちらの世界に触れ、こちらの世界にも触れ、沢山の妖達と触れ、人にも触れ、それで決して
 自分と同じ存在は無いことを知るがゆえにこそ。
 夏目は、相手のことを、ひとつずつ丁寧に感得していくのです。
 そのたびに自分を変化させて、そのために夏目は自分を一瞬ずつ無にしていくのです。
 この作品では、たびたび主人公の夏目貴志は、自分を捨てて誰かを助けようとしますが、けれど
 必ずその後に、それで相手に心配かけたりすることで、それが結局は自分の良心を満たすために
 やっているだけだと気づき煩悶します。
 でも、結局はなんだかんだで、危険を顧みずに飛び込んでく。
 でもそれは、自分を捨てているということでも無ければ、相手に心配をかけることを無視するという
 ことでも無い。
 夏目は自分を捨てるのでは無く、ただ自分を無にするのです。
 自分が、その助けたいと思った人のことを深く感じるために、そう、その人が夏目自身をどれほど大切
 に思っているのかをも含めて。
 自分の優しい気持ちのままに、人(妖)助けをしたい。
 でも自分の優しい気持ちを満たすために、誰かを助ける訳じゃ無い。
 誰かの優しい気持ちに、答えたい。
 誰かの閉ざされてしまった優しい気持ちを、開いてあげたい。
 だから、教えておくれ、お前の名前を。
 お前の想いを、お前の魂を、お前の理を、お前の叫びを。
 それを、おまえごと、そっくり俺の中に注ぎ込んでおくれ。
 まるごと、全部。
 大元から、根本から、お前のその背景全部。
 そのために、俺は俺を一瞬無にするよ。
 それは、捨てた訳じゃ無いから、またすぐ戻ってくるよ。
 俺は俺を捨てたりしない。
 でもだからって、俺のままで、俺の背景のみでその文脈のみで、お前のことを解釈したりなんてしないよ。
 
 だからしぜん、夏目は沢山の背景を、文脈を、世界を。
 自分を捨てることなく、そのまま受け入れていくことも出来ていくのですね。
 
 だからこその、友人なんですよね。
 ひとりひとり、全く違う存在達と触れ合い、そして、自らの世界の「可能性」を開いていく。
 そしてまた、友人のために必死に頑張れる、今の自分の世界とも向き合っていける。
 そう、友人達と触れ合うことで得た、新しい世界のぬくもりを手にしながら。
 そしてその友人の世界のぬくもりと、自分の世界のぬくもりが繋がるとき。
 夏目の世界に、希望が大きく、広がっていく。
 そういう意味では、自分とか自分じゃ無いとか、そういうのはもう関係無くなってくる。
 マリみて的に、ただただひとつのものに飛び込む、その衝動に駆られる「自分」を見据えてさえも、
 夏目のこの希望の広がりは途絶えることは無いのです。
 冷静になれと、わざわざ言わなくても、綺麗に落ち着いている自分がいる。
 耳を澄ませば、音が聞こえる。
 静かで、豊穣で、癒され安心する自分を感じなくても、もう直接、夏目はそのぬくもりある音達と
 繋がることが出来る。
 ひとりだけど、独りじゃ無い。
 もう、そんなことすら関係無いほどに、常然として、世界はずっと俺と続いている。
 繋がっているとか繋がっていないとか、そういうことじゃ無い。
 俺が、世界なんだ。
 俺がずっと続いて、そのまま世界なんだ。
 
 だから。
 夏目は、独りでも、生きられる自分の、そのあまりにも「当たり前」さに至ることが出来たんですね。
 
 誰かを求めて、求め続けて、だけど普通に、誰かを求めるのを休んで、求め続けることをやめることも
 出来るのだと。
 
 どうでもいい。
 なるようになるさ。
 どれでも俺は、生きられる。
 生きる目的や理由が無くても、俺は此処に生きている。
 そして。
 夏目友人帳という作品は、マリみてのように、だからこそ安心して誰かを求めて、その誰かとの世界に
 逼塞する安心を得る自分を肯定していく、という道は選びません。
 敢えてそこは、大きく構えよう。
 もうひとつ手前で枝分かれしてみよう。
 誰かを愛せるって、そう思えたら、それでもう充分なんじゃないか?
 だからもう、愛のことなんて、考えなくてもいいんじゃないか? 先生。
 ふん、一期一会という奴だな。
 まぁ、そうかもしれないな。
 誰かをぐっと深く愛することの出来る自分の世界、それと触れることが出来たんだ。
 嬉しかったんだ、そういう自分の可能性に出会えて。
 だから。
 俺は。
 
 また別の俺の世界と、出会っていきたいんだ。
 
 知りたくて、知りたくて。
 マリみてに「特化」出来たからこそ、そのマリみての枝元に敢えて戻って、また沢山の枝という「特化」を
 見つけていこう。
 それが、夏目という希望。
 どんどん、どんどん、静かに世界を広げていける予感。
 野望ですよね、これって。 夏目も結構野心家なんですよね、まぁ男の子だし。 (笑)
 これからも沢山の人と出会って、沢山の妖怪達と出会っていって、そのひとりずつひとつずつの世界に
 深く触れていって。
 それはどこまでも途切れない、夏目の遍歴。
 ああ、いいなぁ、この感触。
 夏の木漏れ日が、冬の雪景色が、肌にしっとりと馴染む感じ。
 四季折々に生き、そしてまた一回りして、春に、夏に、秋に、冬に生きて。
 同じものなんてなにひとつ無く、だけど同じようなものの中に生きて、その中で僅かな差異を見つけて
 感じる、些細な、けれど繊細な生活を送っていく。
 変化はどこにでもあるんですよね。
 不変のものがそこにあって、それと向き合う自分がいる限り、何度でもその不変のものに対して違う
 感慨を、世界を感じていくことが出来るのだから。
 不変のものとはなにか。
 
 
 それは、他者が、私達の目の前にいるということ、そのもの。
 
 
 その「他者」という存在の上で生きる、様々な人達や妖達と出会っていくのですね。
 そして、その時々に、心震える、涙が零れて止まらない、その鮮烈な物語が生まれてくるのです。
 うん。
 夏目友人帳、最高です。
 こんな根本的な希望があるなんて、当たり前すぎて涙が出てきてしまいます。
 うん。
 
 
 
 
 
 夏目、万歳。
 
 
 
 
 
 日常の中に広がる異世界。
 居ながらにして可能性が開かれていく感覚。
 ちょっとした些細なことに無限の野心を感じていく希望。
 安心出来る小さな世界の中の連続なのに、絶対にそこには変化がある繊細。
 鮮明に、それが示されていく。
 ええ。
 私はおそらく、08年度は最もこの作品に影響を受けたと思います。
 素晴らしい、その一言が一番その文字通りに似合う作品です。
 ああ、なんか、こんなに深くさっぱり出来た作品は、初めてかもしれないなぁ。
 ほっといても、語らずにいても、見えなくても、なんだかもう、この作品と出会って、その存在を知って
 しまった時点で、私の中には夏目という枝葉がにょきにょきと生えているのがわかっちゃうのですから。
 それに、いわゆる「妖怪モノ」の作品の中で、最も「妖怪」が存在することの「意味」を考えさせて
 くれる、ある意味でこのジャンルに於ける到達点にこの作品はあったと思います。
 ホリックに、蟲師に、もっけにと、それぞれあったモノを、改めてその大元から考え直してみた、それが
 この夏目友人帳という作品。
 そう、私達自身がこそ、妖怪というものを使って一体なにを考えようとしていたのか、一体なぜ私達には
 そういった妖やら霊やら、そういうものが視える、という「物語」を考えるのか。
 その問いに私達を誘い、そしてなによりもその問いを問うままに、どうしようも無く生きさせてくれた、
 その最たるものが、この作品なのでした。
 
 改めまして、夏目万歳。
 拍手で御座います!
 
 
 そして、この夏目友人帳という作品を世に送り出してくださった方々に、深く感謝申し上げます。
 こういう作品があるかないかで、アニメの可能性の広がりは随分と違ってくると思いました。
 有り難いことです。
 そして、私の感想を読んでくださった方々に、御礼申し上げます。
 どうか、読んでくださったあなた方にも、夏目のような鮮烈な生活がありますよう、心から祈っております。
 
 はぁ。
 まだ夏目はこれで完結、という感じがしませんので、続編はあると思っています。
 まだまだ、夏目にはやらなければならないことがありますし、そしてこの第二期では、そういう意味では
 第一期の延長線上の問題を越えるほどの問題を、まだまだ導き出しているとはいえないので(境地だ
 けは良い感じに拓けてましたけど)、どうぞ、第三期はさらにさらに大きく深く、夏目に考えさせて、
 感じさせていって頂きたいと思います。
 むしろ、夏目はまだまだこれからです、はい♪
 
 
 それでは、すっきりとお別れ申し上げます。
 また第三期で、お会い致しましょう!
 
 
 
 
 
 
 
 

 

-- 090421--                    

 

         

                              ■■ マリみてという衝動 ■■

     
 
 
 
 
 ごきげんよう。
 
 それで。
 今日はマリみてについてのお話をするということでしたけれど。
 一体なにを、どうお話したらいいのでしょう。
 わかりません。
 素直に、わかりませんと言います。
 でも、どうしてでしょうか。
 その、「わからない」という言葉を記述しようと考え始めた、その瞬間から。
 私の頭の中では、なにかが胎動し始めていくのです。
 マリア様がみてる。
 この作品を評したり、各キャラについてお話ししようとも思っていたのですけれど、逆にそういうものは
 「わからない」という言葉で書き出すことが出来ない、つまり「わかっている」ことなので、どうしても
 今回マリみてについて書くということになったときに、それで書き出すことに躊躇いを覚えてしまうのです。
 あるいはむしろ、そういうものから書き出して、ゆっくりと地ならしして、それからじっくりと回していくように
 「わからない」ものを焙り出していこうともしてみたのですけれど、どうにも。
 駄目でした。
 
 「わからない」と。
 そう言いたくて、堪らなかったのです。
 
 わからない。
 マリみては、私にとって、わからないの宝庫。
 わからない、わからない、なんという、甘美な響き。
 わからないのに、彼女達が私の目の前にいて、目の前にいるのに、わからない。
 どうして? どうしてわからないのに、あなた達と一緒にいられるの?
 どうして私は、あなた達のことがわからないのに、あなた達から目を逸らさずにいられるの?
 それは、不思議と言うにはあまりにも、「わからない」ことでした。
 正直なのです。
 この「マリみて」という存在は。
 どうしても私は、そのマリみての正直さに必死に感応しようとして、だけどそれゆえに、なによりもまず、
 冷静になってしまいます。
 焦らない、焦っては駄目。
 じっくりと、落ち着いて、だけど、根回し無しで、一気に。
 頭の中で考える。
 私の中だけで考える。
 考えて、考えて。
 大きく、マリみてと向き合っていく。
 わからないはずは、無いんだ。
 
 
 私はそうして、大きく、見栄を張る。
 
 
 わからないはずが無い。
 私にはわかるはずだ。
 耳を澄ませ、心を研ぎ澄ませ、瞳を凝らせろ。
 思考を巡らし、血潮を感じ、なによりも深く感動しろ。
 「わからない」という前提の元、わかるための元手を私の中に探していく。
 「わからない」ということの確認をすればするほど、わかるものがひとつひとつ見つかっていく。
 わからなくて当然。
 だけどだから、わかるものがある。
 なにも考えなくても、なにも感じなくても。
 私には、「マリみて」の素質がある。
 他の誰にあろうとなかろうと、私にはそれがある。
 それがどんなに惨めなものであろうと、そこからすべてが始まっていく。
 薔薇の種子。
 それはそう、紅くて、白くて、黄色くて。
 色々なものがわかっていきました。
 私にとって、マリみては「わからない」ものの象徴であり、そして同時になによりも、「わかっていく」ものの
 代名詞でした。
 こんなに刺激的なものは無い。
 わかりたい。
 わかっていく自分を感じたい。
 それは、なにものにも代え難い衝動でした。
 ほんとうに、マリみてには、何度でも突き動かされました。
 わかりたいと。
 わからないものの中で、どんなになってもわかっていきたいという、なによりも深く輝く衝動に。
 
 
 
 ◆
 
 正直。
 わからないことって、言うほどには無いと思う。
 結構私は、わかってる。
 勿論、ただの思い込みや、わかっていないということをわかっていないだけだったりする。
 でもそんなのは当然で、そういう意味で言ったら、私にはわかっているものなどなにひとつ無いし、
 そもそも私には自分がわかっていないということをわかる術など無いし、少なくともその術が存在して
 いたとしても、現在私はそれを持ち合わせていない。
 でも私は、それでもわかっているものがあると、由乃さんばりに傲然と言う。
 理屈なんて関係無いのよ。
 それでも私がわかってるって言ってるんだから、それがわかってるっていうことでしょ!
 わからないわからないって、いつまでも狼狽えてばかりいないでよ! バカ令!
 由乃さん的に言うと、そんな感じ。
 実際問題、自分の話として、自分が言うべきものとして、「わかっている」という実感を持っているもの
 は、確かにある。
 それが思い込みや錯覚だろうと、少なくとも、感情的にその存在を確かに感じていたり、屁理屈でも
 それが通っているモノがあることは、やっぱり確か。
 それが本当にわかっていると言えるのか、それが「真実」であるのかだなんて、全然関係無い。
 それを私が、「わかっている」と言えるかどうか、ただそれだけ。
 いえ、むしろ。
 それが「真実」であるかどうかに拘ろうとすることこそが、なぜ自分がわからないわからないと言うのかの、
 その根本にあるものを暴き出してくれる。
 
 「本音」って、なんだと思う?
 「本音」が、論理的に正しいとか、それが真実であるかどうかなんて、関係あると思う?
 
 主体性があるかないか。
 嘘だろうと本当だろうと、それが自分の一番わかっているものだと宣言し、その責任を負うほどの力を
 その言葉に込めるかどうか。
 その中身が嘘か本当か、それはどちらでも良い。
 なら。
 
 
 「本当」を、選んでもよいのじゃないか。
 
 
 マリみては、本音丸出しです。
 嘘を吐いても、それが嘘かどうかであるよりも、なぜ嘘を吐かなければならなかったのかという、
 その人の嘘の動機、つまりその人の「本当」が常に透視されているのです。
 勿論、登場人物が互いに互いを透視し合っている。
 だから、嘘自体がもう「本当」を孕んだ本音になっていて、それが純粋により「本当」に近い形へと
 削られ研ぎ澄まされていくのです。
 「本当」を真っ先にぶつけて、相手の反応の中に自分の本音と娶せるべきものを探していくことも
 あります。
 実に様々なパターンを以てして、このマリみてというものは、なにかを放出していきます。
 それは、たぶん、「自分」を誰かにわかって貰いたいとか、そういうことでは無いようなのです。
 ただただ、目の前の人が好きで。
 ただただ、好きだから、その人の事がわかりたくて。
 そして。
 ただただ。
 その人の事が好きなのに、その気持ちを上手くその相手との関係の中に築くことが出来なくて。
 だから、叫んでしまうんです。
 私は、あなたが好きです、大好きです、と。
 それは純粋な、絶叫。
 好きだからわかって欲しいでも、わかって欲しいから好きになった訳でも無い。
 好きで好きで堪らなくて、それがどうにもならない苦しさに、その苦痛に踊らされて叫んでしまうだけ。
 わかって欲しいと思うのはただ、その苦しさを相手に癒して欲しいと思うからで、でもだからこそ、
 その癒し自体は目的でもなんでも無く、ただの「甘え」で。
 だから何度でも、あの子達は立ち直る。
 何度でも取り乱してしまったことを侘び、そして改めて、相手との関係を築き直す。
 私は、ひとりだから。
 ひとりだからこそ、目の前の人と繋がりたい。
 でも、その人と繋がるのは、片手だけ。
 その人とだけの世界に閉じたりなんか、しない。
 この圧倒的に広く豊かな世界の中でこそ、大好きなあの人と一緒に、生きたいと思ったから。
 それが、マリみての真髄。
 そして。
 そのマリみてが、出会ったのです。
 
 
 
 瞳子という、存在に。
 
 
 
 
 
 
 ・・・・・・◆
 
 
 だって、泣きましたもん。
 脱マリみてっていうか、ううん違う、マリみて越えっていうか。
 私が大好きだった、あのマリみてが、そのマリみて自身が最も求めていたものと出会えた、っていうのが
 なによりわかったから。
 だから私も、その最愛の人と出会えたマリみての中に飛び込んで、そして一緒にその人を求めることが
 出来たんだから。
 涙が止まらないというか、散々瞳の中に堪って、そして一気に大粒に零れて、そしてまたすぐに堪って、
 また大きく零れて、の繰り返しが止まらないっていうか。
 こんなに、嬉しいことはなかったよ、マリみてファンとして。
 
 瞳子がいて。
 そしてマリみては、本当に、救われた気がします。
 
 ひとりで、強く立って。
 強く生きて、強く愛せるようになって。
 そう、白薔薇的にね。
 私はアニみて(アニメ版マリみての略)は非常に白薔薇的だったと思いますし、そして私にとってのマリみ
 てはアニみてでしたから。
 そして私は、白薔薇が一番好きでした。
 私が求めるものがあるようで、そして私に最も近い気がしていたから。
 でも、白薔薇を観て、聖様、志摩子さん、乃梨子で書いてきて、それが少し違うことに気づいてきて。
 ああ、なんか違う。
 聖様も、志摩子さんも乃梨子も。
 自分が白薔薇であることを求めている訳じゃ無いんだ。
 白薔薇は、他のなにかを求めている、ただそういう薔薇だった。
 そして、そうしてなにかを求め続けることが出来るという白い薔薇であることを、求めている訳でも
 無かった。
 聖様が、志摩子さんが、乃梨子が求めていたものは、たったひとつ。
 
 それは、祐巳さん。
 紅薔薇を、白薔薇はずっと求めていただけ。
 
 聖様が志摩子さんを、志摩子さんが聖様を、志摩子さんが乃梨子を、乃梨子が志摩子さんを求めた
 のは、ただ。
 自分がなによりもずっと、紅薔薇の祐巳さんを求め続けるために、でした。
 そうしてひとり延々と諦めずに求め続けるためにこそ、その自分をまず愛するためにこそ、自分と同じ
 ような白い姉と妹を愛し求めた。
 そう、片手だけ、姉妹と繋いで。
 そしてその繋いだ片手は実は。
 もう一方の、圧倒的に広くて豊かな、「普通」である紅薔薇の治める世界と繋ぐための手のためにこそ、
 ただただ、愛しく互いのために握り合っていました。
 決して、白薔薇は、姉妹と繋いだ片手だけの世界の中に逼塞しない。
 常に、両手を繋ぐ。
 「自分」と、「世界」と。
 それが、白薔薇の求める、そして目指す在り方。
 繋いだ姉妹との、小さな密室の世界に引き籠もりたいという、自らの凄まじい欲望と戦いながら、
 聖様も志摩子さんも乃梨子も、ずっとずっと紅薔薇へと手を伸ばしていました。
 そして・・・・
 
 
 瞳子は、白薔薇的でした。
 
 
 瞳子は、孤独でした。
 すべてを自分で背負い、すべてを引き受け、悪役になることも恐れずに、一心に自分のするべきこと
 しなければならないことに身を捧げていた。
 なんのために?
 みんなのためによ! 
 みんなのことが好きな私のためによ!
 そしてだから、瞳子はなによりも、自分を大切にした。
 みんなを愛し続けるために、ずっとずっと、絶対に諦めないためにこそ、どんなになっても、ほんとうの
 本当にどんなになってもみんなを愛し続けるためにこそ、瞳子はそう出来るための自分を創ろうとした
 のです。
 私の力だけじゃ駄目なのよ。
 だからお願い、あなたの力を貸して。
 瞳子は、白薔薇的でした。
 いいえ。
 なによりも白薔薇で、白薔薇の中の白薔薇、そしてその白薔薇であることに純粋過ぎて。
 徹底的に、圧倒的に絶対的に、白薔薇であることを突き詰めたのでした。
 自分独りで戦うことだけでは限界があることを、本当にみんなを愛し続けるためには、絶対に誰かの
 力が必要なのだということを実感して、その協力を得るためになら、たとえ白薔薇「的」では無いほど
 に、誰かのことばかりを求めて考えても、それこそ白薔薇としてはより本質的なのだ、と。
 そして。
 
 だからこそ。
 瞳子は、白薔薇から逸脱していくのです。
 
 独りで戦っては駄目。
 ひとりで、強く立って。
 強く生きて、強く愛せるようになって。
 そんな白薔薇的に生きても、それは本質的には白薔薇じゃ無いんだ。
 あくまで、ただ純粋に、求める誰かのためになれるように、そのためには誰かの力も借りて、弱い自分
 も見つめていかなければいけないんだ。
 だから、瞳子は「わからなく」なったのです。
 私は、なんのために白薔薇であろうとしているのか、と。
 白薔薇とは、なにか。
 白薔薇であることを求める、それは白薔薇では無い。
 白薔薇はあくまで、白薔薇以外のなにかを求め続けるだけの存在。
 ゆえに、白薔薇以外のなにかを求め続けるために、自分をわかって貰おうとするのは、それは白薔薇
 では無い。
 白薔薇は、ただ、白薔薇以外のなにかを求め続けるために、叫ぶだけだもの。
 瞳子のそれは。
 
 紅薔薇。
 
 瞳子が求めている人は、紅薔薇の祐巳さん。
 そして、紅薔薇の祐巳さんを求め続けるためにこそ、祐巳さんに色々と自分のことをわかって貰おう
 として、そして祐巳さんにもその祐巳さんを求め続ける自分を支えて貰いたいと、そのためにこそ
 瞳子はあらゆる手を使って、祐巳さんに自分を伝えていこうとしたのです。
 そんな白薔薇は、いません。
 それは、紅薔薇です。
 紅薔薇の在り方。
 瞳子は、白薔薇としての在り方満足出来ず、また耐えられなかった。
 だから瞳子は、白薔薇として紅薔薇を求めているうちに、いつのまにか気づかぬうちに、紅薔薇を
 求める紅薔薇になっていったのです。
 私には耐えられません。
 私は、独りでは戦えない。
 いいえ。
 戦いたくなんてありません。
 それは、白薔薇からの逸脱でもあり、また白薔薇の進化でもある。
 真っ白なキャンバスに、白地図に、少しずつ色が付き始めていくように。
 そして、瞳子は気づいたのです。
 ああ、私は・・・ただずっと・・・・
 自分と同じ誰かと繋いだ、その小さな密室の中の世界に生きる自分が、怖かっただけなんだって。
 だから、自分の胸の中の白地図に、ずっとなにも描くことが出来なかったのだと。
 
 
 私はただ・・・
 ただ、祐巳様とひとつになっても、それでも祐巳様と一緒にこの広い世界の中を生きていくことが
 出来ないと、そう思っていたから・・・・
 
 
 聖様も、志摩子さんも、乃梨子も。
 おそらくきっと、姉妹と両手で抱き締め合うと、それ以外の世界と繋がることが出来ないと恐れていた
 のでしょう。
 だから、姉妹と片手でしか繋がることが「できなかった」のです。
 瞳子は、その最も自分がみつめるべき、自分の弱さを見つめ、そして目を見開いたのです。
 祐巳様と抱き合ったら・・・・私は・・・・祐巳様だけしか無くなってしまうのかしら・・・?
 違う、と、瞳子は確かに「わかった」のです。
 たとえ全身全霊で祐巳様を愛してしまっても、それでもこの世界は消えないし、また。
 その世界とも、そのみんなとの世界とも繋がろうとする、その自分も消えない、と。
 だから。
 
 
 
 瞳子は、祐巳様と抱き合ったのです。
 
 巨大で、圧倒的に深くて広い、この世界の中で。
 
 なにも消えず、なにも失わず。
 
 すべてを手に入れることができたのです。
 
 
 
 それが、白薔薇が求めた紅薔薇の姿。
 それが。
 白薔薇がなりたいと思った、「未来」の自分。
 聖様が栞さんと別れたあと、志摩子さんが聖様と別れたあと。
 そして。
 乃梨子が、紅薔薇の祐巳さんと瞳子と、そして白薔薇の志摩子さんと出会ってから。
 彼女達はずっとそうして、自らの白い薔薇に、紅を少しずつ灯していっていたのです。
 今日の次は明日、明日の次は明後日。
 少しずつ、少しずつ。
 瞳子は、今日祐巳さんと抱き合ったら、明日は独りで頑張って、そして明後日はまた抱き合って。
 明日の来ない今日は無いと、祐巳さんと抱き合いながら、独りで頑張りながら、瞳子は見事にそうして
 安心して強く生きていけるようになったのです。
 文字通り、両立です。
 紅薔薇の中には、白薔薇もあるのです。
 なにせ、紅薔薇は、白薔薇を紅く塗ったものなのですから、元は白薔薇ですし。
 時間の流れ。
 それが、この瞳子の存在によって、このマリみてという存在に取り入れられることによって、見事にこの
 作品はその可能性を華開かせていったのです。
 
 
 
 ああ
 マリみてって、すごいな
 
 なんでこんなに、完璧なのでしょう
 
 
 
 誰かを愛してしまうだけの自分の閉じてしまっても。
 それでも、世界と自分は消えない。
 自分が変わっても、変わらない自分がいる。
 マリア様がみてるから。
 たとえ「本当」のことを全部すらすらと吐き出してしまっても、またいつでも普通に、嘘と見栄と建前を
 振り翳して、ひとり頑張って生きることさえ出来てしまうんです。
 ああ
 いいなぁ
 ああ
 いいなぁ ほんとうに
 
 
 
 安心して、ひとつのことに飛び込める。
 
 それは、私が求めていたことのうちで、最も深く激しい、衝動でした。
 
 
 
 ひとつのものに囚われると、他のものが見えなくなってしまうかもしれない恐怖。
 なんにも捨てたくない見捨てたくない、でもずっとただ、真っ白なまま、独りで頑張り続けるのは、嫌。
 ひとりは、嫌。
 ただ、それだけ。
 それが瞳子の、弱さだったんですね。
 そしておそらく、私も・・
 自信が無い自分のまま、ただ白薔薇的に生きることしか無かったのかもしれません。
 だから・・・
 この瞳子の安息が、これほど心に、いえ、私の命に浸みてきたのだと思います。
 それでも世界はいる。
 それでも私はある。
 ただ祐巳様との世界に逼塞するか、ただ独りで頑張り続けるだけか、その選択肢に惑うだけの自分の
 姿こそ、瞳子が、そして私がみつめるべき自分。
 両方なのですね。
 
 それは、「同時」に、では無くて。
 「交互」に、で良かったのですね。
 
 うん。
 私はたぶん、そのことをずっとわかっていなかったのだと思います。
 なんでこんな簡単なことをと、ある意味あの最終回を観たあとに唖然としましたもの。 (笑)
 「交互」だからこそ、「同時」に片手ずつという「半分」では無く、両手で「全部」抱き合うことが出来る。
 なにせ、祐巳様といられるのは、今日だけでは無くて、明日も、明後日も、ずっとそうなのですから。
 その時間という概念、そして。
 「永遠」の感覚が、きっと私は本質的にまだまだわかっていなかったのじゃないかと、思いました。
 なんとなくとしては感じていましたけれど、でもここまではっきりと「自覚」したことでしかわからない、この
 感覚。
 そういう意味で。
 マリみては見事に、私に「わからない」を突き付け。
 そして。
 「わかる」ようにしてくれました。
 
 
 ああ
 
 恋っていいなぁ、と。 (いいねその結論 笑)
 
 
 
 
 
 
 とまぁ、なんだか素っ気なく解説風味に書いてしまいましたけれど。
 うん、マリアみて第4期は大変に素晴らしい作品でした、ということだけ伝わればいいや。 (ぉぃ 笑)
 ただ、やっぱり、確かに瞳子の威力は高くて良かったのですけれど、如何せん他の人達の話が
 ほとんど無くて、それが残念ではありました。
 志摩子さんとか乃梨子とか、由乃さんも、やっぱりまだまだ描いて欲しいことはありますので、その
 辺りは是非、第5期に期待したいと思っています。
 ・・・・・5期ありますよね? 
 だって瞳子が祐巳さんの姉妹に決まったってだけじゃ、マリみて完結とは言えないでしょ?
 前にも言いましたけれど、私は原作は読んでいないので、どこまで描いて完結したのかも存じません
 けれど、最低でも祥子様ご卒業くらいまでは描かないと。
 ・・・・・。
 いやでも・・・一応、「マリみて」的には、あの最終話で完璧にまとまっている気はするんですけれどね。
 テーマ的にと言いますか、まぁ、マリみてにテーマの限りなんて無いですけれど、一番大元にある
 「なにか」は、少なくともそれを視野に入れて感想を書いてきた私としては見事に完結している気が
 します。
 でもだからこそ、ショートエピソード集というか、そういう感じで、各姉妹の話やら友情話やら、あるいは
 他のなんでも良いのでやって、その最後に祥子様のご卒業、ということでトリを飾って頂けると、
 これはもう、アニみてファン冥利に尽きますね。
 是非、第5期をお願いします。
 
 
 それでは。
 まだ言ってなかったので言います、というか、やります。
 
 
 
 
 マリみて、万歳。
 
 
 
 
 正直、焼けぼっくいに火がついたというか(ぉぃ)、マリみて熱が再燃したまま、消えるどころか延焼
 しまくっていますので、本当にはやいところ第5期はお願いします。
 そしてまた、後先考えずに、ぽっと、SS的にマリみてについて綴ってしまった日記をUpしたりしちゃう
 かもしれませんので、そのときは皆様、どうぞよろしくお願いします。
 そして、改めまして、マリみて第4期の制作に携わった方々に感謝を贈ります。
 そしてまた、私の何年かぶりの、あの頃とはまた別の形で拙い一連の感想を読んでくださった方々に、
 深く御礼申し上げます。
 ありがとう御座いました。
 
 これまた正直。
 
 マリみてが愛しすぎますので、私は本当にどうにかなってしまいそうです。(もっと言いようが・・ 笑)
 
 あーもう、ほんと私書けないね、自分の愛を表現するとかそういうのが。
 萌え萌え言ってるから、いざってときに困るのよ、少しは反省なさい! (はい)
 もうね、今日のこの文章書くまで、頭の中の半分はマリみてでしたもの。
 あ、残り半分は今期アニメね。 他のことは知らん。 (ぉぃ)
 愛しすぎて好き過ぎて、ああもう、ああもう、ほんとなにか書こうよ私。
 書きたいな、まだ全然書き足りないな。
 ほんとうに、書きたい。
 と、無責任に叫ぶことを今日だけはお許しくださいませ。 (お前・・・笑)
 
 
 というあたりで、かえすがえすも心残り千万では御座いますけれど、筆を置かせて頂きましょう。
 マリみては永久に不滅です!
 いやほんと、前期(第2期)のときからもうだいぶ経っているというのに、いざ目の当たりにすれば、
 こんなに燃え上がってしまうのですから、ほんとうに不滅ですね、私が忘れてようと、時間が経とうと、
 マリみての輝きと、そして。
 マリみてに触れて深く輝く私の瞳があることは、永遠に変わりません。
 ああ、大好き、マリみて。
 
 
 以上。
 それでは、またいつかお会い出来る日を信じて、待っています。
 
 
 
 ごきげんよう。
 
 
 
 
 
 
 
 

 

-- 090418--                    

 

         

                                  ■■ 呟きトリック ■■

     
 
 
 
 
 はい、ごきげんよう、紅い瞳です。
 
 あー、なんか・・・
 気が抜けてます。
 いえ、早速ですけど、気が抜けてます。
 こう、がーっと前期アニメのまとめを書いてて、ずっとそのままでいっちゃうんじゃないかみたいな、
 そんな日記書きとして頭の中空っぽ状態だったのですけれど。
 終わってしまいましたから、それ。
 今日から一体なにを書けばよいのでしょうか、いや自分で考えなさい、そんな今まであなたの敷いた
 レールの上を歩くだけだった私に今更自分で考えろって言われてもどうしようもないですよ、
 まぁご武運を、ちょ待、という状態なのです。
 ええと、どうしましょうか、路頭に迷って開き直って欠伸しているところですけれど。
 欠伸してるとですね、でもあんまりなにも無い。
 ぼーっとしていれば、なにも考えずにいればなにか浮かんでくるとか、そういうこと無いですからね。
 なにも無いですから、マジで。
 どうしよう。
 どうしよう。
 その言葉をぶつぶつと呟いていても、頭の中ではその言葉しか考えていなかったりします。
 やるしかないっしょ。
 その言葉をそれと同じくらいに呟いたあとに、それを呟いても呟かなくてもなにも出てきはしない、
 ということがよくわかってきて、だからじゃあ呟いててもいいよねと、そうしてずっと呟き続けて時間潰しを
 していたり。
 まぁ、黙ってても同じなのですけれどね。
 やるしかないっしょ。
 やるしかないっしょ。
 
 つーか、なにやりたい?
 
 でへへ。
 「やるしかないっしょ」と無駄に繰り返してたら、その無駄に飽きて、なんかやりたくなってきた。
 だからまずは、その「やるしかないっしょ」って言葉に感謝を贈りたいな。
 えへへ、あんがと。
 そして御礼の言葉が出てくると、これまた出てくるわ、やりたいことやりたくないことやってみたいこと、
 それにやらなくちゃいけないことやりたいと言うと藪蛇になるので言わない方がいいこと、などなど。
 
 でもいーや、そういうのは。
 
 ありがとうの言葉の導き出し方は、今まで私が歩んできたレールが与えてくれたものだもの。
 いきなりほっぽり出されたって、わたしにゃそうして自分がやってきたものがちゃんと身に付いてて、
 もう平気でひとりでもやってける。
 だけどさ、せっかくほっぽり出してくれたんだからさ、どうせなら、今までと全然違うこと、してみたくない?
 やりたいこととかやりたくないこととか、まぁ、それはほっといても私の中に浮かんで来てるし、それは私の
 頭の中の曇り空を晴れにすれば、いつだって見ることが出来るもの。
 だから、その安全パイというか、それがあるからこそ、なんか他のことに挑戦しよーよ、みたいな。
 んでも、他のこと新しいこと言ってもねー、考えるの面倒ですし、じゃーなんも考えずにやったらいいじゃん
 、となると、普通に頭の中からレールを引っ張り出してきて、それにふんぞり返って座り込んじゃう。
 しかも、結構いい笑顔して。 こんにゃろー幸せそうな顔しちゃって! ←こいつも嬉しそうだ
 でも、なんか幸せだから、頑張れる。
 んや、頑張るって言葉は手垢が付きすぎてて、愛着はあるけど、やっぱし汚くてね。
 そう、そういうときに語彙力が必要なのよ、語彙が、うんうん。
 よーしじゃあ勉強して新しい言葉を開発するぞ、おー、と頭の悪い感じで自己統一を図ったりすると、
 途端にやる気が無くなってなにも考えなくなって、いいじゃん別に頑張るで、となってくる。
 言葉って、なによ?
 頑張るは、頑張るでしょ。
 その一言に、色んな意味と、色んなレベルの力が籠もってる。
 良い意味も、悪い意味も、そして良い意味も。
 それの全部を理解したら、べつにいーじゃん、頑張るでも。
 そして、頑張るって言えた時点で、新しいことや新しい言葉を開発しようとする自分も肯定できる、
 そうね、あるいはそういう自分の可能性を得られるってことになるのじゃないかな?
 そしたら、古いものも新しいものも求められるじゃん?
 そしたら、弱い私も強い私も抱き締めていけるじゃん?
 
 だって両方とも、好きだもん、私。
 
 新しいものを手に入れて手垢がつけば、それは古いものに。
 強い私も拘り続ければ、それは弱い私に。
 その変化を恐れている私がいる。
 だからきっと、新しいものと古いものを厳然と分けたり、そして新しいものを必死に求めて頑張ろうと
 もしちゃう。
 でもそれは、その変化する対象のふたつそのものが嫌いという訳では無いから、どちらかひとつを取って
 一方を捨てるということには、激しく違和感を感じる。
 いやていうかむしろ私は好きだし。
 だけど怖いから、その選別をする正当性を得ようと、変な理屈を唱え出したりしちゃう。
 その恐怖そのものをなんとかしよう、という理屈は考えずに、ね。
 でもさ。
 怖いのは。
 好きだから、なんじゃないの?
 根源的に本質的に、恥ずかしいんじゃないの?
 好きなんでしょ? ほんとは。
 ツンデレだよツンデレ。 いやそれはちょっと待ってみようか。
 でもさ、そしたらほんとは結構、簡単だったりする。
 変化を、認めちゃえ。
 怖い怖いも好きのうちっしょ、てか私ホラー好きじゃん? (詭弁)
 好きこそものの上手なれ、変化していく自分も好きになっちゃえなっちゃえ。
 ま、無理ですけどね。
 んでも、そんなこと知ったことかー。
 自分で考えなさい。
 私の中の遠くて古い、懐かしい声が響いてきます。 (幻聴)
 「好きかどうか」に拘り過ぎても意味ないし。
 拘れば、新たな「好き」に出会える可能性なんか無くなっちゃうし。
 好きになろうとすること自体が、好きになることに直接繋がる訳じゃ無い。
 んでも。
 だったら、好きになろうなっちゃえよと呟きながらでも、別に好きになれない訳じゃ無いってことっしょ?
 好きになる要因は他にあるんだから、好きと言おうが言うまいが関係無い、なら私は好き好きいいなが
 ら、その好きになる要因を探していきたいなって思う。
 その愛を探し続ける自分を創るためにこそ、「好き」という言葉を言う必要性が、少なくとも私には
 あるのかなー、なんて。
 
 
 いやそれ以前に、これいつも私が言ってることと全然変わってねーし。
 
 
 
 新しいとか古いとか、どこいったー? (取り敢えず欠伸しときます)
 
 
 
 
 ◆
 
 まぁ、うん。
 要するにね、知恵の持続力みたいなものが、必要なんじゃないかなって。
 問題を解決していこうとし続けられる能力、粘り強さみたいなさ。 忍耐力?
 「好き」って言葉は、その粘り強さを引き出してくれるし助けにもなる。
 嫌いなものわからないものと、ずっと向き会い続けて、どんなレベルででも良いから食い下がって好きに
 なろうとわかろうとするための方策を築き続けていくことが、あるいはそれが出来るようになるための
 ことをまず最初にやることが、ま、結構やる気がある無いの問題になったときに、まず大切になってくるの
 ではないかと思います、まる。
 それは非現実的なことでは無くて、とても当たり前なことで、大変だけど難しいことでは無いのかも。
 ぶつぶつ文句言ったり逃避や怠けを正当化すること呟いたり、そういうことしながらも、というか、そういう
 ことしながら、合間合間に好きって呟きながら、長く、向き合ってけたらいいなぁ、やっぱり。
 
 さてと。
 まぁ、こんな感じで、今年度もぶいぶいだらだらと回していこうと思いますので、お暇な方はどうぞお付き
 合いくださいな。
 お忙しい方は、どうぞ容赦なく冷たい視線を送ってやってくださいませ。 それが気持ちよいので。
 
 うん。
 じゃ、まぁ、今年度はそんな感じで、じゃ、今期は、アニメ的にはどういう風にしていきますのか、と
 いいますと、まず今期は感想無しで行きます、静養期間っつーことで。
 まぁあれな、前期頑張り過ぎたし、来期に狼二期が来るんで、まぁそのまえにちょっと休んでおこうか
 みたいな、あれ?、こんな余裕ぶり少し前の私には考えられないよね?、アニメの感想を書かずには
 いられないほどにあたふただった人がなんか落ち着いてるね、大人なった?、紅い瞳大人なった?
 いやただサボりのテクのレベルがまた上がっただけです。
 紅い瞳はそういう人なので、大丈夫です。 ・・・・大丈夫なのか・・
 そんな感じですので、今期はアニメ感想をお休みさせて頂きます、はい。
 
 んで、今期視聴するアニメですけど。
 正直、大混乱。
 まぁ、ちょとリストアップしてみたので、どぞ。
 
 
 月: シャングリラ
 火: 蒼天航路・タユタマ
 水: リストランテ
 木: (銀魂)・パンドラ・けいおん・ファントム・東のエデン ・(黒神)
 金: バサラハルヒバスカッシュハヤテ
 土: ヴァルキュリアポリフォニカ
 日: ハガレン夏のあらし
 
                              :全19作品 ()付きは前期以前よりの継続作
 
 
 だーかーら、多いって! (ほんと反省しない奴な)
 いやむしろこれ、かつてない多さですからねこれ。
 ということなので、一応切りラインを色分けして設定してみました。
 青色が切ることが考えにくい作品、無色がこのままいけば見続ける作品で、
 黄色が少し様子見をしてから考える作品、赤色はひとつふたつプラスアルファが無ければ切る作品。
 出来れば10作品くらいに抑えておきたいところなのですけれどね、この切りラインの設定を見てみても
 わかります通り、切る意志があまり感じられないから困るんだあんたはいつも! (うん)
 で、でも、これでも結構頑張ったんですよ? ほ、ほら青色少ないじゃないですか、黄色とか赤が
 結構あるでしょ?、なんとか消そうという感じは出てるでしょ?
 ・・・・・・でも赤3つしかないよね? (黄色は赤に出来なかった成れの果て)
 赤は全部切るのを前提として、黄色もさらに全部切ると過程して、やっと全11作。
 けど、黄色は出来るだけ残したい、そんな揺れるお年頃。 (違)
 
 ・・・・・頑張ります。
 頑張りたいんだけど、切るのとあくまで見るのとどちらに頑張ればいいのかわからない、そんな事を四月
 も半ばを過ぎた頃にやっている私ですけれど、まだまだ元気です。 (だいじょうぶだいじょうぶ)
 
 ま、ほんと幸せですよね、この人。 (溜息)
 
 
 んで。
 今期のアニメの感触は私的にどうかといいますと。
 そうですね、これは一押し絶対外せない、つか大傑作?、みたいなものは前予想通り無いですね。
 小粒揃い。
 ただ、山椒は小粒でぴりりと辛いと言いますように、それぞれがぴりっとくる美味しさを少しずつ持ってい
 て、一芸に秀でている作品が揃っているという感じがします。
 個人的には、けいおんバサラパンドラが一番充実している上に、個性のある吸引力もあって
 一歩抜きん出ている状態ですね。 
 むしろこの三作品だけをまとめてみるだけで栄養バランスが取れるかも。
 それにリストランテ夏のあらしの一芸を極めた感じ(色モノともいいますけどw)も、是非チョイスして
 おきたいですし、東のエデンの素っ気ないけどスリルのあるリアルさや、シャングリラのストーリーにも
 注目していきたいところ。
 今期は特にこうした、作品の目指すところのものの多様性があって、並べて見ていくと非常に面白
 そうなシーズンにはなりそうと思っています。 だからなかなか切れないんですけどさ。
 あーあと、絶対的不確定要素としての蒼天航路もありますしね。 アモーレ! ←気に入ったらしい
 
 んで。
 はやくも一個後悔してるんがあります。
 感想的に。
 ええと、なんで私はタユタマの感想書いてないん?
 なんでこれ観といて今期はアニメ感想無しねとか宣っちゃってんの?
 いや今から書けばいいんだけどさ、もう二話まで放送しちゃったし、出遅れ感があるし?
 それになにはともあれもう今期はお休みって言っちゃったしさぁ、え?、違いますよ?、べ、べつに休む
 気満々だったのに、急にタユタマが来たので、焦ってなにも観なかったことにしちゃったとか、そんなこと
 してないんだからねっ!と、とにか休むって言ったんだから私は今期は休むんだからねっ! (確信犯)
 うん。
 だからね、ときどきやってるけど、この雑日記の中で毎回適当にプチ感想書いたり書かなくなったり
 しよーかなー、なんて。
 潔さの欠片も無い無様なことを平気で言っていますけれど、私が言わなければ誰がそれを言うので
 しょうかいえ誰も言わないっていうかお前さっきからなに言ってんの?(落ち着け)
 うん。
 正直、第一話はチビましろを守る会に参加する勢い程度でしたのに(程度?)、第二話で爆発。
 んや、大人(?)ましろ萌えとかもそーなんですけど、他のキャラ達とのはっちゃけな絡みとかも妙な
 味わいが出てて良かったんだけど、大転衣スキーな訳でもあるんですけど、やっぱしあれよあれよ。
 孤独から抜け出して、みんなと一緒にいたい、そのために頑張るっつーか、そこだよそこ。
 みんなに拍手されて、感激して「生まれてきてよかったぁ。」って、あなた、涙。(はらはらと)
 そして、「共存」ってなんなのかっつかー、ましろは尻尾と耳を隠して人間として人と生きてくのか、それとも
 あくまで尻尾も耳もある神様として人と生きてくのかとか、まぁもう既に色々問いになりそなものも
 出てて、それをあのましろがあの物腰と、健気な狡賢さwで描き出してて、あーこれは面白いっつーか
 、狼と香辛料のホロとはまたちょっと違う「強さ」があって、うん、だから健気な狡賢さ=狡賢い健気さって
 感じもみえてて、これはいよいよまーしろまーしろby大転衣な訳で、まぁうん。
 
 今期、紅い瞳はアニメ「タユタマ」とましろを応援しております。 まーしろまーしろー♪
 
 ・・・・・。
 紅い瞳も、何処に出しても恥ずかしくないオタクになってきたようで、なによりです。(微笑)
 
 
 ま、そんなところですか、今のところ。
 皆の衆、愉しめい! (強引な)
 
 
 
 
 
 ◆
 
 はい。
 あとはまぁ今日は特にお話することは無い、と言ってしまいますとアレですので、さらっとちょっと。
 超々久しぶりに本借りてきました。
 
 ・岩井志麻子 「鐵道心中」
 ・坂東眞砂子 「善魂宿」
 ・池端亮 「あるゾンビ少女の災難」
 ・京極夏彦 「幽談」
 ・同上 「妖怪の理 妖怪の檻」
 
 ・・・・。
 ほんと、本てしばらく読まないでいると、読めなくなるね。 (目をしぱしぱさせながら)
 長文って意味ならネットとか他のもので読んでるけど、も少し難しいというか想像力が必要なモノを
 読むとなると、ころっと頭の中が停止しちゃうのね、これはひどいわ。
 ということなので、リハビリが必要なので、まぁ借りてきた奴は読み切る前に返したりして、新しいのを
 借りてきてまた返したりとか、そういう感じでぼちぼちと「本」という居場所に帰っていきたいと思います。
 ・・・・・。
 てか、なんで全部ホラー系なの? (大丈夫?w)
 
 
 
 あーあと。
 お酒。
 こんな感じで、ちょびちょび飲ってました。
 
 ・特別純米 無濾過生原酒 「外房 大原」
 ・純米吟醸 「浦霞 禅」
 ・「しぼりたて吟醸」 (月桂冠)
 ・SKYY VODKA
 
 大原は苦手な酸っぱさ主体なお酒でしたけど、ぴりっとくる酸味と苦みと、酸っぱさに溶けている甘み、
 そうですね、甘酸っぱさじゃ無くて言うなれば酸っぱ甘さが絶妙にコラボってて、酸っぱいのに美味しく
 飲めました。
 浦霞は以前から友人に勧められていて、でも友人は薄味で飲みやすさ重視な人だったので、あまり
 信用ならなかったのですけれど(ぉぃw)、確かにこれは飲みやすいけれどコシがあるというか、味の
 広がりは無いのだけれど、単一の味自体に深みがあって、ちょっと高かったけれど良いお酒時間を
 過ごさせて頂きました。友人さんくす♪
 しぼりたて吟醸は、飲み会でちょと飲み足りなくて予算の端数で買える適当に安いという理由で
 チョイス。 ちなみにそのときの飲み会はビール主体でした。なに飲んだか覚えてないw
 まぁうん、美味しいというほどではないけれど不味くは無い、というノーコメントに近い感じでした。(笑)
 
 んで。
 SKYY VODKA
 スカイウォッカと読みます。 人生初ウォッカ。
 んー。
 特徴が無いっていうか、蒸留酒としての重さ強さはあるけど、味自体はほんと弱いというか、カクテル
 ベースの主流というのもよくわかる。 ほぼ無臭だし。
 だけど、飲んでるうちに少しずつ甘みが出てきて、気づいたら吐く寸前まで飲んでました。やばいww
 前に飲んでたテキーラも、最初はむしろ不味かったんですけど、飲むうちに病みつきになってきたりと、
 最近否定的なものから入ったものの方にハマる傾向のある私です。なにかあるの?これww
 
 
 
 っと、そんな感じでしょうか、今日は。
 んじゃ、次回はそうですね、来週辺りにまったりとマリみてについて語らせて頂こうと思います。
 では、今日はここまで。
 お疲れ様でした。
 
 
 
 
 
 

 

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                             ■■ 前期と今期のお話 4 ■■

     
 
 
 
 
 ごきげんよう。
 
 なんかもうパソつけると部屋の中が暑いくらいになってきましたけど、皆様如何お過ごしでしょうか?
 さて、前期と今期のお話も今日が最後ですので、また早速と始めさせて頂きましょう。
 予定では、次回更新でちょっとひと息的に普通に日記をやって、その次からマリみてと夏目の感想を
 ひとつずつ書いて、それで一連のアニメオンリー更新は終了とさせて頂きます。
 時間めちゃくちゃかかってしまい、申し訳ありません。
 
 では、残りの感想を始めさせて頂きます。
 
 
 
 
 
 ◆
 
 ガンダムダブルオー セカンドシーズン:
 非常に誠実な、いえ、むしろ肉感的なラストだったと思う。
 誤魔化しがゼロだった、と言えば良いでしょうか。
 わからないものはわからないといい、悲観も諦観も懺悔も無く、ただずっと、たった一枚の薄い肌で
 世界と接し向き合っていく、それを覚悟などという「言葉」を振り翳すことも無く頼りもせず、ただ黙々と
 生きていく。
 優しさと労りの全くの無い、完全なる容赦の無い、まさに人が生きるということそのもののアニメ。
 もはや、この作品は如何なる概念にも、またかつてのガンダム作品にも囚われていないし反発さえも
 していない、自由とさえ言えない、ただ生きているラストになっていたと思います。
 締めの台詞も無ければ、まとめも無い。
 いらんよ、そんなものはね。
 そういうことをやれるほど、この作品がやろうとしていたものは、甘いものなんかじゃ無いと思いました。
 この作品には、「大人」がいない。
 いらんよ、そんなものはね。
 そんなものがいられるほど、この作品の世界はその真剣さを失ってはいない。
 だから私は、あのラストは非常に評価できる、いいえ、むしろ好感が持てるという甘っちょろい言葉で
 敢えて迎えても揺るがないくらいに、あの作品のラストには不動の真剣さがあったと思う。
 いちから考えよう。
 ほんとうに本当に、考えよう。
 どんな既存の道具を使ったとしても、それを使い考え感じている俺達は俺達だ。
 俺達がガンダムだ!
 とか刹那言ってましたよね。
 やり直し、じゃあ無い。
 だって、既存の道具の存在を否定したりはしないのだから。
 だから、新しく、その先へ、その先へいくぞ。
 視聴者への「配慮」はゼロ。
 上等じゃないの。
 既存の「自分」を守り満たしたいがためにこの作品を観るなら、駄作の烙印一押しで決着がつく。
 別にそれは否定しないし、むしろ人が生きていくためには必要な一択ではあるしね。
 でも同時に。
 そうでは無いものもまた、この作品のような清冽な真剣な「たったひとりの戦い」を、あくまで「自分」から
 の逃避では無く、その前進のために為そうとする、そういうものもまた、私達が生きていく上では必要な
 大切な一要素でしょう。
 どちらも必要。
 それは、常にすべての作品が両方を同時に満たすもので無ければいけない、というものじゃ無い。
 なんのために、男と女がいるんでしょ?
 なんで、刹那とマリナはあのような形で別の道を進み、ひとり立つことになったんでしょうか?
 私達は、私達ひとりひとりが両性具有である必要なんて無い。
 私達という、人間すべてで、男と女を含む、社会という両性具有になれば良い。
 だから、ときに清冽で激しく孤独な作品と向き合い。
 だから、ときに優しさと触れ合いと共感の作品と向き合い。
 それで丁度、バランスが取れる。
 わかり合っている必要は無い。
 ただ。
 わかり合うとして、必死に向き合おうとし続ける、そのために無数の「私」という「ひとり」がいる。
 人間は矛盾してて当然。
 だって、その矛盾を解消していこうと思うためにこそ、矛盾しているのだから。
 みんながひとつになったって、気持ち悪い。
 ひとつになろうとして、目の前にその誰かがいるから、なによりも気持ちいい。
 私達がもし、ひとつになってしまったとしても。
 きっと彼らは、ソレスタルビーイングは、その外から、私達の目の前に現れる。
 私はこの作品のラストに、拍手以外に贈るものがあることを、知りません。
 
 
 
 みなみけ おかえり:
 もし私が無人島にひとつだけギャグアニメを持っていって良いと言われたら、間違い無くこの作品を
 選びます。
 ギャグ漫画だったら、よつばと!を持っていきます。
 そんな感じです。
 落ち着くのよ、すんごく。
 些細なことを丁寧にゆっくり広げて、ささっと軽やかに当たり前のように笑わせてくれる。
 ネタ自体の面白さでも無く、不条理さでも無く、そういえば天然もほとんど無いですね、ただちょっとした
 アイデアにほんのちょっとずつの力を
 加えることで、ひとつひとつ新しく「繋がっていく」面白さを生み出している。
 そう、繋がりなんですね、ネタとネタを繋げて、その繋がりを広げるだけじゃ無くて、そこから理屈的に
 深めて、なんだか変な感じにまとまってしまって、冷静に考えると、あれ?、でもまぁいいか、と微笑む
 ままに納得できるのが、このみなみけという作品の最大最高の魅力なんですね。
 だから、最終話や前作の「おかわり」でもやった家族的「繋がり」という、その感覚自体とも実は非常に
 相性が良くて、その相性の良さはネタ自体の面白さに頼らなければ、結構すっと気づけて体感出来る
 ことなのだとも思いました。
 春香と、夏奈と、千秋の三姉妹の、思わず笑ってしまうほどのそれぞれの理屈やぬくもり。
 それを如何に詭弁的に全部ひとつに「繋ぐ」のか、それがこそみなみけのあの暖かく知的な笑いに
 なっているんじゃないかなぁ、やっぱり。
 そういう意味で、だからあの第12話はいただけないというか、ネタ自体の面白さとそれの表現だけに
 頼ってしまっていて、すごく違和感を思えたのね。
 ネタ自体の面白さは変わらなかったけど、あきらかに他の話との掛け合い的繋がりとしての笑いは全く
 と言って良いほどにレベルが低くて、ちょっと勿体無かった。
 些細なものを些細なものとしての面白さで主張してるだけで、そのものをあらゆる視点からのものと
 ぶつけ合わせていく、その圧倒的な笑いの発展性が無かったし。
 
 まぁそれは置いといて。
 ていうかあれは、幕間芸みたいな感じで楽しめば良しかな。(いいのか)
 
 あとこの作品の命は、やっぱり間の取り方。
 無駄が無いのね、全然。
 無表情のままに見つめるツッコミ芸とか、一瞬のスベりの静寂を俯瞰的に天井視点から映してみたり、
 たとえばそういうのは、第12話における、あの標識のそれ自体にしか意味の無い比喩表現では無い、
 話のボケとツッコミの表現として描かれてる。
 全部が繋がっているから、ショートコント的な途切れも無いし、一見意味が無いようにみえる行為も、
 より俯瞰的に観てみると、いやそれ今のタイミングではないでしょそれは、という笑いであることがすぐに
 わかるし、それがひとつのボケの理屈の展開中に挟まれることで、そういう間の取り方としてのあらたな
 ボケを作り出していたり、そして今度はそのボケに対してツッコミが生まれたりと、もうみなみけは
 あらゆる状態でボケとツッコミが繰り出される状況にあるんですね。
 夏奈なんかひとりでボケてそこからさらに新しいボケを創出してるときもありますしw
 だから、この作品に感じられるものの最たるものは、可能性だったりするのです。
 些細なもののそれ自体の魅力の再発掘、では無く。
 些細なものの集合体である、あの南家のお茶の間という狭いフィールドの中では、それらの些細なも
 もの同士を掛け合い繋ぎ合わせていく、その妙を深めていくこと自体に無限の可能性が拓かれてる。
 だからある意味、キャラ自身の個人の内面なんか関係ないですし、そういう意味での個性も必要
 無い。
 
 ただあるのは、理屈のみ。
 キャラの数だけ理屈があり。
 その理屈同士を繋げていくことで、そのすれ違いっぷりや。
 そして、妙に互いが納得出来てしまう、おかしな理屈の合致っぷりが面白いという。
 ずば抜けた詭弁の魅力。
 みなみけを評するのに、それが最も適切な表現でしょう。
 そして、この第三期みなみけ「おかえり」は、その詭弁の連鎖が最も上手く機能していたシリーズでした。
 一番笑ったものね、うんうん。
 そしてまた、それら詭弁の語り手たるキャラ同士の「戦友」的ぬくもりが、特に今回は夏奈と千秋の
 「同志」としての繋がりが、姉妹として家族としてのぬくもり的繋がりとも深く結びついていて、見事。
 みなみけは、この人物の内面に依らない、存在同士の根源的な暖かみのある笑いだからこそ、
 無人島に持ってきたいのよ♪
 
 という訳で、みなみけおかえりには拍手喝采。お疲れ様でした。
 南家三姉妹それぞれの「キャラ」としての役割も、相当充実してきてました。
 春香の「番長」、夏奈の「馬鹿野郎日本代表」、千秋の「姫」。
 夏奈は笑いを繋げていくための空気読みの才能も開花しましたよねw
 それぞれがあくまでギャグの中でのそれらの「キャラ」を活かしていて、大変素晴らしかったです。
 うん、おかえり最高!
 そして無論、第四期も期待し過ぎて既に笑い始めていたりする私ですけれど、どうぞお願い申し上げ
 ます♪ww
 
 
 
 ソウルイーター:
 もう少しやりようがあったのではないか、というよりもう少しなんとかして欲しかったというのが正直なところ。
 きらっと輝くように風穴をあける勢いの、その輝く「深さ」はあったんだけど、それがあまりにも分断的すぎ
 て、全体の物語としての収束を欠いている。
 ある意味この作品は、前進や向上なんかなくても、既にひとつひとつの「答え」がそれで珠玉の輝きを
 持っているから、それを身につけるだけでもひとつの迫力あるファッションとして成り立ち得たと思う。
 だから、物語として、作品的なまとまりの構造に組み込んでこそ、その煌びやかさは活きてくるところ
 だったのに、どうもその物語がちゃんと成立していず、ただストーリーラインを行き当たりばったりで繋げて
 いるようにしか見えなかった。
 だから、ラストのマカのパンチは最高にカッコ良かったし意味深かったけれど、なんだかこう、スマートじゃ
 無い。
 その場限り過ぎた。
 要するに、ひとつのスタイルとして成立してない。
 私は、この作品が構想していた「ファッション」には共感を覚えるし、是非着てみたいと思ったし、その
 服に袖を通すことで魅せていく、自分自身の深化もひとつやってみたいと思っていた。
 でも、これは服としての作りに失敗していたと思う。
 パーツごとにバラバラで、私自身がそれを上手く合わせていくことで、なんとかするしかなかった。
 いや、他のものならそれでも良かったんですけど、このソウルイーターというデザイナーが考えたモノは、
 そのデザインのままに着てみたかったんです。
 ・・・・。
 ・・・・・・。
 情けない。
 言っててやっぱし、情けない。
 あーもー、作品のせいにしちゃって、まぁ!
 『違うよ。 マカのすごいところはもっと別の・・・・・この辺にあるんだ・・・』 by胸を指しながらのクロナ
 ・・・・。
 
 『あー・・・清々した。』 byマカ
 
 やっべ、最終回にシンクロしてきた。(笑)
 ファッションがどうこうとか関係無い、ソウルイーターが服飾的にどうこうとか関係無い。
 それをただそのまま着たいと思った私の気持ちがどうこうとか、関係無い。
 それはそれ、これはこれ。
 ソウルイーターはソウルイーターだろ、マカはマカだろ。
 あーもー、くっだらない。
 どうだっていいよ、そんなの。
 頭きた。
 ぶん殴る。
 わかんなきゃわかるようになるまで。
 服が服にならないんなら、服なんか着ないわよ。
 いや、服なんかいくらでもその辺にごろごろしてる。
 別に服否定する必要なんかないよ、着ればいいじゃん。
 ソウルイーターだって、それが服だって言ってんだから、着ればいいんだ。
 着てから、考える。
 そうすればわかる。
 勇気。
 
 着こなすか、着こなさないか、それだけが問題だ。
 
 なんだ、簡単じゃん、これ。
 ソウルイーター、楽勝じゃん。
 そりゃダサいとこはあるけど、ほんとにダサいのはそれをダサいとしか思えない私自身。
 あー私なにやってんだろ、基本中の基本じゃん、そんなの。
 個性の発掘と育成。
 それをただ、勇気って言う。
 ダサいものはダサい。
 そのセンス自体は間違い無い。
 だけど、存在するセンスは、それだけじゃないもんね。
 そして私は充分もう、そのソウルイーターのダサさの「カッコ良さ」をわかっている。
 ・・・・。
 問題なのはまぁ、私が今なにを言ってるのか自分でもわかんない、ってことなんですけどね。(マテwww)
 まぁ。
 
 『そんなこと、知るかぁぁぁーーーっっ!!!』 byマカ
 
 わからなくたって、関係ないですよね。
 わからなきゃ、わからないたびに、何度でもわかってくだけなんですからね。
 自分がもう、わかってるってことを、ね。
 なんも、わかってないってことをね。 (笑)
 
 
 
 地獄少女三鼎:
 怨みはなにも生まない。
 というのは嘘。
 その嘘を吐かなければ生きていけないほどに、人は弱く脆い。
 だからこそ、その弱さ脆さから脱するためにこそ、人は怨みを捨てない。
 怨みは憎しみは、人が強くあろうとするための、希望。
 そして、世界と、そして自分への愛。
 ・・・。
 この作品はそうして、あっさりと人間の弱さをえぐり出す。
 こうして怨みを正当化する弱さをさえ描き出す。
 怨みを晴らすとか我慢するとか、そういう次元の話はもとより、なにが罪であるのかなどという次元の
 話をしてさえも、それらを材料として、そういう議論にうつつを抜かす人の弱さを創り尽くす。
 人間とは不浄でどうしようも無い存在だ、と言うことしか出来ない、愚かな人間。
 怨みを捨て復讐を諦めて真っ当に平常に普通に生きるべきだ、と説くことしか出来ない、弱い人間。
 延々と、延々と描き出す。
 この作品はなにがやりたかったのかと問われれば、私はこうひとつ、答える。
 徹底的に、人間を見つめようとした、ただそれだけ、と。
 そして私達視聴者は、そこからなにを考えていくのかと問われれば、私はこうひとつ、答える。
 私はそうして見つめた私を、どう生きていくのか、と。
 
 怨みって、なんだろう。
 
 それを考えずにはいられない。
 それはとても、とても大切なものなんじゃないだろうか。
 怨みをどう扱うかでは無く、その怨みとずっと向き合っていくことでしか、わからないものがある。
 怨みがこの世界から消さなくてはならないものなら、愛もまた消さなければならない。
 地獄少女閻魔あい。
 「あい」なんですよね、名前が。
 最終回でやっと気が付いた。(笑)
 怨みや愛の存在を肯定することと、怨みのままに愛のままに行動することはイコールじゃ無い。
 怨みと愛は渾然一体、すべてが混ざり合って出来ている。
 不条理なんて端からありません。
 ただただ、情理があるのみ。
 己の怨みと愛をみつめ感じ、そしてなによりも深く考えていくことで、己の理がみえてくる。
 なぜ、怨むのか。
 なぜ、怨みに身を染める自分を肯定しようとするのか。
 その怨みは、一体なんのためにあるのか。
 相手が怨みをぶつけてくるのだから、怨みで以て応えるのは正当だと、ただその条理に身を委ね、
 相手の怨みを肌で感じず、自分が怨まれる由縁を考えない、その自分は一体なんなのか。
 条理そのものは決して主体では無く、条理に身を委ねさせた主体がいるのみ。
 条理はあくまで、情理の下位にしか過ぎない。
 でもだからこそ、すべての条理は、その情理と向き合い、上手く付き合っていこうとする、必死な私達
 人間の主体があることを明らかにしてくれる。
 怨みを晴らすも、怨みを消すも、同じこと。
 ゆずきを抱き締めるあいの紅い瞳の中に、その人としての、命溢れる想いが濡れるようにして広がって
 いく。
 ゆずきの怨みが愛と同じものであることが浸みてくる。
 ゆずきが持ち得なかったものが、あいにはあった。
 あいが失ってしまったものが、ゆずきには染み付いていた。
 嗚呼
 怨めしい
 その怨みを、儚むも愚かしく思うも、無意味なこと。
 怨めしさがあるからこそ。
 持ち得なかった、失ってしまった、大事な大切な、愛の存在を証明することが出来るのだから。
 その愛が本物かどうか、それがわからない人間など、決して存在しない。
 人はもう、すべて答えはわかっているのよ。
 それが悲しくて、怨めしくて。
 だけどそれは。
 どうしようもない、全部自分がわかっているんだという、無限の愛と等しく繋がっている。
 『あなたは、わたしなのよ。』 byゆずきをみつめる紅い瞳の少女・閻魔あい
 地獄少女三部作。
 いえ続編もあるかもしれませんけれど。
 此処に大傑作として華開きました。 これは歴史に残るアニメです。
 なにももう言えることは無い。
 あとはただ、私達が考えていくのみで御座います。
 
 
 
 
 
 ◆
 
 今期開始のアニメのプチ感想がまだひとつ残っていましたので、最後に。
 
 
 
 
 東のエデン:
 全裸王子wwwww白モザイクが眩しいwww
 度肝を抜かれすぎて、でも落ち着けるかと思えばそのまま上にコート羽織って街をまっすぐGo。
 普通に楽しいww
 だけどま、その変態さを楽しむ訳じゃ無く、それなのに平然と軽快にやることやって次に進んでいく
 感じがすっきりしてて良い感じ。
 というか、全裸王子に怯えて動じながらも、少しずつ落ち着いて向き合ってける、あの女の子のリアル
 な余裕さが、勝手に進んでいく物語を私達と一緒に追い掛けてく感じが出ていて、なんというか、
 どきどきとするスリルがありますね。
 まるで主観カメラの位置で街中を走っていくような感じで、次にどんなことが起きるのかということを
 考えている暇が無いほどに、真っ直ぐに目の前のことに追い詰められていく。
 だから、不審者以外のなにものでも無いあの王子wと向き合い、一緒に行くことが出来るんでしょうね。
 あの女の子自体もピンチな訳で訳わかんなくて、その中でおかしいんだけどかなりしっかりして落ち着い
 ちゃってる(軽さもあるし)男性の重力圏内と触れ合えば、しぜんそれを拠り所にして歩いてくことは
 出来るだろね。
 だから、あのふたりのやりとりは違和感があるようで、違和感が無い。
 女の子に全裸王子wと向き合える大人な余裕はあるんだけど、でももう一方でその余裕さを支えて
 いるのは、ちょっとしたトラブルが大きく傷を広げていく前にそれを防ぐ形になった、その王子との「異常」
 な出会いそのものにもあったりする。
 小さなトラブルに向き合って不安定になりかけてた自分の前に、それ自体が大きなトラブルなんだけど
 妙に安定している男が現れたら・・・・
 女の子の肩にまわしてく男の手とか、それにくるりと回らされたりとか、年齢不詳が同い年だとわかったと
 きの感触とか、王子様とか、まぁ女の子的な感じが、ドリーム的にでは無く、すっと描かれてて。
 そういう意味では、すごくリアルな作品だし、だからこそ王子がなにをするかわからない予断の無さと、
 そして王子自身も記憶を失っていて、だけど何者かに与えられたものを回収して自分になっていかざる
 を得ない、その状況に対する意志の確かさが、とってもファンタジックで、そしてなにより希望のある
 感じになってて、これは是非観ていきたい作品ですね。
 日本の重い空気がどうのこうの、誰かに頼る頼らないのと、そういうテーマ的な感じとの溶け合いも、
 ナイスよ、ナイス。
 
 
 
 
 
 と、いう感じでした。
 以上で終了です、お疲れ様でした。
 では、次回より通常営業を開始させて頂きますので、どうぞしばらくお待ちくださいませ。
 
 
 
 
 

 

-- 090412--                    

 

         

                             ■■ 前期と今期のお話 3 ■■

     
 
 
 
 
 はいごきげんよーそのまま書きますよ。 (書き書き)
 
 あすみません今日はちょっと時間が無かったので、前期アニメの感想は無しで、今期アニメの感想
 だけにさせて頂きますすみません。
 ということで、今日もよろしくお願いします。
 
 
 
 
 ◆
 
 夏のあらし!:
 これはなんだか、えもいわれない面白みがありますね。
 色気があるというのかなんというか、一見雑だし露骨なとこもあるんだけど、全体的に、んー、抽象的
 な言い方ですけど、きちんと綺麗に畳まれて仕舞われているような感じがありました。
 なんだろ、清潔な感じがするんですよね、OPとかやばいのにw、うん、夏なんだけど開放的では無く、
 かといって引き籠もってる陰湿さも無くて、さっぱり洗濯掃除されてる白いシャツが気持ちいいみたいな、
 んー、太陽の下の白ワンピで日傘なそういう系のあれでは無いですね、もっとこう、ね、もうなに言ってんだ
 か全然わかんないでしょ?(うんちょっと落ち着こう)
 主人公の男の子の粗雑さも粘着質では無くて、だけど子供っぽい快活さとは違う、なにか豪快な悪質
 さがあって、無邪気にひどいことエロいことしそうで(ぉぃw)、だけどそれなのに割と純情そうでもあって、
 んでヒロインの子も奥ゆかしいんだか距離空けてるだけなんだかわかんないんだけど、なにかどこか
 気が抜けてて、成り行きでどこの時代にも行っちゃいそう(タイプトリップモノみたいだし)で、だけど絶対
 に駄目なものとかもありそうで、うーん、その、全体的にだらしないんだけどまとまってるんですよね、割と
 綺麗に。
 そして、そんなものを全部棚の上に置いてしまって、なんか普通だったりする。 すっごいブレーキング。
 ・・・・・ほんと印象論しかないね、うん。
 でもまぁ、その辺りがあの映像とよくマッチしてて、良い感じだったとは思います。
 続きを観てみたいと思わせる作品ですね。
 
 
 咲-saki-:
 麻雀でプラマイゼロを三連続。
 要するに当たり障りの無い位置や引き分け狙いを徹底する主人公の子がいて、最初それと気づかず
 全国大会優勝少女が余裕で連勝してて、んで、あとでそのことに気づいてめらめらと闘志を燃やす。
 あーこういうの面白いね、引き分け狙いとかそういうの。
 あと、全国大会優勝少女は澄ました顔して控えめな感じだったのに、それを主人公の子にやられて
 一気に燃え上がるとか。
 いいね、あの子達の感じ。
 私もよく引き分け狙いとか、みんなが楽しめるように勝負の「調整」をやるけど、それをたとえば逆に
 やられたとき、どう感じるか。
 頭来ることは確かにありますね、嘗めんなよみたいな感じで。
 だけどそれ以上に、自分も同じように勝負の調整を、いえ、引き分けを「作る」ということが出来るくら
 いに強くなりたい上手くなりたいって思う。
 あの優勝っ子がどう感じたかわからないけど、ただ、悔しいとか主人公の子に本気を出させるために
 ムキになるとか、そういう風にならない方が断然面白い。 
 だって、少なくともあの主人公の女の子は、プラマイゼロを取ることにこそ本気を全力を出してるんだ
 からね。
 「勝負」とはなにか、っていうことを改めて考えていくような形になると、これはちょっといい感じに興味が
 持てる作品になりそうです。
 あと引き分けっていっても、十引き分けとか五勝五敗とか種類沢山ありますしね、要はどうすれば
 互いに「本気」を出して楽しめるか、ってとこがポイントなのですね。
 勝負をつけることばかりな作品が多いので、まそれはそれで良いんですけど、たまには違う視点で
 こういう感じでやってく作品をみてみたい。
 既にあの主人公っ子の姿勢には興味ありありです。
 ちなみに私は麻雀知識完璧にゼロです。 完璧です。(微笑)
 
 
 シャングリ・ラ:
 面白い。
 だけど、文句なく面白いって言ってあげたいんだけど、なにかこう、ひとつだけ足りない。
 なんだろ。わかんないや。
 面白いことは確かで、それは説明する必要も無いくらいに確かで、だけどそのなにかひとつ足りないもの
 がなんなのかはわからなくて、だから私はその足りないものがなんであるかこそを説明してみたい。
 が、出来ない。
 ううーん、なんだろ、マジわかんない。
 ・・・もしかして、足りないものなんて無いのかもしれない。
 そうしてなにか足りないものを探して、それが見つからないことを確信していく、そういう愉しみがある
 だけなんじゃないかなぁ。
 観てるだけで、面白い。
 だけどその手持ち無沙汰が心許なくて、語りたくて、だけどもう体は素直にこの作品の言うことを聞いて
 従ってしまう。
 迫力は無いんだけど、深く安定しています、この作品。
 だから・・・なんていうのかな、この作品が提出してくるテーマや謎なんかが、それを考えることに意味が
 あるのかどうか疑わしいほどに、この作品はもうまとまってしまっている、そういう印象を受けます。
 新しくなにかを考えていくのでは無く、ただこの作品の言っていることを理解していけばいい、あの緑深い
 懐まで浸みてくるような広がりのある世界を感じながら。
 ・・・・。
 あー、そこに私はなにか物足りなさを感じたのかな?(ぁ)
 でもま、一見の価値有りの作品ですので、お勧めです。
 
 
 蒼天航路:
 うわ来た。(なに)
 かなーり色々な意味でアニメ化を心配してたんですけど、随分とクールに決めてきていて、なんというか、
 ほっと一息、そしてほぅとさらに大きく息をつけるような出来でした。
 とにもかくにもリズムとテンポが気持ち良くて、さくさくと進んでいく感触が、知らずにこのアニメの提出
 する空気に馴染んでいく感じで、非常に上手く原作の肝のひとつを表現していました。
 原作の暑苦しさはちょっと置いといて、原作のその暑苦しさの後に来る清々しさをピックアップして、
 別の形で表現している感じかな。
 これでどうやってあの曹操達の深遠な決め台詞達を「キメ」ていくのか、大いに興味がありますね。
 「蒼」を様々に変化させて映像の中に取り入れている、その爽快感のままに、この作品の示そうと
 した、大三国志の本質の再解釈を、そしてそれに触れることで滾る熱き魂を、このアニメの作り出した
 クールな空気で、壮大に遠大に描き出していってくれると、これは大変素晴らしい作品になると思い
 ます。
 第一話の掴みや良し、いざゆかん蒼き第二話へ!
 ・・・・・酔ってへんよ?(ぉぃ)
 
 
 タユタマ:
 ぎゃー。
 ましろが可愛くて、可愛くて、やばいよまずいよ。
 『者ども、ちゅうもーっく! 私のこの白い髪、目に入らぬかぁ!
  私の目、黒いうち、人を襲う、絶対ぜったい許さなーい! どいつもこいつも覚えておくよーに!
  わかったら、解散。 大人しく、生きてけ。』
 うわ・・・うわ・・・(←駄目だこいつ)
 このましろは守ってあげたいですお世話してあげたいです。
 つか、ましろに退治されて平伏してましろましろと連呼合唱する大転衣(たゆたい)達萌え。
 ・・・・。
 つか、またケモミミかお前は。
 私にロリ属性は無いので、可愛いの意味は萌えとは違うけど、だけどもその耳は違うだろ、お前普通に
 そこにおもっきし目付けてんだろ萌えてんでしょ!尻尾とかやばいんだろ!
 ・・・・・・・たぶん。(ぁ白状したwww)
 ・・・まぁ落ち着こう、一晩経って大人(?)になったましろには反応しなかったんだから、あんたはケモミミ
 属性とは違うんじゃないのかな?
 あ、じゃあんたロリ属性か。(ちょ待www)
 ・・・やめときましょうか、萌え詮議は。(逃げよったww)
 まぁ、萌えはともかく、全然ともかく、『ましろは人と生きてくの。そのために生まれてきたの。ずっと一緒に
 生きてくの・・・約束・・・ずっと一緒・・・・』って言って力尽きて眠っちゃう神様の化身ましろに涙なのよ。
 この健気さっていうか抱き締めたくなるような孤独からの脱出というか、神様の本体(キクラミ様)のとき
 の口実的口上な人間との共存理論よりも、このましろの必死さが胸にしみてしみて・・・えぐえぐ(泣)
 もうあれですよ、こんなこと言われちゃったら、一緒に生きていかない訳にはいかないでしょ、ましろの
 きくらみ様の想いのままに約束のままに、そして私の想いのままに、神様達との共存を図っていくことに
 燃えない訳にはいかないっしょ!
 こういうの大好き、熱くって、それで静かに、どこまでも浸みてくるような愛しさって、ね。
 ・・・。
 あーましろまたちびっこくならないかなぁ。 (ざわざわ ぉぃ)
 
 
 リストランテ・パラディーゾ:
 wwww。
 ・・・・・。
 w w w w w 。
 これはひどい老紳士萌えアニメw容赦無いwww
 色気ありすぎでしょw冗談じゃないwやりすぎですwww
 あの男性達を観てるだけで充分なんて、これ、既存の萌えアニメの意味無いじゃないwww
 上品で洗練されてて絶妙な間の取り方で綺麗で静かでしめやかでetc。
 男の魅力のすべてを詰め込んで凝縮して磨き上げて、最後に油をじっくり落として出来上がり。
 やられた。
 これはこのアニメの勝ちですね。勝ちですよほんと。(なに)
 しかも第一話では「男達」っていう風景としてのまとまりだったのに、第二話で「男」として個別にどんどん
 と分かれていって、ていうかあの主人公の女の子は優遇されすぎっていうか、自由すぎっていうかw、
 逆にあの子の軽やかさが上手くこの作品の魅力を引き出してるとこはありますね。
 うん、これは面白い、面白すぎです。
 ていうか、やめなさい、こんなん作るの(褒め言葉ww)
 
 
 
 
 
 と、いうところまでで御座います今日は。
 ほんとすみませんこれだけで。
 おそらく次回で、前期と今期のお話は完了できると思いますので、どうぞよろしくお願いします。
 さぁて、寝るぞーっ。 (ばたんきゅう)
 
 
 
 
 
 
 

 

-- 090410--                    

 

         

                             ■■ 前期と今期のお話 2 ■■

     
 
 
 
 
 ごきげんよう。
 
 さて、今日も今日とて、失礼ながら挨拶もそこそこに始めさせていきますよ。
 
 とその前に。
 狼と香辛料
 今週の水曜から、第一期の再放送が始まったのですが。
 ちょっとリアルタイムで観てみたら。
 やっべ。
 持ってかれる。
 
 これは、まずい。
 魂、持ってかれる。
 
 久しぶりに観たら、前よりもっと好きになってました。
 いや好きっていうか、むしろすごかった。
 これは客観的に観ても、狼、圧倒的じゃね?
 改めて観てみて、この作品のクオリティと言っていいですけど、それ、滅茶苦茶高いですよね?
 好き好き言ってて盲目んなってて実はあんまし良くわかってなかったんだけど(ちょw)、今ははっきり私が
 大好きなこの作品が、すっごい美人さんだってわかります。
 盲目ゆえにあばたもえくぼ(ぉぃ)な感じでしたけど、よくみたらあばたなんかねーし。
 超絶だし。
 やっば。
 これまた恋しちゃいそう。
 ということで、前半まで観て、テレビの電源落としました。
 これ以上観てらんない、こんなん観たら、他のアニメ観られなくなっちゃう!
 それほどのものでした。
 つかまぁ、狼と香辛料観てない人は是非観て頂戴、っていう露骨な宣伝な訳ですけどww
 
 そして観てみた人は私の感想とか暇なら読んでみてくれたら嬉しいな。(ちょwおまw便乗ww)
 過去ログの08年1月4月にありますので、よろしければ。
 タイトルに「狼」の文字が入ってるのが全部そうです。
 
 
 んじゃま、そういうことで、改めまして前期アニメの感想から。 (挨拶無しで宣伝だけかよ)
 
 
 
 
 ◆
 
 クラナド アフターストーリー:
 途中まで観て、途中から観なくなって、また途中から観て。
 ごめん。
 正確に言えば、最初の方だけ観て、そのあとずっと観なくなって、また最後の方だけ観た。
 話で言うと、サッカー部編まで観て阿呆らしくなって切って、だけど渚に良く似たちっちゃい子が
 朋也と旅したり朋也がとーちゃんとシンクロしたりとかその辺りの話を偶然観て号泣、視聴再開。
 うん。
 あ、全部観てた人はわかると思うけど、この私の見方だと、この作品はすごい隔世感w
 いつのまにか渚が亡くなってて、いやそれ以前に朋也と結婚してるし、おまけにあのちっちゃい子は
 娘?、なんの冗談ですか、ってw
 とまぁそんな訳なので、私にとってのこのアフターストーリーは、朋也と娘の汐のふたり旅からです。
 で、号泣。
 やばい、朋也の心情がぐっと流れ込んでくる。
 そしてさらにその後のとーちゃんと対面で、とーちゃんの心情とそれを受けての朋也の心情が、って、
 心情心情語彙無いな私。
 馬鹿だよね、朋也も朋也のとーちゃんも。
 なのに頑張って頑張って、頑張ってるだけじゃ駄目だってわかってるのにとーちゃんは頑張って、朋也は
 駄目だってわかったからこそ逃げて、なのに、ふたりとも、父親というなにかを背負うものがあるひとりと
 して、どうしようもなく繋がっているものがあって。
 ボロボロのヨレヨレで、たぶん頭が悪い訳じゃ無くてほんとは凄く賢い人かもしれない人が、ただ頑張って
 なんで頑張ってるかもわからないくらい頑張って、ほんと馬鹿よ、殴ってやりたくなるくらいに馬鹿だよ、
 同情も賛成も賞賛も出来ない、罵倒と叱責でしかそれと向きえない、だけど朋也はわかっちゃう。
 わかっちゃうんだよね、大切なものが、なによりもなによりも大切なものがあったんだってと−ちゃんには、
 って。
 どんなに文句言えたって、おかしくたって、息子の朋也にとって、とーちゃんの大切だった息子の朋也に
 とって、人生すべて息子のために使った馬鹿親父のことが、わからない訳なんて無い。
 そりゃ泣くよね、朋也くん。
 『長生きしてくれよな。』by朋也
 あー、某御方が親子萌えとか推奨なの、少しわかった気がしましたwww
 いえ・・・
 また泣いてんですけど・・私・・・・はは・・・・・(泣き笑いw)
 なんか、この作品の、こういうところは凄い、凄まじいなって思います。
 何度でも、自分の大切なものとむき直させる力、感動、それがありますから。
 ありがとう、クラナド。 (割と素直に)
 
 
 
 天体戦士サンレッド:
 やっぱりこの作品の一番面白いところは、正義のヒーローと悪の結社の方々が普通に生活してる
 ところ。
 そう、別に普通の人としてでは無くて、あくまでヒーローはヒーローのまま、あのカッコのままヒーローの
 まんま生きてるし、悪の結社の方々も、ちゃんとヒーローと戦ったりしながら、ご近所づきあいとかも
 和やかにやってるの、勿論あの怪人のカッコのまま。
 変身とか無いものね、だから。 隠してないんだよね、ヒーローであること怪人であることを。
 もしヒーローが、悪の怪人がそのままこの社会にいたら、どういう風に生きていくんだろ、周りはどういう
 反応になるんだろうとか、その辺りを良くネタとして昇華してやってました。 
 上手い。
 この作品を評するには、その言葉が一番です。
 レッドの彼女のかよ子さんも良い感じに、ヒーローの彼女としての三十路前の女をやってたし(笑)、
 かよ子さんと悪の親玉ヴァンプ将軍との当たり前過ぎる交流とか、そしてなにより、ヒーロー対怪人の
 そのバトルそれに関するヒーローと特に怪人の思い入れが面白く正直に綴られていて面白い。
 最終回のヴァンプ様達のレッド擁護の演説は絶妙でしたw
 あれ、ヒーローに対してとしては賛辞なんだけど、普通の人に対してとしてなら中傷モノだけどwww
 ナイスサンレッドw
 是非是非、第二期をやって欲しい作品ですし、また、この作品に刺激を受けて新しい発想でアニメが
 作られていくようになれば嬉しく思います、サンレッドファンとしてw
 
 
 
 黒執事:
 シエルの選択の是非を問うことに意味はあるだろうか。
 ある。
 シエルの選択の是非を問うことに意味があるだろうか。
 ない。
 意味はいくらでも作り出せるけれど、今の私は意味を作り出すつもりが無い。
 ゆえに、ない。
 生きるを選ぼうが死ぬを選ぼうが、それはどちらも同じこと。
 むしろ目を向けるべきは、シエルはなぜ、「選択」することしかしなかったのか、だ。
 いや。
 そう問うた瞬間に気づく。
 シエルは本当に、なにかを「選択」したのだろうか。
 したのだろう。
 選択を放棄するがゆえに、当初の契約をそのまま遂行したようには見えなかった。
 シエルは死を選んだ。
 自分とはなにかと問い、僕はシエルファントムハイヴだ、と答えた。
 そのシエルファントムハイヴの名を新しく創造せず、古き良き愛しき名としてのその名を纏い、
 その名を背負うものとして、生としての死を選んだ。
 その是非は問わない。 問う意味が今の私には無い。
 ただ、その名を背負うのが誰なのか、それをシエルは決めた。
 復讐を果たしたのなら契約に基づき悪魔のセバスチャンに魂を渡すべきだ、と。
 それは契約があるゆえにでは無く、そう契約した自分がいるがゆえに。
 そして今もその契約を支持する自分がいるかどうか。
 
 『悪魔で執事ですから。』 byセバスチャン
 
 『そう、ただのシエルファントムハイヴだ。』 byシエル
 
 ではなぜ、自分は今もその契約を支持するのか。
 それは、自分が子供だから。
 静かに、けれどうっすらと逃げ道を残していくかのように傅く黒い執事を観ていて、そう感じた。
 セバスチャンは悪魔であり、そして執事でもある。
 けれどシエルは、約束を違えぬ気高きシエルファントムハイブでいるためにだけでしか、皆の中で生きられ
 る、真実優しい坊ちゃんでいることができなかった。
 シエルはゆえに、セバスチャンを、悪魔としてあらせるためにしか、執事とさせることが出来なかった。
 あくまで、執事であるのに。
 最初から、セバスチャンはそう言っていた。
 けれど。
 あのセバスチャンの顔は、嬉しそうだった。
 セバスチャンは、悪魔で、執事。
 悪魔でもある。
 坊ちゃんがそうお望みであるのなら、私は完璧に応えましょう。
 悪魔の快楽を、生きてきたことを、いえ、死ぬことすら忘れるほどの痛みで葬って差し上げましょう。
 それは嫌味でも当て付けでも無く、真実の悪の微笑。
 あれが、あの最後の壮絶な悪魔の微笑みこそが、この「黒執事」という作品の最高点。
 セバスチャンは完璧。
 執事として、あくまで主人を満足させる最高の職人。
 そこに善悪は無い。
 いや、善悪すらも主人の愉しみに供することが出来るのだ。
 イエス、マイロード。
 つぶらな子犬のように震えるシエルの瞳。
 自らが自らを越えられない、子供で不器用でどうしようも無い、今の自分のままに動くことしかできない、
 その圧倒的な悲しみと憂いと、そして救いを求めるあの青い瞳。
 けれどその唇は、絶対にたすけての四文字を刻むことは無い。
 嗚呼
 なんて可愛らしいのでしょう。
 
 『では、坊ちゃん。』 by悪魔で執事
 
 ・・・・。
 やっぱ私、Mだなぁ
 
 
 
 屍姫 玄 :
 勿体ない。
 ああ勿体ない勿体ない。
 だから絶対七星の話に絞り過ぎだって言ったのよ! (言ってない)
 メインテーマの死と生が、ただ憎しみとか呪いとかの話にすり替わってしまうだけで、そして最後に
 ちょっとだけ決意表明みたいな形しただけじゃね。
 形自体は良いんだけど、少なくとも私が満足するほどの「なにか」を導き出せたとは、或いはその
 レベルまで到達していたとはとても言えない。
 憎しみとか呪いを使って、どう死と生と向き合いどう考えていくのか、というのが重要だったんですけどね、
 どうもその憎しみとか呪いがそのまま憎しみとか呪いのまんま展示されてるみたいな感じで、制作物
 じゃ無くて道具展示してどうすんのよ、みたいな感じになっちゃってたんよね。
 もっと考えること、感じるべきこと、あるんじゃないの?っつーか。
 折角道具は沢山生み出して、これを全部使って作れるものはどんなものになるのかと期待してたんだ
 けど、そのまんま。
 うーん。
 うーん。
 基本的に、旺里と眞姫那の対面が、圧倒的に無さ過ぎる。
 旺里個人の、眞姫那個人の、その個人の観点からの思考と感情の深化が為されず、ただそれぞれ
 の表面的に現れて来た姿の、その繋がりの整合性を付けようとすることだけで終わってしまってる。
 これじゃ「屍姫」という作品が持つ本質的なものを描き出すことは出来ないよ。
 いや、だからこそ、その表層的だからこそ本質に至れない、と言ってしまう自分の浅はかさこそ本質と
 繋がれない、ということはあるんだけど・・・・だけど、勿体ない、この作品は表層的に終わらずに済む
 ほどの、誰がどう見ても圧倒的に本質的なものを描き出す作品になれたはずなのに・・・
 勿体ない。
 という、その私の執着が私の目を曇らせてる訳ですけど。
 んでも、その執着の中からこそ、なにか見えてくるものがあるはず。
 うーん。
 私はあれを観て、なにを感じたんだろう、なにを感じられるんだろう。
 
 そう考えて、眞姫那は、ある意味で仕切直しに向かったんじゃないかなぁ。
 
 なんつーか。
 自分が囚われているものから脱したことによって、その脱出そのものに囚われていることに気づくみたいな。
 文字通り、私達の戦いはこれからだ、みたいなラストだったけど、ほんとそんな感じかも。
 むしろ、「屍姫」というのは、そうして私達自身こそが、この「屍姫」という作品が提出する生と死の
 問題とその解答までの物語を観たいと、それに囚われていることを示したかったのかもしれない。
 うん、なんかラストで、眞姫那は一番最初に旺里と出会ったところに戻ったような気がするの。
 なんにも解決してない、なんも変わってない。
 そう、沢山のものが解決して、沢山変わった自分のままに眞姫那は考えてる。
 それはさ、沢山のものが解決してる、沢山変わった自分がいることよりも、なによりも、それでも
 なんにも解決してない、なんも変わってない自分がいることの方が重要だってことを描いてる気がする。
 終わっちゃいないわよ。
 解決したって、変わったって、そんなの関係無いのよ。
 安心? 安堵? それが一体なんなの!?
 安心したいから、安堵したいから、誰かに受け入れて欲しいから、だから生きるの?
 違うわよ!!
 だから眞姫那は戦う。
 うん。
 なんかわかった気がした。
 なにか解答を得ること、なにか変わるためにこそ、眞姫那はずっと今まで戦ってたんだって。
 でもたぶん、その先で得るだろう解答と変化にこそゴールを求めている、その自分を感じたんじゃない
 かな。
 
 だからこそ眞姫那は、「屍姫」という作品は、敢えて表層的に物語的に早々に決着をつけたのかなって。
 
 『思い出せ。 お前も人間だということを!』
 『私は戦う、生きるために。
  私は今、生きているか? 
  生きている、生きている、お前も、私も、生きている!』 by星村眞姫那
 
 ああ
 そうか
 これだ これですね
 私がこの星村眞姫那という人物に惚れた理由は。(ぉ)
 眞姫那は眞姫那、物語的に言語的に生と死の問題を考え解答を得たとしても、その解答それ自体
 が生きてる訳じゃ無い。
 普通の女の子として、みんなに受け入れられ、静かに余生を生きていくことが出来るようになっても、
 そのこと自体が生きてる訳じゃ無い。
 ただそういうものを擬人化して、自己同一化させて、自分が生きているように感じてるだけ。
 生きてるのは、眞姫那。
 すべてを感じて生きている、眞姫那、ただひとり。
 眞姫那は、得た回答と穏やかな生活も捨てない。
 全部持っている。
 持っている、その眞姫那が、此処にいて、そして。
 「解決」されたものとして消化された、原石としての問題も、眞姫那は背負ってる。
 何度でも、向き合ってく。
 ひとつの解答だけで、終われる訳無い。
 ううん。
 私が生きてる限り、それらの問題は消えない。
 ううん、違うわ、旺里。
 それらの問題と向き合い続け、戦い続けるのよ、私は。
 生きるために。
 名作ですね。
 真の戦いを見つけ出す作品です。
 はい。
 「屍姫」は、紛れもない、超挑戦的意欲的な、稀なる名作です。
 またひとつ、私のアニメの評価の仕方が増えました。 嬉しいな♪ (調子乗んな)
 
 
 
 
 ◆
 
 で、次は今期アニメの感想。
 あれからまだ2つしか観てません面目次第も御座らん。
 
 
 
 
 戦場のヴァルキュリア:
 ちょwww
 ツッコミどころ多すぎwwというかこれは笑っちゃいけないwww心の中でそっと突っ込むだけにしとこうww
 ということで、色々とキャラの思考がおかしかったり、やりとりが不自然だったりするのに、なぜかそのまま
 でも優しくまったりとまとまっているので、邪魔しちゃいけない、というか私も取り敢えずツッコミいれなが
 らも、それも含めてまったりとだらだらと付き合っていけたらいいなって、そういうなにより私自身の気持ち
 を穏やかにさせてくれる作品でした。
 ごめん、これ悪口じゃ無くて褒めてんだからね、一応w
 面白いとか面白くないとかじゃなくて、ただちょっと一緒にいたい、そう思わせてくれる、変な暖かみの
 ある作品でした。
 まぁ、ツッコミ感度(?)を下げれば、ツッコミ入れなくても、それとして観ることも出来るかもしれないけど
 、これは私的にはツッコミいれながら観た方が楽しいと思います。
 なんか微笑ましいのよ、この作品。
 ちゃう、香ばしいちゃうw
 
 
 神曲奏界ポリフォニカ クリムゾンS:
 これは・・・どうかと。
 前作の方が良かった気が・・・
 う、うーん・・・
 どう観てよいのかわかんないまじわかんない・・
 お前の歌を私だけのものにしたい、っていうのが、そう精霊さんに言われたあの男の子の欲望として
 だけしか描かれていないように見えてねぇ、今のところ。
 前作のときはそれを上手く広げて深めてたんだけど、うーん、まぁ、まだこれからかな。
 逆に考えれば、このその男の子の自分が認められ独占されるという、その原初の欲望から始まって、
 じゃあそこからどうなっていくのか、っていうのをやっていこうということなのかもしれないしね。
 あの主人公の男の子の卑屈さ、身勝手な弱者の論理が認められ、認められたからこそそれが叩き直
 されていく感じになっていくのかな、いやまぁ、それだけじゃつまんないけど。
 うん、だからこその、あの男の子フォロンが、フォロンであるということがどういうことであるのかとか、
 そういうこともばっちしやっていって欲しいな。
 そのための精霊コーティカルテの、威力ある暴れっぷりに期待しています♪
 望むなら、それくらい望みましょうぜ。 (強欲w)
 
 
 
 
 
 と、今回は以上ここまで。
 すみません、今日は時間無いので、ほんとここまでで。
 では、また次回。
 
 
 
 
 

 

-- 090408--                    

 

         

                             ■■ 前期と今期のお話 1 ■■

     
 
 
 
 
 どうも、紅い瞳です。
 すっかり春の陽気で、いよいよ新年度も回ってきた今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。
 
 私はと言いますと、現在アニメの感想を書くことに没頭しています。 脇目も振りません。
 夏目とマリみての感想を書き終え、自分的にはほっと一息ついてるところなんですけど、他の前期
 残りと今回開始のアニメの感想も続けて書き出すことになっていて、エンジン切れた状態なのに
 フル回転で書いてたりします。
 それ、空回りって言わない?
 正解です。
 
 
 ◆
 
 ということで、夏目とマリみての感慨とかに耽ったことをだらだらとお話するつもりだったんですけど、
 とにかくもう他のアニメのことずらっと書いてて分量的にも気力的にも一杯ですので、その辺りのことは
 それらの感想がすべて終わったあとに書きたいと思います。
 で、一応今後の更新スケジュール。
 今回を含め、三回くらいに渡って前期今期アニメの感想を書きますってそんなにやるんかい、いや
 今期はともかく前期のはしっかりやるとそれくらいになっちゃうのよ、で、そのあとに、夏目とマリみて
 それぞれ一回ずつ更新を使って、まとめ感想をそれぞれやりたいと思います。
 事務的な潤いの無いことばっかですみません。
 ていうか絶対これ、アニメの数多すぎだって私。
 今期からもうちょっと削ってこうな。
 
 ・・・・・・。
 
 
 
 
 ◆
 
 では早速、前期アニメの感想から始めさせて頂きましょう。
 今回は、とある魔術、まりほり、とらドラ、Genji、の感想をやります。
 残りはまた次の更新以降で。
 
 では、改めまして、始めます。
 
 
 
 
 とある魔術の禁書目録:
 『星の数ほど信念があるってことは、お前がお前の中にある自分を止めて欲しいって気持ちを理解
 出来てるって訳か!』 by上条当麻
 なんでこのアニメを観てると安心できるのか、落ち着けるのか。
 それはきっと、「当たり前」を徹底的に追求しようとする、その姿勢をなんとかして捻り出そうとしている
 から。
 変な奴ばっかりです、この作品に出てくる奴らは。
 なのに、誰もが孤立を選ぼうとし、そして独りだけで全部背負おうとして、やたらどいつもこいつも良く
 喋る、喋る。
 語り口や語り方、言葉遣いも様々そして珍妙オンパレードで、ひとりとして同じようなキャラはいない。
 おまけに、キャラのひとりひとりが、みんなちゃんとキャラ立ちしてる。
 個性で満ち溢れてるし、そしてその個性を背負った人格あるキャラとして描かれている。
 なのにこいつらみんな、おんなじにみえる。
 どいつもこいつも、「なにか」を強く意識してる。
 自分が、「異常」なのだと、「普通では無い」のだと。
 逆にいえば、「正常」と「普通」というものばかりを見て、それに囚われている。
 その囚われている対象に無理矢理入り込もうとしたり、その中に居続けようとする妄執に囚われたり、
 その中にいられない自分を悲観したり、その中にいる人達を守るために自分を犠牲にしようとしたり。
 こんなに個性溢れ、みんなそれぞれの自分を持っているのに、そうして皆、そういうものに囚われている。
 「優しい幻想」。
 それを、上条当麻はぶっ壊す。
 お前が其処にいて、俺が此処にいる、それが正常で、普通で、当たり前のことだろう!
 この作品が幻想と呼び慣わしているものは、「正常」とか「普通」とかそれそのものじゃ無い。
 それらのものの前にいる自分を消して、ただ「正常」とか「普通」というものだけしか無い世界、
 そしてそれに機械的に奉仕したり怨んだりするだけの亡霊としての自我、それらを幻想と呼び、そして。
 上条当麻は、その力強く挑発的な言葉と、そしてその拳で幻想を打ち砕く。
 ちゃんと自分を生きろや!
 亡霊として消えた自分を生きることに、絶大な違和感を感じているからこそ、その違和感を消すため
 にこそより幻想を拡大深化させていくキャラ達に、次々と拳を打ち込んでいく。
 ひとつの感情があれば、それは必ず同時にそれとは違う感情、或いは真逆の感情があることを表す。
 
 人間とは矛盾した存在、そしてだからこそ、その矛盾を消すために自分を消して亡霊となり、
 矛盾しない「なにか」に自分を託そうとしてしまう。
 
 だったら、その矛盾が矛盾で無いようにすりゃいい。
 感情がひとつじゃ無いんなら、全部の感情を拾って引き受けても揺らがない、強い自分になりゃいい。
 捨てんなよ、矛盾を、違和感を捨てるなよ!
 そしてゆっくりと、あの世界の中のキャラ達は、矛盾が矛盾で無いようになるために、ひとつひとつの
 自分の感情と向き合い、それらをひとつひとつ齟齬の無いよう満たしていく。
 とある感情があるのは当然、だけどそれを無限大に放出していいかどうかとは関係無いだろ。
 とある感情があるんなら、それと真逆の感情があることと、それとも向き合ってる自分の存在を無視
 すんなよ。
 自分と向き合え。
 この作品が提出するメッセージはただひとつ、それだけ。
 それゆえに、安心し、落ち着ける。
 そうやって誰もが、自分と向き合い、ひとつひとつの矛盾を統一していくために戦っているのだと感じられ
 るのだから。
 だから。
 「正常」とか「普通」とか。
 みんなへの優しい気持ちが存在することに、意味があるんじゃないかなぁ。
 
 
 
 まりあ†ほりっく:
 一体誰が想像したであろうか。
 か な 子 さ ん が ノ ン ス ト ッ プ の ま ま 最 終 回 を 迎 え る と は  www
 いや、確かにかな子さんの圧倒的な潜在能力の高さは露わでしたよ?
 でも、絶対途中でシリアス的にストーリー的に、なんかそういう感じで成長とか変化とかするのかなと
 思ってて、だからかな子さんの潜在力が十全に発揮されることは諦めてたんですよ?
 それがあなた、ノンストップ。
 ていうか、むしろ最終回が一番ぶっちぎってるwwwあり得ないwwwGJとかそんなレベルじゃ無いwww
 もう鞠也さんと茉莉花さんも諦観モード入ってるしwwwなにこのかな子さんの天国ぶりはwwww
 全力過ぎるwww制作陣の本気さしか感じられなくて困ったwww大いに困ったwwww
 あー・・・・・・笑った・・・笑い泣きしたよ・・・・・ギャグアニメ史上最高に泣いたよ・・・・あはは・・・(疲)
 シリアス完全ゼロ。
 むしろ、シリアス展開を匂わせといて、全部それ踏み倒してジャンプ!
 ・・・・。
 あの、これ、確か百合趣味少女と女装少年が出会って、それぞれが成長したり矯正したりするとか、
 そういうお話になるんじゃありませんでしたっけ?
 もしくは、それぞれの家庭事情とか、特に鞠也なんて滅茶苦茶意味ありげでしたでしょ?
 そういうのを、あきらかにこれからやりますようやりますようと、そういう素振りを続けて。
 その果てのラストに、アレですか?
 かな子さんが女子高生の水着を見たいがために、欲情し過ぎて鼻血止まらなくなったりする困難を
 乗り越えて、プールに辿り着くまでの感動的物語、ですか?
 笑った。
 笑いすぎて、笑い続け過ぎて。
 
 自然に、ごくごく自然に、笑いが出た。
 
 完璧な笑いwwwww修行の結果なんか波動が出たみたいなwwww
 駄目ですwwなんでこんなに手抜かないんですかwwww期待以上過ぎて泣けて堪らないwww
 かな子さん凄すぎ。
 自分の欲望に忠実で、完全に忠実で、だけどやっぱり羞恥心とかもあって、常識とかもあって、
 そこでちょっと乙女ちっくに悶えてみたり、逆にそれで興奮して悶絶してみたり、そこで鞠也さんの滔々
 たるツッコミや、茉莉花さんの人格無視のツッコミでむぎゅうと潰されて止まったり。
 それが、ラストで、大爆発。
 ノンストップww
 うん。
 だからこれ、より第二期が重要になってくる気がする。やるのか知らないけどやるだろこれは。
 笑いはもう充分、って訳じゃ無いよ。
 ただ、こんだけ笑えることを、つまりかな子さんのさっぱりな感情と欲望を全開にしたことで、かなこの
 その笑いがかな子が抱えているだろうなんらかの問題とは関係無い、かな子独自の、かな子の本質
 としてなっていることがみえてきてる。
 だからこれ、もう、かな子の矯正っていう話には絶対ならないし、それはむしろ逆に鞠也さん達がツッコミ
 入れる際の口実としてこそ、一番意味のあることにしかならないんです。
 かな子さんは百合でいいのよ、これ別にwwwいやツッコミは必要だけどwwww
 かな子さんの本質は百合っていうより圧倒的な馬鹿さにあると思うんですけどw、でもだからこそ、
 ただ百合というものがただの性癖のひとつとして認められていて、だからよりかな子というキャラを
 みみっちい「シリアス」で語ることをはね除けてる。
 鞠也さん達のツッコミこそが、それを切り抜けてこそこそ楽しむ、「秘められた」愉しみとしての百合を
 存在させるために、かな子さんにはくっついてる。
 うん。
 あくまでかな子さんはカミングアウトはしてないの。 知ってるのは鞠也さんと茉莉花さんだけだし。
 かな子さんは、全力でこそこそと百合的愉しみに浸ってただけwww全身全霊でww
 だから、かな子さんにとっては、自分が百合趣味であるということに、なんの苦痛も無い。
 問題無いんですね。
 
 だからこそ、二期での鞠也さんとの絡みが面白くなってきそうな気がするのよ。
 
 かな子さんの場合と同じように考えると、鞠也さんもなかなかのツッコミ対象な人ですけど、あの自信家
 ぶりは素晴らしいの一言ですはい、でもああして大きく構えられるのは、それはかな子さんと同じく、
 鞠也さんが抱えているなにかの反動とは関係の無い、鞠也さんの本質として既に成立しているもの
 ゆえに、安易にかな子さんの「百合」と、鞠也さんの「女装」を矯正していくという「シリアス」には、
 これもまた成り得ない。
 でも、だから、なんじゃないかな。
 そういうのとは全然関係無い、もっともっと深く、そして新しいものを、このしっかりとしたふたりだからこそ、
 見つけ出して作り出していくことも出来るんじゃないかなぁって。
 ボケとツッコミをしながら、ほんと漫才しながら、ふたりがなにかを高め合っていく姿が描かれていくと、
 これはアニメ作品として、最高傑作として名を残すことになるかもしれません。
 第一期は、「ギャグアニメ」と限定したものとしては最高傑作でしたけどね。
 ま、だからこの第一期の感想は、最高でしたけどね。 文句無し。
 第一期でこれだけ完璧に地盤としてのギャグを築けたのは確かなのですからね。
 あ、あとかな子さん・鞠也組の「百合」を基点としたギャグと、かな子とクラスメイトの「常識」を基点に
 したギャグの重なりも、結構面白かったですし、よりこの作品の可能性を広げてました。
 あのクラスメイトの中だと、かな子さんが割と常識的なのが笑えます。
 そして寮の部屋に帰ってきての、鞠也さん達の前での百合的鬱憤の爆発が最高な訳ですけどwww
 ということで、第二期には非常に期待しています。 ていうか作りなさいよ絶対!
 そして、第一期、最高の笑いをありがとでした♪ あなたがナンバー1です♪ >かな子さん
 
 
 
 とらドラ:
 このアニメは、一体なにをやったんだろうと、考えれば考えるほどに、色んな答えが出てくる。
 でも、その答えは全部バラバラで、どうしてもそれがバラバラのままでは答えとして不完全だと感じずに
 はいられなくて、だけどどうしてもひとつにはならなくて。
 だから、やめた。
 知るか、こんな作品。
 このアニメがどんなアニメだって、わたしにゃ関係無いよ。
 もうあれだよ、「とらドラ」なんて名前いらないよ。
 私には、この作品を把握することなんて出来ない。
 いちいちひとつひとつに突っ込んだり、感慨述べたり、文句言えたり、ハッスルしたり、意見したり。
 ぐちゃぐちゃ。
 私の頭の中、ぐちゃぐちゃ。
 なのに。
 
 なのにどうして、このアニメは、こんなにすんなり、物語り出来ちゃうんだろ。
 
 悔しい、のかな。
 負けた、って思ったんだよ、きっと私。
 アニメ作品としてのまとまりとか評価とか、そんなことは私にはどうでもよかった。
 そういうことじゃなくて、このアニメは、この中に出てくる人達は、なんかもう、ひとりひとりが自分で作った
 「物語」で、実に清々と、そして全力で現実の中を生き抜いてた。
 負けた。
 わたしにゃ、そのひとつひとつの物語の中身に、ケチつけたり拍手したり、そういうことしか出来なかった。
 負けた。
 何度でも言うよ。
 負けた。
 気持ちよく。
 精一杯に、負けた。
 それがたぶん、私がこのアニメを観ての、私の作った「物語」。
 へたくそでも、いびつでも、理屈的に思想的に反駁出来ても、感情的に納得出来なくても。
 そんなの全然、あの人達には関係無かった。
 私も何度も最終回観てるうちに、関係無くなった。
 「とらドラ」という作品を咀嚼して、なにか新しいものを見つけようとか、そんな意志を持とうとするよりも、
 私は完全にこの作品と共に、この半年間生きていた。
 だって、あの子達の描く個別の「物語」って、全然当たり前で、そのまんまなんだもん。
 あの世界の中で生きて、あの世界の中で叫んで、あの世界の中で、あの世界の中で・・・・
 ギャグも、ボケも、はっちゃけも、ナイスなセリフも、手乗りタイガーも、全部。
 全部、ぎりぎりのラインで、あの子達のものとして、生きてた。
 全然、全然、ギャグやボケもはっちゃけもナイスなセリフも。
 
 そして手乗りタイガーも、それらを観てる、視聴者のものにならなかったのよ。
 
 ネタじゃ無かったのよ。
 ほんとに生きてる。
 自分を感じるか、感じないか、それだけを私達に突き付けてた。
 私は、この映像を観て、私を感じることが出来なかった。
 いつまでも、ネタに頼って観てたから。
 オタ根性じゃ、この作品を見つめる自分を生きられなかった。
 やられた。
 馬鹿だ私。
 全然自分の姿勢を使いこなせて無いじゃない。
 負けた。
 気持ちよいけど、爽快感は無い。
 すっきりなんか、全然しない。
 うごうご、どろどろ。
 でも。
 それが、気持ちいい。
 戦わずして負けた、不戦敗な気分の、このどうしようも無い、雪辱感。
 次こそ絶対勝つ。
 怨念、無念。
 全部抱えて、私は頑張っていく。
 うごうごどろどろな自分から逃げたくない、すっきりしたいがために、誰かを愛するままに生きたいなんて
 思わない。
 戦いたい、もっともっと、見つめなくちゃ、向き合わなくちゃ。
 それが泥沼の道で、ぐだぐだでバラバラな答えの散らかりにしかならなくても。
 私は、私のひとりの戦いを、頑張りたい。
 それが、私の物語。
 
 そして。
 それが、手乗りタイガーという物語をひっさげた、
 逢坂大河の選んだ、今、その瞬間の連続なんだと思う。
 
 『そういう風に、出来ている。』 by並び立つタイガー&ドラゴン
 
 つーことで、とらドラのネタ話はっちゃけ話は、改めてやってきますよん♪ (チャットとかでよろw)
 
 
 
 源氏物語千年紀 Genji :
 孤独ですね。
 『なるがまんまに生きるのみ。』 by光君
 光君の浅はかさや、光君の感情の論理を読み解きながら、全部それらが彼の孤独との対面のための
 、そのひとつの杖となっている姿がみえます。
 その杖に取り付いて、そして優雅に悲しく舞を踊る。
 匂い立つような光、輝くような香りが、衣擦れの音なるままに、月光に照らされていく。
 自分がいるようで、いない世界。
 不思議なもので、自分に拘れば拘るほどに、自分が消えていることに気づく無常。
 光君は、感受の力豊かな人。
 けれど、それらを背負って立つ、そのような自分を見失っている方。
 貴女のために、また必ず戻って参りましょうと、姫達の潤いに満ちた想いに満たされ惹かれながら、
 けれど、その満ち足りた想いをすべて、愛という、言葉の和歌として姫達に贈ってしまう。
 だから、光君には、源氏の君自身には、なにも残らない。
 姫のために必ず戻って参りましょうという意志は、姫を慰める優しさとしてだけ、姫の元に置いてしまう。
 だから、光君は、なにも背負わないし、背負えない。
 だからいつまでも経っても、光君は自分をみつけられず、また自分になることも出来ない。
 そして、かといって姫達の方はどうかというと、これもまた同じ。
 光君のことを想い、さめざめと泣く、その自分を眺めながら、光君との再会までの時間を生きている。
 寂しい、悲しい、悔しい、光君様のことばかり、ああ、ああ、嬉しい。
 
 姫も、光君も。
 誰も。
 「自分」を求めていない。
 
 互いへの思い遣りの往還、愛のやり取り。
 そこに物語が生まれ、愛が生まれ。
 誰もが皆、それに縋り付いて、その縋り付いている自分をひたすら見失っていく。
 それは、愛のままに、想いのままに生きているとは言えない。
 愛を愛し、想いを想い、ただそうして触れることの出来ない「自分」に蓋をして。
 だからいつでも。
 その地獄と、隣合わせ。
 地獄の蓋が、いつでも開く可能性を恐れながら。
 孤独。
 なんて美しく、なんて儚く。
 なんて、罪なことなのでしょう。
 この作品は、この上なくも薄暗く、その薄暗さがあるゆえの、月光の美しさに満ち満ちている。
 陰鬱で陰影で、ひっそりと、陽射しを偲び、死んだものとしての、外の世界を想像している。
 罪をただ罪という。
 地獄をただ地獄という。
 罪を償えと、地獄に蓋をしろと。
 それそのものが、罪なのに、地獄なのに。
 
 だから。
 その本当の罪と、地獄を。
 罪と、地獄と、言わずに。
 愛を、想いを綴るのですね。
 
 儚くも、逞しい。
 物語を描きながら、その中で生きながら、存在しているのです。
 孤独ながら、孤独を誤魔化しながら、或いはただ浸りながら、それでも光君は生き続けている。
 それが、それがこそ、この作品にこれだけの瑞々しさを与えているのだと、私は感じました。
 傑作です。
 徹底していました。
 私が此処にいて。
 それでも貴女が、やっぱり其処にいたから。
 何度でも、光はやって参ります。
 その言葉が嘘でも、嘘を吐きながらそれを謝りながら、何度でも光君は目の前の人達に会いにいく
 ので御座います。
 
 
 
 
 
 ◆
 
 長かったでしょ? 多かったでしょ?
 
 まだ続きます。
 
 今期のアニメで、視聴した第一話の感想書きます。
 ていうか早く全部観て早く感想書きたい。
 ということで、書ける分だけ書いておきましたので、今期アニメを選ぶ参考になれば幸いです。
 いやならないか、参考には。
 
 
 
 
 パンドラハーツ:
 うーん、面白い。
 なんていうかこう、良い意味で虫酸が走る。(ぇぇww)
 ぞくぞくっと、こうなんか非常に怒りに近いなにかがこう、ね。
 うわ、こんな作品と私出会っちゃうんだ、出会っちゃうんだ、このやろー、みたいな。(意味わかんない)
 なんだろ絵柄とか演出とかは単純でアニメアニメしてるんだけど、だけど萌えっぽくは無く、なのに
 なんか静かに煌めいていて、そうだね、やっぱり一番ぞくぞくするっていうのが適切ですね。
 正直、なにがテーマとか全然わかんないんだけど、とにもかくにもずらっと一気に出せるだけの要素を
 しっかりと編み込んで出してきてる感じがする。
 怨みとか憎しみとか裏切りとか、そういうものが滲み出すための、その布石としての穏やかな生活、
 だけどそれはもう半分は夕暮れがかっていて、だけどひしひしと破滅の序曲は奏でられ始めていると
 いうのに、なんでかな、これから始まる破滅の物語よりも、その今この瞬間にも崩れていくだろうという、
 その直前のさらに直前までの、あの不安が不安であるかないかの、そのぎりぎりのラインのあの子達
 の感覚が、もうどきどきするくらいあの映像の中に広がってて。
 それはあの子達の言動とか表情とかじゃなくて、あの映像の中、あの館の情景、空の色、調度品の
 陰影、そういったもので、こう、流れるように影絵みたく貼り付けるようにして描き出してる。
 少女趣味的な内面(?)世界での中の、健気で幼く純粋な可愛らしい、けれど勝手な少女の姿が、
 それがそのまま怨みと憎しみと残酷の言葉を纏って襲いかかってくる、あの感覚。
 あくまで落ち着いた、そして派手さやリアルさでは魅せない、まさにアニメにしか出来ない表現をとても
 上手く使ってます。
 うん、これは感想書こうと思えば書けるなって思った作品でした。
 感覚としては、ローゼンに近いかな。
 まぁ感想を書くかどうかはともかくとして(書かない確率の方が高いです)、今期最も早く続きが観たい
 作品でした。 ってまだ他の作品全部見終わってないけど。
 
 
 けいおん!:
 主人公のゆるゆる娘一択。
 いや他の子も面白いけど、いや好きだけど、笑えっつったら、なんか感じろっつったら、この子しか
 いないっしょ。
 うわ、なにこの天然っていうか天然記念物な、レッドデータブックっていうかレッドカード気味なマイペース
 っぷりは。
 一瞬で、観てるこっちのバイオリズムが変わってくよ。
 この子がバンドやるとか、どんだけ面白いんだよ。
 うわ、うわ、どんなリズムになるんやろこれ、うわ、うわ、楽しみ過ぎ。
 やばいよこれ、まずいですよこれ、この子ただいるだけでこんだけ面白いのに、ギターとか、どうなんの。
 これ、変に根性モノ的な青春モノ(衝突とか葛藤とかそういうの)にならなくて、そのまま音を楽しんで
 く感じでノリノリに行ったりしたら、すごい作品になりそ。
 既に演出面ではとても良い感じでキャラを活かしきってるので、そのキャラ達をこそ使って、あの
 主人公のゆるゆるっぷりを、さらに別次元にまで膨らませていけるような、そういう感じになればグッド。
 うん、これは人気出そうな、京アニブランドってのもあるだろけど、クオリティ的に申し分ないし。
 ていうか既にすごいんですけど、私も。 これは今期のコメディ分な。
 これは萌えとかよりも、このコメディ感覚で楽しんだ方がいいかもね。
 それに、こういうゆるゆる娘が普通に楽しく生きてけるっていうのは、すごく嬉しいしね。
 お勧めです。
 
 
 Phantom:
 ちょーっとスカスカな気もするけど、それよりも主人公のひとり、ツヴァイがなんかいい。
 色気があるっていうか、なんも無いゼロから始まってるはずなのに、なんかどうしようもないなにかを
 持ってる感がひしひしとしてて、観てて切ないような、なにか言葉をかけてあげたくなるような、だけど
 可哀想とかそういう哀れみの対象としてでは無く、目を逸らせない、なにか荘厳なものと繋がっている、
 みたいな。
 もうひとりの主人公のアインは別にそんなこと無いんだけど、なんでだろ。
 すべてを失ったのちに、本能に目覚めるとか、確かにそうなんだろうけど、私にはその本能が私の感じた
 どうしようもないなにか、では無いように見えた。
 そしてその本能に翻弄されている自分の虚しさと悲しさに無表情で浸っている、というとこにもそれは
 無いような。
 そのなにかを、むしろアインの方が見つけてくれるような気がする。
 アインにはそのなにかが無い気がするし、無いからこそ、その自分に無いものをツヴァイの中にみつけて
 いこうとするんじゃないかなと思いますしね。
 その過程はどうあれ、そのアインが見つけたものに対してツヴァイはどうするのか、そしてアインはその
 ツヴァイを見てどうなるのか、それに少し、興味があります。
 
 
 ハヤテのごとく!!:
 第二期。
 よくもわるくも薄味ゆえに、あっさりと観ることができる。
 オタネタを使ってるだけで、中身的には朝アニメでしょこれはやっぱりw
 感想を述べよと言われても、ハヤテはハヤテでしたね、くらいしか。
 ということで、ごめんなさい、特に無しです。 ていうか切るかも。 (ぉぃww)
 
 
 バスカッシュ:
 おー絵が綺麗な。
 っていうか、街とか空に浮かぶ月の描き方とか光彩加減とか、うわ凝ってますなぁ。
 とにもかくにも細かくて、ぱっと見だと素通りしてしまうくらいに、濃密で雑多なのにきちっとひとつに
 まとまってる。 良く観るといつまでも見てられるみたいな。
 ただその分、あのロボット(?)の辺りのCGの使い方が浮いてて、非常に勿体無い。
 CGであること自体はよいんだけど、もうちょっとこう上手く合わせて使えてたらと、残念。
 中身的には、スキっと感があって静かな清涼感が気持ちいいけど、逆に熱さを感じられなかった。
 主人公の子は熱くてがむしゃらで真っ直ぐなはずなのに、どう見ても情熱的でも無ければじっくりと
 肌で感じて考えているって感じでも無い。
 短絡っていうか、したいことがあるけどそれが上手く出来なくて、じゃどうにかするために必死に足掻くか
 というと、妙に冷めてしまってるというか。
 空回りが過ぎて、熱量が全然溜まらないですかすかに冷めちゃってて、その辺りがなんかこう、あの
 街の情景に回収されちゃってる。
 それがよいのかわるいのかわかんないけど、なんかこう、落ち着いて観られない。
 ただ、その落ち着きの無い短絡的表層的な反応で転げ回ることで見えてくるもの、それ自体は
 ありそうなので、それを見つけるまでは観る予定です。
 
 
 戦国BASARA:
 超絶www
 ・・・・・。
 いえ、期待以上でした。
 原作ゲームがとにかくはっちゃけ重視でスタイリッシュに派手に決めていたので、それを再現するか、
 もしくはその反動として、設定だけ借りて大人しくシリアスなちっちゃいストーリー重視でまとめてくるの
 かと思ってたら、両方で来たwww超興奮www
 凄くおとなしめな絵柄で、ぱっと見ストーリー重視の地味な感じなんだけど、やってることはすんごいww
 真面目な戦闘シーンの雰囲気出して、さぁ正統的な地味でリアルな斬り合いが始まるかと思ったら、
 いきなり青と赤の光がぶつかりあっての大爆発。地味なのに、もう素晴らしいファンタジーwww
 そしてファンタジーなのにド派手なはずなのに、やっぱり地味で、渋い。
 これはちょっと予想してませんでした。
 これぞバサラ、これぞ戦国時代の傾奇ですよ。
 武田一家(w)の信玄と幸村の殴り合いコントを平然と背に負う家臣団とか、熱くてクールな独眼竜
 とその補佐役に静かに重く納まっている小十郎とか、あの辺りの空気作りが見事にあの作品の渋い
 流れに染まっていて、非常にレベルとクオリティの高い作品になってます。
 これこそ、私は歴史ファンに是非観て欲しい。
 歴史の、戦国の、それを愉しむことの、その最も熱いところにある魂を、見事に抽象化して、もしくは
 武将のキャラという擬人化を以て描き出してます。
 軍略的なところも、その精密さでは無く、その豪気さと雄大さそして意外性、その純粋な愉しみを、
 絶妙に、そしてリアルなファンタジーとして非常に良く表現してます。
 この辺りの感覚は少なくとも歴史小説ファンにはわかるはずですし、また純な歴史ファンも、歴史という
 物語性の中にある愉しみを見つめるための、ひとつ有効なツールにこの作品は充分なれると思います。
 すべてを武将個人と、その個人間の関係に落とし込む、それがこの戦国BASARAという作品の
 真骨頂であり、その意味ではこのアニメはゲームよりもさらに大きく勇躍した出来となっていますよ。
 なにせ、あのゲームで確立した武将個人を、アニメの物語ですべて、あの戦国地図の中にひとつに
 繋げたのですから。
 拍手喝采! 超お勧めです♪
 あと夜桜の下で酒飲みながら軍談する伊達主従とか、すっごく萌えカッコいいんですけど、なにか?(ぉ)
 
 
 涼宮ハルヒの憂鬱:
 再放送なんですけど、なんか全28話で、新作パートだか第二期が合体だか、よくわからないけど、
 少なくとも全14話だった第一期の話だけでは無いのは確かなので、一応新作扱いとして観てみます。
 で、初っぱな。
 あれ? 超監督作品は? 朝比奈みくるの冒険は?ww
 かつての第2話が第1話になって改めて放送開始。
 普通に始まってるし。 うわ普通だこれ。
 第一期のときの、あの度肝を抜く第一話のアレがあったからこそ、第2話からの普通の淡々な始まり
 がより活きてたんだと思うんですけどね。
 ま、それはさておき。
 うーん、久しぶりに観て、キョンのツッコミの律儀さには驚かされました。
 全部的確に拾って全部対応、すごいねキョンはほんとにw
 前に観たときはぼーっと観てたけど、今更ながらに沢山のギャグアニメ観てきてわかりました、キョンの
 偉大さがww
 つまりま、それだけキョンがツッコミ対象として相手を良く観察してるからでしょうし、まぁその観察する
 理由がハルヒが好きだからとかいうこじつけな感じには違和感受けるけど、それは観察し続けたから
 好きになった訳で、観察を始めた理由はツッコミ対象として面白かったからに過ぎないって、やっぱり
 この第1話観て思いました。
 キョンは差別しないっていうか、ハルヒが他の人と違うからこそよりツッコミ入れやすい、或いは世話焼き
 的な感じもある訳で、それは好きとか嫌いとか関係無いし、ごくごく普通のツッコミ気質の人の在り方
 だよね。
 とらドラの竜児と似てますね。
 んで、やっぱりこの作品のすごいところは、ハルヒが全く折れないところwww
 これまたまぁ、完全にツンツンしてるのに、そのツンの表情のままで内面がゆっくりデレてくみたいな感じ
 での愉しみ方はあるんだろけど、それよりはやっぱり、ハルヒがそうしてボケ(ハルヒ自身はマジだけどw)
 がそのままツッコミに照らされて受け入れられていく、ハルヒがハルヒとして成立してるってところが
 一番面白いって感じます。
 キョンのツッコミは誰に対しても平等に降り注ぎw、だからその中でのハルヒの当たり前な突飛さが、
 より充実して飛躍していく様が、やっぱりこの作品の最大の見所だと思うんですよね。
 そしてこの作品のツッコミの特異なとこは、キョンのツッコミの大半が独白的なところ。
 勿論ハルヒに直接アクションすることもあるけど、大概は頭の中でツッコミ入れてて、そうするとこれ、
 非常に私達視聴者のツッコミ感覚とも繋がれるんですよ。
 それが出来るから、ハルヒの許容もより出来ますし。
 だからSFとかでわざわざハルヒ回収する意味がよくわからなかったんですけどね、前見たときは。
 その辺りのSFの必然性を、今回観ることで理解出来るといいなと思ってはいます。
 あ、あと、なんかいわゆる萌え要素が、気持ち悪かった。
 なんだろ、萌え耐性(ぇ)はだいぶ付いたはずなんですけど、この作品に萌えとかエロ視点とか、やっぱり
 今観ても違和感感じるなぁ、というか、減点的に勿体無い。
 ま、そういう数々の萌えを無視してアニメを観てきた私なら、全然平気ですけど。 (成長してねぇw)
 萌えとかせめて胸揺れとかなきゃ万人にお勧めしたいんですけどね。
 あ、なんかこの潔癖な感じ久しぶりww
 
 
 鋼の錬金術師:
 再アニメ化作品。
 コメントは、特に無し。(ぇぇw)
 いや、つまらなかったとかそういう事じゃ無くて、これはこれでいいんじゃない?、みたいな感じに近い
 かな。
 前作アニメファンとしては、まずはお手並み拝見みたいな。
 そしたら、別に違和感無いっていうか、ぶっちゃけ、ああハガレンはやっぱりハガレンだわ、みたいな感じで、
 前作に拘ってた自分が少し恥ずかしくなって、だけど素直になれなくて、ま、まぁいいんじゃないの?、
 で、でも調子に乗るんじゃないわよっ、みたいな、ツンデレですか。(ぉぃw)
 ということで、黙ってみる予定ですし、人様に紹介とかしてる余裕なんてないわよ!ww
 
 
 
 
 
 という感じです。
 書くだけ書かせて頂きました。
 そしてそのまま、ばたんきゅうです。
 お休みなさい。 (失礼致しました)
 
 
 
 
 
 
 

 

-- 090406--                    

 

         

                             ■■ マリア様がみてるから ■■

     
 
 
 
 
 『祐巳様、今まで数々のご無礼、お赦しください。
  その上で・・・・
  
  私を祐巳様の、妹にして頂けませんか?』

 

                   〜マリア様がみてる4thシーズン・最終話・瞳子の言葉より〜

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 ああ
 
 ああ
 
 
 胸が熱い
 
 
 触れる時間がどきどきとする。
 細く喉の先から出て行く言葉を、すべての力を込めて後押しする。
 いてもたってもいられない。
 髪がそよぐ。
 涙が止まる。
 この一瞬が早く終わって欲しいと、永遠に願い続けながら。
 待っている。
 時間が過ぎるのを、刻々と待っていた。
 恥ずかしいくらいに、恐ろしい。
 拍子抜けするほどに、体中の血が叫び出す。
 やめて やめて 落ち着かないで
 この嫌になるほどのざわめきは、生まれてきて、初めての体験。
 とくん
 溢れる泉のように、胸に溶け入る血が湧き立っている。
 認められていく。
 ゆっくりと時間をかけて、時間の中で、すべて肌で触れながら、受け入れられていく。
 みんなみてる。
 祥子様も、乃梨子も、他の方々も。
 でも少しずつ、ひとつひとつの視線が、ゆっくりと私から外されていく。
 静かなざわめき。
 
 私の叫びが
 当たり前のことになっていく 泣きたくなるほどの
 
 歓び
 
 祐巳様がみてる。
 私は、深く深くその祐巳様の瞳に、縋り付くように見つめていく。
 駄目とか駄目じゃないとか、もうそんなのじゃ無いわよ。
 祐巳様・・・
 祐巳様と言う言葉さえ失ってしまう。
 恥ずかしがりながら、周囲の人々の視線が解けていくのを感じていた。
 戸惑いながら、その中から見えてくる、その祐巳様の眼差しを見つめていく。
 祐巳様の、紅いカード。
 祐巳様に手渡されたそのカードは、祐巳様のぬくもりで、はっとするほどに綺麗だった。
 私の胸の中で、その薄くて四角い幸せは、燦然と輝いて、不羈としていた。
 ああ
 ああ
 もう 溜息しか出てこない
 部屋の温度が下がっていく。
 再び凍り付くほどに、凛としたこの輝き。
 熱い。
 胸が凍り付くように、熱い。
 今更ながらに、息切れしていることに気づいた。
 一足飛びで駆け抜けた、この部屋までの距離の質感が、なぜかカードを掴む指の爪先に感じられた。
 重くも軽くも無く、ただ焼け爛れ吸い付くような、絶対にこの爪が指から剥がれてはいかないような体感。
 このカードも、そうなってくれないかな。
 駸々と、カードの輪郭とその手触りが消えてくる。
 入ってくる。
 その紅いカードがすっかり溶けて、私の血に混じり、胸の一番奥の心臓に流れ込んでくる。
 
 髪が揺れる
 潤いに満ちたその流れが、耳裏を優しく撫でてくれるのを、ただ感じていた。
 
 リリアンの慎ましい制服に抱かれている気がした。
 見れば、周りの人達はみんな、私と同じ服を着ていた。
 みんなあんなに違う人達なのに、全然全然、追い付けない人達なのに。
 それなのに私は、同じ色の群れの中に、ただひとりいた。
 当たり前よりも重々しく、特別よりも軽々しく。
 荘厳で軽快な、そしてなにより痛快な、この爽快感。
 どうしてだろう・・・どうしてだろう・・・・・どうしてだろう・・・っ
 体中の力が一瞬抜けて、そして抜け出した勢いのままに、真っ直ぐにそれは私を溶かしていった。
 溶けるままに冷え固まり、そうして造型された私の中は、とてもとても、まっさらに流れていた。
 一点の淀みも迷いも無く、ただ流麗に、そして鮮やかに、それは私の中を駆け巡った。
 駆け巡るままに、私はただ陶然としていた。
 ただただ、あるがままに、そして、いるがままでいて良かった。
 
 こんなこと、生まれて初めてよ
 
 疑問の言葉も、責め苛む不安感も、すべて存在しながら、その私の流れのままに愛しく流れている。
 すべてを安らかに笑うままに、ただ受け入れることが出来ていった。
 愉しかった。
 ぞっくりと舌先で味わうように、しっくりと肌に馴染むように。
 時は流れ、止まり、止まったままに、ただ麗しく流れている。
 次々と、干涸らびたものを潤していくように、それは無限に、広がっていく。
 小さな薔薇が、微細で微小な紅い薔薇が、見えないままに、敷き詰められていく。
 足裏が地面に吸い付いていく。
 なのに、その足は全く立ち止まること無く、むしろ軽快に、そしてやはり流れるように歩いていた。
 私が動いているのか、世界が私ごと動いているのかわからない。
 けれどこれは幻想では無く、紛れも無い体感だった。
 私は全身全霊で、幻に囚われてしまったのだろうか。
 私は狂ってしまったのでしょうか。
 そう小さく囀る私の舌先を、ゆっくりと愛でて。
 
 世界は、一変していたのよ。
 
 ぞくぞくと、肌が揺れながら鎮まっていく。
 とても深く緊張しているはずなのに、私の胸の中の小部屋には、濡れた鮮やかな風が吹いていた。
 密林のように犇めく淫らな地獄の幻影が、その小部屋の外壁には描き込まれている。
 その地獄を阻む荘厳な四辺の壁で綴られた小部屋。
 だけど私は、その小さな部屋の中には、いなかった。
 私は、守られてなんていない。
 安寧に清浄に、そのまま保存なんかされていない。
 守ろうとして、地獄に晒されないようにと、足掻いてくれた誰かがいただけ。
 瀟洒な世界の中の、その小さく区切られた真っ白な部屋の中に、私はいなかったの。
 けれど、誰もがみんな、その小部屋を必死に守った。
 私もまた、自分のその小さな部屋の中に幻の私を閉じ込めて、抱き締めていた。
 私を守ろうとした、その誰か達と共に、私はその小さな、そしてあり得ない私を守ろうとしていたの。
 みんなと一緒に私を守ることが出来る、そんな私がずっと、嬉しかったんです。
 ええ。
 その白い壁の中に、私はいないというのに。
 私はただ、その壁の外で、その中のものを守ろうとして居ただけなのに。
 なぜそれを守らなければいけないのか。
 その問い自体も、綺麗に封をされて、その部屋の中にあった。
 だから、私にはわからなかったのです、祐巳様。
 母が、父が、そして私が、一体どうしてそれを守ろうとしていたのかを。
 そしてだから私は、本当は自分がなにを守っているのか、わかっていなかったんです。
 わからなくて、わからなくて、ただわかるだけの自分を描いて、その部屋の中に閉じ込めて。
 
 
 それでも私は、その部屋の外に変わらずにいるというのに。
 白い壁の向こうに描いた、小さな私をひたすら守り続けている、愚か者のままに。
 
 
 母も、父も、私も、それぞれが、互いの瞳の中を見つめ続けていました。
 相手の瞳に映る自分の姿をではなく、その瞳の奥にいる小部屋の中のその小さな相手の姿を。
 ただずっと、見つめ続けていたのです。
 白い壁に守られたその小部屋。
 その壁を見つめ続けることで、それは鬱蒼と腐り、地獄の蔦を巻き散らかしていきました。
 外壁が、醜く腐っていったんです。
 部屋の中にいる私を守るために、その外でその部屋を見つめ続けた私に、その変色した壁が現れた。
 そして気づけばその壁は四辺に至り、気づかぬままに、私はその地獄に囚われていたのです。
 囚われれば囚われるほどに、より一層、白い部屋の中の純白な私の幻影は深まっていく。
 いつのまにか、私達は、そうして守るはずだった部屋の中のなにかに、縋り付いてしまっていたのです。
 そして・・・
 挙げ句の果てには、私はその地獄に囚われた愚かな私をさえ、見つめていたのです。
 そう・・・
 私が、その地獄の小部屋の中にもまた、いないということを感じながら。
 私はきっと、純白の小部屋の外にある地獄の部屋の、その外にいて、それらの部屋の私をみつめてる。
 でも・・・・きっと・・・
 
 いつかその私の四辺にも、壁が・・・・・・
 
 
 
 
 
 
 
 風が吹いている。
 小さくて、ささやかで、いつ途絶えてもおかしくないほどの、弱々しく、不安定な風。
 窓が軋んでいる。
 軋む音がする。
 その窓を、押し開けて。
 窓は開かない。
 なのに。
 その風は傲然と、あっさりと、吹いていた。
 まるでその窓など、この部屋などないかのように、私を野晒しにする勢いで、圧倒的に流れていた。
 小さいのに、ささやかなのに、いつ途絶えてもおかしくないほどに弱いのに。
 なのにその風は、不安定なまま、なによりも確かに吹いていた。
 壁があるのに、無い。
 あるはずなのに、あるはずだと言い切る自分の姿がみえるはずなのに。
 次々と巡る壁に阻まれ、迷い続ける淫らな私がいるはずなのに。
 なにもそこには、いなかった。
 なのに、いる。
 いないと言えるほどに小さく、ささやかで、いつ消えてもおかしくないほどの、圧倒的な私が。
 それは、無だった。
 誰もいない小部屋の中こそ、私だった。
 そこに私はいる。
 
 途端に 風が吹いて
 
 
 あんなに熱かったはずなのに、そのまま熱くなって。
 じわじわと羞恥の想いが手先と足先に満ち溢れて。
 まるで私の先端に、重心が移ったかのよう。
 重いのに、重いゆえに、その重いものに連れられて、あっさりと進んでいく。
 静かに、静かに、言葉がほぐれていく。
 固いままに、重いままに、ゆっくりと流れていく。
 言葉で綴られた私が、私の吐く言葉に満ちているのが、ようやくはっきりと見えた。
 どきどきする
 ぞくぞくする
 底無し沼に身を浸すような、この感覚。
 いつまでもどこまでも、たゆたっていられる感触。
 胸の中の小さな部屋がみえる。
 笑顔だった。
 指裏でほんのりと撫で、その感触のあまりの愛おしさに、頬擦りせずにはいられない。
 微笑みが、溢れていく。
 私のすべてが溶けて、深い沼が出来たようだった。
 そして私はその私という沼の中で、とても満足して沈んでいた。
 不思議よね、私は全部溶けているはずなのに、その沼自体では無く、その中に沈む人の形をした
 私にこそ私を感じているなんて。
 そして、その沼に沈む私をみつめる私こそが、ただの言葉になっていた。
 想像する理屈の連鎖、いいえ、呪縛とも言える私の輪郭の創造が、断たれたのです。
 いくらでも、私の周りに生え出る壁を、水のように溶かしていくことが出来た。
 溶けてもそれは、私なんです。
 いいえ。
 
 それは溶けて私とひとつになったことで。
 そのすべてが、私になったのです。
 
 周囲の視線が、痛いような気がしました。
 私が妹にして欲しいと祐巳様に言ったことは、あっという間に広がりました。
 あのとき、あの場面の中にいた人達の視線は、かえって暖かく柔らかいものでしたのに。
 でも、これが普通。
 完成された私と祐巳様を繋ぐ糸。
 それが結ばれた瞬間を目撃した人達には、それを体感として納得出来た。
 でもそうでは無い、あの場にいなかった人々の間では、ただただ、その糸が完成されてしまったという、
 虚しい既成事実しか無い。
 時間差があるのですね、その事実を体感として受け入れていくまでには。
 だから、なんです。
 私は全然、辛くなかったんです。
 時間の流れが、それが私と周りの方々の肌に触れている限り、この痛みはやがて解けていくのだと。
 そうしたら、ほら。
 こんなに私は、暖かくなりました。
 ええ、その痛みが、その壁が、私の肌に触れた瞬間からもう、少しずつ溶けていっているのですから。
 私に瞳に捉えた、私に認識された時点で、それらはすべて私と溶け合うべき範疇のもの達。
 嬉しかったんです。
 自分の世界が広がっていくのが、そしてその可能性が一気に開かれていったことが。
 その速度は問題ではありませんし、かえって始めは止まっているほどのスピードであった方が、その世界
 が今大きくスタートし始めたという、そのスタート自身の愛しい感触を楽しめるのですから。
 ええ、今はとても瞬間的に、止まっているように感じられます。
 そして、だからこそ。
 
 
 祐巳様と繋いだこの手の、
 このどうしようもないほどのぬくもりを、感じられるのです。
 
 
 じわり
 祐巳様のぬくもりが、微細を極めた歩みで、私をゆっくりと抱き締めるようにして溶かしていってくれる。
 楽しくて、嬉しくて。
 なんでも、出来る気がした。
 なにとでも、向き合っていける気がした。
 今まさに、私は不完全な私でいるままに、生きていられます。
 私は、完璧主義者です。
 そして長いこと、自分が完璧で無いままでいることに苦しんできました。
 でも、今確かに、止まっていられます。
 そう。
 完璧になるために。
 本当に、完璧になるために。
 すべての不完全な自分と向き合い、それを完全にすべて完璧にするためにこそ、すべてを捉えていける。
 完全になるためにこそ、不完全でいられたのです。
 不完全を見つめるためにこそ、なにを直さなければいけないのかを、完璧に見極めていくために。
 完璧主義者としての私に、時間という重大な要素が加わったのです。
 理屈では無く、ええ、体感として。
 ゆっくりでも、ゆっくりだからこそ、深く、より広く、長く、完璧になれる可能性が開けてくる。
 そして・・・・・
 
 
 
 だからこそ、みえてきたんです
 
 
 私の 姿が
 
 
 
 
 
 
 ◆
 
 祐巳様とのデート。
 緊張した。
 だけど、緊張した分だけ、力が抜けた。
 私の緊張感は、私の中に籠もらずに、すべて私の肌に張り付いた。
 そして、その張り詰めた肌は、私を引っ張りなどはしなかった。
 抱き合っていたのよ、その緊張感とひとつに溶け合って。
 だから私はそれを微笑ましく見つめながら、落ち着いて、静かに行動し、考えることが出来た。
 私らしくなかった。
 こんなに、なにものにも振り回されないなんて、初めてだった。
 まるで、自分の周りに見えない空気の膜が出来ているよう。
 外からの刺激はもれなく入ってくるのに、それに対する私の反応はすべて、肌に抱き締められていた。
 だから純粋に、考えられた。
 なんだろう、この落ち着き。
 祐巳様の視線と存在をこんなにも感じているのに、祐巳様のためにとか、祐巳様をどうやったら楽しま
 せてあげられるだろうかとか、そんな想いに振り回されることが全く無かった。
 ひどく、真摯な気持ちだった。
 祐巳様がこちらと常に気にしていることすら見えていたのに、私はその祐巳様を見守ることが出来て
 しまった。
 理屈が、言葉が、頭から離れていた。
 私はただ、私がみているものを、みていた。
 私は祐巳様に、私を与えたのです。
 ああ 祐巳様のお顔の中身が、透けてみえてきます。
 やっぱり面白い人ですわ、祐巳様は。
 こんなに目まぐるしく、色んなことを同時に考えているんですもの。
 それでいて、焦っているのに、どこか落ち着いていて。
 ああ
 私がずっと見ていたのは、これだったのよ、きっと。
 あたふたして、なにも言わない私のことを想像して、色々と思いを巡らせて、でも結局はどうしたらよい
 のかわからないという結論にもれなく至って、そしてその結論に落ち込んで。
 全部、顔に出てますわ、祐巳様、ふふふ。
 そして落ち込んでいる側から、お腹がぐぅと鳴ったりして、またあたふたとして。
 
 不思議でした、今までずっと。
 そこまで乱れに乱れ切っている人が、
 どうしてあんなに、真剣になれるのか、って。
 
 私は、真面目になることでしか、真剣になれませんでした。
 だからずっと、眉を顰めて笑いを殺して、必死に真面目に頭の中だけを回転させてきました。
 自分の中を固めることでしか、目の前の人と向き合えませんでした。
 私は自分のことを不器用だと思ったことはありません。
 なのに、どうしても不器用にしか見えない祐巳様を見ていると、私が圧倒的に不器用なのがわかって
 しまいます。
 祐巳様は、不器用なのに、その不器用に全くめげること無く、目の前のものと向き合って、ほんの
 僅かではありますけれど、少しずつ器用になってきていらっしゃいます。
 私が自分のことを器用だと思い、また器用にあろうとしたのは、すべて、不器用な自分でいることが
 怖かったからに他なりません。
 不器用な自分をそのままぶつけて、そのままじっくりと変えていくことが出来なかったんです。
 恥ずかしかったんです。
 私が、不器用だってことが。
 だからそれを隠して、いえ、隠すことでしか、器用になる術を見い出すことが出来なかったんです。
 私は、弱い。
 臆病なんです。
 本当の自分を、そのまま見せることなんて、出来なかった。
 だからずっと、私は私の表層しか変えることは出来なかったんです。
 本当に向き合わねばならない自分、本当に変えなければいけない自分は、全部私の胸の中の
 小部屋の中に放り込んでしまっていたのです。
 だからずっと・・・私は・・・・冷たいまま・・・・
 周りの人も・・・・・自分も・・・・傷付けて・・・・
 
 
 祐巳様・・・・
 
 私は・・・
 
 母の・・父の・・祖父の・・・・願いに応えたかった・・・
 
 
 いいえ。
 願われたかったのです。
 
 あの人達のことが、
 
 
 松平の家の人達のことが、大好きだったから
 
 
 
 だから・・・
 不器用で、不完全な自分をなんとか変えたかった。
 でも私はそう思う瞬間にも此処にいて、その不器用で不完全なままの自分のまま誰の願いも
 叶えてあげられることの出来ない、その自分を憎んだんです。
 だから、必死に隠しました。
 なんとか、不器用では無いような、不完全では無いような自分に見えるように。
 私は・・・・・・
 みんなを、騙したんです。
 私は・・・・
 不器用で不完全な私を、憎んでしまった。
 器用で、完全な私を愛してばかりいたから。
 だから私は・・・
 器用で、完全な私になろうと頑張れる、その私をこそ愛することに実感を感じられなかったんです。
 言葉、だけだったんです。
 器用で完全な私になろうと頑張れる、その私を愛さなくちゃいけない愛さなくてはいけない、と。
 それは、母が私を愛さなくちゃいけない愛さなくてはいけないと、必死に戦っていたのと、同じでした。
 言葉だけの、理屈だけの私に、私はずっともがき苦しみ続けました。
 その言葉で綴られた自分に追い付けない、私が・・・ずっと・・・・
 私は、器用に、完全な私になろうとなんて、していなかったんです。
 ただずっとそうして、器用では無い、完全で無い自分を隠し続けただけ。
 器用に、完全な私にならなくちゃいけない、ならなくてはいけないと、必死に叫び続けながら。
 
 
 どうしたら、本当にその叫びのままに行動出来るのか。
 私はずっと、わからなかったのです。
 
 
 
 
 でも
 
 祐巳様に、妹にして欲しいと叫んだときに。
 
 
 
 それでよかったんだって、思ったんです
 
 
 
 いいえ
 
 
 
 それでよかったんだって、感じたんです
 
 
 
 
 
 ++++++
 
 
 祐巳様。
 私は、完璧じゃありません。
 でも、私は、完璧になりたいと思っています。
 それは、おかしいことでしょうか?
 完璧になりたいと思うこと自体が、間違っていることでしょうか?
 私は、完璧になりたいです。
 だからいつも、完璧な私を想像します。
 そして、その完璧な私と現在の自分とのギャップに耐えられなくて、私はひとつ、嘘を吐いてしまいます。
 私は、不完全ではありません、と。
 私は、私なのだと。
 私は私のままで、完璧なのだと。
 だから私は、私が現時点で最高の力を出し切り、必死に足掻き続け、そして頑張り続けられる自分こ
 そ、完璧なのだと。
 そうして、自己演出という嘘に、身を委ねていました。
 いつのまにか、私は私自身の変革よりも、私をプロデュースすることばかりしていました。
 どうしてそれが嘘なのか、わかります?
 
 その私らしい私の中には、完璧になりたいと願う私のことが、入っていないからです。
 
 私が、私らしくないなんてこと、無いんです。
 完璧主義者の私だって、私らしいんです。
 それを見捨てて無視してある、その私らしさってなんですか?
 そこに私は私の欺瞞を、私の嘘を見つけたのです。
 完璧な姿を描く私もまた、私なのです。
 だから・・・祐巳様・・・わかったんです
 完璧な自分までの距離を測りながら、ひとつずつその距離を埋めていくためにこそ、不完全な自分を
 受け入れていくんじゃないかと。
 いえ。
 むしろ、不完全な自分に耐えられなくて自分を飾ってしまう、そういう不完全な私もすら受け止めて、
 そしてそのままゆっくりと完璧な私を目指していけばいいのではないかと。
 祐巳様の、あたふたとしながらも、どこか落ち着いている様をみていて、気づいたんです。
 ああ、そうか、私の嘘だって、見栄っ張りで嘘吐きな私だって、そうやって嘘を吐きながらも、落ち着いて
 それとは関係無く真剣になっていくことだって出来るんじゃないかって。
 
 
 嘘吐きで、見栄っ張りで、恥ずかしがり屋で、周りに対する自分の反応に振り回されてばかりで、
 松平の家の人達を愛していて、今の自分を憎んでいて、完璧になりたくて、嘘と演技ばかりで。
 
 それは全部。
 私が完璧な私になるために歩む、この紅い薔薇の道に繋がっているんじゃないかって。
 
 清濁併せ持ち、虚実共に受け入れ操ることの出来る、偉大な紅薔薇、そのものなんじゃないかって。
 
 
 だから・・・
 私は・・
 私の胸の中の、小さなあの部屋の中にも、入ることが出来るんじゃないかって思うんです。
 私は・・・
 私が思っているよりも・・・・ずっと・・・ずっと・・・・重く・・深いものと接して・・・背負っています・・
 言葉と理屈でそれを感知するよりも早くに、それらはすべて、私に押し寄せてきています。
 そして、その押し寄せてきたものを必死に防ぎながら、遅れてくる言葉と理屈を待っている。
 だけど・・・
 その遅れてきた援軍は、あまりにも頼りなく、不甲斐なかった。
 あまりにも、守備範囲が狭かったんです。
 だから、私はあの小さな白い部屋に、立て籠もることが出来ずに、代わりに幻の私を押し込んで、
 それを外から見守っていただけでした。
 けれど。
 祐巳様・・・。
 祐巳様が隣に座っていて、肩が触れて。
 祐巳様の心地良い声音が耳朶に染みて、祐巳様の存在が私の胸に広がって。
 
 
 私は、私の戦場を、ぐっと、大きく広く取ることが出来たのです。
 
 
 祐巳様とふたりで、あの純白の部屋で過ごしたい。
 それで世界が消える訳でも無く、それらはすべて繋がっている。
 吹き抜ける風が、戦場をひとつに繋ぎます。
 
 私は・・・
 私の不幸な生い立ちを、不幸な生い立ちだなんて言葉にしたりなんかしません。
 私にとってそれはすべて実感で、感情で、どうしようも無い、私自身なんです。
 どろどろに溶けて、憎悪も愛もすべてひとつ、この胸の中の小部屋に染みこんで。
 そのなにも無いはずの四辺に区切られた部屋の中にこそ、すべてが向かってきていて。
 みんなそこに、辿り着こうと・・・
 なんとか、その胸の中の小部屋を、自分達自身で満たそうと・・・・・・
 ああ・・・
 祐巳様・・・
 援軍が来ようと来まいと、それが頼りになるかならないかなんて、関係無いのですね・・
 私は、あの部屋に、祐巳様と一緒に入りたい。
 言葉と理屈が無くたって、私達は言葉と理屈を求めて生きられる。
 言葉と理屈の無いところから、その戦いは始まっていた。
 もう止まりませんわ。
 だってこんなにも、止まりながら動いているのですもの。
 祐巳様がひとつひとつばらばらに解けて、そして祐巳様というひとつに溶け合って。
 祐巳様に、すべてをお話したくなってしまいました。
 訥々と、けれど完璧に物語として、ストーリーテラーに語られる物語として。
 私は女優を目指してもいるのです。
 物語のひとつやふたつを華麗に語ったくらいで、それで私の本当を本質を示せない、なんてことは
 あり得ません。
 語りの中にこそ真実がある。
 
 
 いいえ。
 物語という輪郭から、溶け出してひとつになる、それそのものが私の実感そのものの言葉。
 
 
 祐巳様の隣で、祐巳様の前で。
 理と語りを組み合わせ、理解して貰おうとすることすら絡めて、私はゆっくりと私の胸の中の小部屋の
 窓を開く。
 圧倒的に流れている、その愛しい風に誘われて。
 祐巳様、こっちです。
 これが、私です。
 私は、愛のままなんです。
 それを求めるのが、怖かったんです。
 そして、怖いから、求め続けていたんです。
 祐巳様。
 
 
 
 
 
 

私は

 
 

祐巳様とふたりきりになるのが 怖かったんです

 
 
 
 
 
 
 

だから

 
 
 
 

 
 

私は

 
 
 
 
 
 
 
 

この世界の中で

 
 
 
 
 

この小さな部屋の中で

 
 
 
 
 
 
 

祐巳様と ふたりきりに なりたい

 
 
 
 
 
 
 
 
 たった、それだけ。
 たったそれだけの事で、私の風はなにもかもを吹き飛ばしていった。
 すべての壁が完璧に消えた。
 世界は、大きな大きな、絶対に出ることの出来ない、たったひとつの巨大な小部屋になった。
 祐巳様が泣いてる
 祐巳様がみてる
 すべてがひとつになっていく。
 それぞれの輪郭をきっぱりと、凛と保ちながら、立派に、荘厳に立っていた。
 ああ、消えない
 消えなくて
 暖かい
 祐巳様に愛されたい
 ううん
 もうそんなことも思わない
 祐巳様がいる
 それだけでもう、どこまでも深く愛に染まっていけた。
 その愛に埋もれるままに、ひとつひとつ、物語を綴っていって。
 ひとつひとつ、嘘を丁寧に創っていって。
 紅い薔薇のように佇む、その夕陽の輝きが、私と祐巳様の居場所を照らしてる。
 
 その紅い光に包まれて、私はやっと
 
 
 やっと
 
 
 
 私の嘘を、物語を、脱ぎ捨てることが出来ました。
 
 
 
 
 祐巳様と、ふたりきり。
 もう祐巳様の鼓動のひとつひとつに、びくびくすることも無い。
 無感動と言えるほどに、それは当たり前過ぎる接触だった。
 祐巳様に抱き締められて。
 祐巳様を抱き締めて。
 ただそれだけ。
 ええ。
 今の私には、私の言葉では、ただそう、ただそれだけという、その表現しかありませんの。
 でも、充分よ。
 もっと、もっと祐巳様のぬくもりを。
 変わらぬ祐巳様のお姿のままに、ずっと私を抱き締めて。
 消えた世界。
 なにも無い、巨大な部屋の中の無。
 この一瞬の、この永遠の中にこそ。
 
 
 私は、私の未来を。
 
 
 
 私が、私が求める完璧な姿が見えました。
 
 
 
 
 頑張れます、明日から。
 
 
 
 
 だから
 
 
 今日だけは
 
 
 
 
 
 
 そして
 
 明日頑張ったら
 
 
 明後日は、また今日のように、抱き締めてくださいね
 
 
 
 
 
 帰りの電車、夢現の中で。
 祐巳様の優しい言葉が聞こえてきます。
 
 
 
 
 
 
 

『今まで黙って、自分の中に溜める一方だった想いの丈を、思い切り吐き出せばいいのに。

文句はいくらでも聞いてあげるから。』

 
 
『だって私たちは』
 
『スールになるのだから。』
 
 
『全部吐き出してすっきりしたら、空いた場所に、今度は楽しい思い出を入れていこう。』
 
『私が、祥子様としてきたように。』
 
 
 
巨大な小部屋は、ゆっくりと目を開けるようにして、小さく私の胸の中に吸い込まれていく。
 
あの、なにも無い、真っ白な小部屋がみえた。
 
なにも無い。
 
だけど私は
そこに沢山のものを、私を詰め込んだ
 
 
きっとそれを、吐き出すために
 
 
わかって貰うためにでは無く
 
ただ
吐き出すために
 
 
 
 
ああ
 
祐巳様
 
 
 
 
『もうちょっと、待っていてね。』
 
 
『明日学校に行って、それから・・・・・』
 
 
 
 
 
 
 
その祐巳様の御言葉が、私の明日の物語の中に犇めく愛になっていく。
 
 
明日と
明後日と
 
今日が 
 
祐巳様と繋ぐ手のままに 溶けていく
 
 
 
 
 
 
祥子様の微笑む前で
 
目を閉じる私の首に
 
 
祐巳様が
優しく
 
ロザリオを かけて
 
 
 
 
 
それをみている 私はいない
 
 
 
 
 
 
そう
 
 
それは
 
 
 
 
 
 
 
 
 
マリア様が みてるから
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
だからこんなに
 
 
 
 
 
 
 
 
 
今日が
 
 
愛しいのよ
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 マリア様がみてる4thシーズン     -- Fin

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
                      ◆ 『』内文章、アニメ『マリア様がみてる4thシーズン』より引用 ◆
 
 
 

 

-- 090403--                    

 

         

                              ■■ 孤独な友の愛し方 ■■

     
 
 
 
 
 『 しかしま、飽きない奴だ。
  レイコが死んだと知って、友人帳は私が預かろうと思った。
  奴の遺品を引き取る者など、いないと思ったからな。
 
  だが、これで良かったかもしれん。 』
  
 

                         〜続 夏目友人帳・最終話・先生の言葉より〜

                   

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 どこまでもどこまでも続く空。
 その空に向けて、カイは爆発するようにして飛び出した。
 俺にはそのカイの飛翔を、怒りを止めることは出来ない。
 でも・・・
 そのカイと。
 カイが守りたいと思ったものを、守ってやれることは出来そうな気がしたんだよ、先生。
 
 
 
 
 
 
 

〜 『あいつが妖者だったとはなぁ。どうするつもりだ?』 〜

 
 

『ま、どうせお前のことだ。関わって面倒なことになるのだろうが。』

 
 
 
 
 
 
 
 
 どうしようとか、どうしたらいいかとか、そんな事は考えていなかった。
 考える必要も無かった。
 もう俺がやるべきことは決まっていたし、だから迷いなんてなにひとつ無かった。
 俺にあったのはただ、苦しみだけだった。
 そして俺には、その苦しみに耐えようとしているだけの俺がみえている、その苦しみがあった。
 人か、妖か。
 答えなんて、もう随分前から決まっている。
 人に、決まってる。
 そして同時に。
 妖に、決まってる。
 人か妖かはもはや関係無く、俺はただ、助けたい守りたいと思うものを守るだけだった。
 でも。
 俺は苦しかった。
 それがとても大変なことだからだろうか?
 違うんだ、先生。
 それは大変なことかもしれないけれど、簡単なことなんだ。
 俺はたぶん・・・・
 俺がまだ、わかっていないことがあるということを、わかっていない。
 そのことを、俺の苦しみで隠してしまっている。
 なんだろう なんだろう
 カイがみえない
 カイ
 カイ
 待ってくれ
 俺の話をきいてくれ!
 
 
 
 
 
 ◆
 
 カイの背中が泣いているように、みえた。
 けれどそれは一瞬の、その幻の中にみえた永遠のように感じられた。
 カイのその悲しみはあまりにも永遠で、当たり前の連続だったからこそ、カイにとってそれは本質では
 あっても、カイの主体では無いように感じられた。
 悲しいんだ、カイは。
 悲しくて、悲しくて、そんな悲しいだけの自分が嫌になって。
 だから、笑った。
 悲しいから笑うのじゃ無く、ただ、笑った。
 悲しいだけの自分から抜け出て、楽しく笑えるような、そんな人間になるために、カイは懸命に人の
 社会に溶け込んで生きていた。
 俺がカイのその悲しみを指摘する事が、あまりにも愚かなことに思えた。
 カイは自分にある悲しみを知って欲しいのだろうか。
 違う、気がした。
 カイはただ、一緒に笑って、一緒に生きて欲しかっただけなんだろうと、俺はその小さな背中を大きく
 抱き締めて笑っている、そのカイの想いの中にそれを視た。
 
 俺には、カイが自分が妖怪であることを、殊更に隠しているようには見えなかった。
 ただ人間達と一緒に生きたくて、人間のように笑いたかったからこそ、ただ自然に人間と同じ姿に
 なっただけのように感じられた。
 
 俺に正体を知られたとき。
 カイの背中は小さく泣いていた。
 でも、カイのその顔には、はっきりと笑顔が刻まれていた。
 それは、悲しさを隠すための、悲しみに耐える涙では無かった。
 悲しくて、悲しくて、正体を知られてしまった悲しみに囚われようとするだけの、そんな自分から抜け出し
 て、ただカイは、笑っていた。
 『夏目は、妖、嫌い?』
 カイの声は沈んでいた。 それでも沈んでいたんだ。
 悲しみに足を引っ張られ、なのに、カイは、笑う自分を捨てずに必死に頑張って。
 俺はその、カイの悲しみを癒してやることなんて出来ない。
 そしてそのとき俺は、カイの悲しみを癒すことよりも、そのカイの笑顔を守ってやりたいと思った。
 カイが必死に生きようと、必死に守ろうとした、その人としての笑顔を、俺は守ってやりたいと・・
 
 
 『俺は、カイが好きだよ。』
 
 そのときの、カイの笑顔を、俺は一生忘れない。
 
 
 ずっと、ずっと、カイは待ってたんだ。
 いつか自分の正体がバレたとき、そのときに笑顔でちゃんとそう訊ける、その瞬間を。
 きっとカイは、その自分の問いに対する答えを、求めてなんていなかったのかもしれない。
 たぶんカイは、それでもみんなに受け入れられるような事をしてきたと、きっと妖怪でも好きだと言って
 貰えるくらいには努力してきたんだと、そうした自分を認めてくれる答えを期待するようなことは、
 全然していなかったと思う。
 ただカイは、俺の答えを待った。
 カイにとっては、この瞬間だって、当たり前の永遠だったんだ。
 カイはただ、笑いたかっただけなんだ。
 笑顔でずっと、楽しく幸せに暮らして居続けたかっただけなんだ。
 だから、その笑顔で暮らすために、犠牲にして生きる時間なんて、カイには無かった。
 カイは自分の悲しみや苦しみに耐える前に、ただそれとは関係無く笑っていたんだ。
 たとえ悲しみに足を引っ張られようと、苦しみに打ちのめされようと、カイはそれはそれとして、ただずっと、
 笑っていられる自分と出会い続けていたんだ。
 その笑顔が、カイが守りたかったものが、俺に認められた。
 誰も認めてくれなくても充分幸せだったものが、それが誰かにも認められる瞬間。
 そのときのカイのその笑顔は・・・・・
 
 
 なによりも・・・・
 俺の胸を締め付けたんだよ、先生。
 
 
 独りは、辛いんだ。
 楽しくても、笑うことが出来ても、ただずっとひとりで生き続けるだけのことは、辛すぎるんだ。
 笑顔のまま擦り切れていく自分を、カイは感じていたはずだ。
 カイの、その悲しみの最も深いところにあるものは、本当はそのことなんだ。
 誰かと一緒に生きたい。
 誰かと一緒に笑い合いたい。
 それが満たされない悲しみは、本当は、自分がひとりの存在であるという根源的な悲しみよりも、
 ずっとずっと重く、深く、そしてまさに、絶望的。
 カイがカイというひとりの存在だという悲しみを、それを癒すことは消すことは誰にも出来ない。
 だからそれは、初めからすべての者達が、自分自身で引き受け背負うべき悲しみなんだ。
 だから、その「ひとり」の悲しみを癒すために誰かと一緒に生きようとしたって、それはただその「ひとり」の
 悲しみから逃げるためだけの、そんな無意味で、そしてなによりも罪な行為なのかもしれない。
 カイはそのことが、わかっていたのだと思う。
 そしてだからこそ、ずっと、誰かと繋がろうとせずに、じっと自分の「ひとり」を背負って、山に籠もって生き
 てきたんだろう。
 誰にも迷惑かけちゃいけないんだ、これは俺が背負うことなんだ、と。
 妖怪は妖怪だ、人間の中になんか入っちゃいけないんだ、俺が悲しいからって、それだけでみんなに
 縋り付いて良い訳ないんだ、って。
 水神として、周囲の人達の参詣を受けて、誇り高く、ひとりで生きていったんだ。
 でも・・・・
 きっと・・・・・
 カイはそうして、何百年も、何千年も生きてきたんだろう。
 妖怪は人間とは比べ物にならないくらいの時間を生きて、そしてたぶん・・・・きっと・・・・
 
 
 なにかがおかしいって、気づいたんだ。
 
 
 作物に恵みの雨を。
 畏敬の念で崇められ、そしてその参詣の人の数によって、自分の価値が決まっていく。
 カイはきっと、こう最初は感じたんじゃないだろうか。
 俺はこんなに必死に頑張ってるのに、どうしてそれの俺の価値が、人間達の気持ち次第で変わって
 しまうんだ、と。
 カイは自分の孤高ぶりに、誇りを持ってたんじゃないかな。
 だからこそ悔しくて、自分が「ひとり」だということを全部背負って、水神として完璧に生きている自分を
 示すために、人間達を再び参詣させるために、人間の町へ降りてきたんだと思う。
 でも不可能だった。
 当たり前だよな、普通の人間には妖の姿は視えないんだから。
 それに、たとえ天候を操ってみせたとしたって、今のこの時代、それが水神様のお力だなんて信じる人
 の方が稀なんだ。
 というか、天候を操るだけなら、視えない姿を魅せるだけなら、山に籠もっていてだって出来るんだ。
 悔しかったはずだ。
 でもきっと、その悔しさこそが本当は本質を突いていたのに、カイはそのことには気づかずに、自分の
 誇りを守ることを最初にやってしまったはずだと、俺は思う。
 やっぱり、人の町に降りてきたってしょうがない、山に籠もって、ひとりで立派に生きていこう、その価値を
 知っているのは俺だけで充分だ、と。
 そしてついでに、妖怪は人の町に降りるべきでは無いという掟なんかを持ち出したり、或いは人間の
 ためを思って、大人しく身を退くとか、そういうことをやったのだと思う。
 
 
 そしてな、先生。
 カイはきっと、山に戻る途中のその道を歩きながら。
 その歩く震動で。
 気づいたんだ。
 俺、なにやってんだ、って。
 
 
 たちまち人の姿に変化して、そしてもの凄い勢いで飛び出した。
 そう。
 人の町へ。
 みんなの中へ。
 想像だよ。
 俺の想像だよ、先生。
 でもね、そうじゃなきゃ、あのカイの笑顔は説明出来ないんだ。
 カイはどこかで気づいたはずなんだ。
 ひとりと、独りは違うって。
 参詣者を募るために行動するのも、それはある意味で、自分が「ひとり」だということを背負っている、
 そのことを、その悲しみを認めて癒して欲しいだけのことに過ぎなかったって、カイは考えたはずだ。
 そういう理由で人の町に降りたって、なんの意味も無い。
 カイはただ、笑いたかったんだ。
 みんなと一緒に、みんなと生きて。
 独りは、嫌だったんだ。
 ひとりであることを背負うからこそ、ひとりであることを背負うだけの、孤高の自分が嫌になったんだ。
 ひとりである事を引き受けるのなら、独りである事からは抜け出すべきなのだと。
 みんなと一緒に、笑いたい。
 自分がひとりという、絶対の孤高の悲しさを背負っていて、それで、それだから笑って幸せに生きること
 なんて出来ない、そう呟いて独りで生きてきた、その自分の愚かさをカイは思い知ったんだ。
 ひとりだから笑えないなんて、嘘なんだ。
 俺達は、ひとりであっても、独りじゃ無いんだ。
 独りじゃ無ければ、みんなと生きて楽しく生きようと頑張れば、ひとりだって幸せになれるんだ。
 みんなひとりひとり、特別ななにかを背負っている、って前に話しただろ?
 そう、それぞれの特別をひとりひとりがちゃんと背負っていても、普通に、みんなと一緒に生きて、楽しむ
 ことは出来るってことなんだ。
 
 
 
 だから、カイは。
 
 
 独りなのは、嫌だったんだ。
 ひとりの悲しみより、独りの悲しみの方が圧倒的に重く深く絶望的だったんだ!
 
 だから爆発する勢いで、みんなとの繋がりを求めて飛んでいったんだ。
 
 
 
 
 ◆
 
 カイは俺と出会った。
 みんなと、出会ったんだ。
 人として、妖として、友として。
 特別な存在同士、として。
 寂しくて、寂しくて。
 
 カイは、ひとりで、独りだった。
 最初は、自分がひとりであるという悲しみのままに寂しくて、だから自分と同じ孤高の鬼達を求めたんだ。
 だけど、そうしているうちに、自分がひとりである悲しみに沈んでいるからこそ笑えないんだと、
 人間達の笑顔をみて気づいた。
 ああ、俺、生きたいよ。
 俺はひとりの俺を愛しているからこそ、みんなを愛することだって出来るんじゃないか、と。
 カイはみんなの事が好きになった。
 そして、好きのままに行動する事が出来ないのは、嫌だった。
 独りなのはもう、嫌になったんだ。
 自分の悲しみだけを見つめ愛することが、嫌になったんだ。
 先生。
 もう、この辺りで俺はもう、カイと繋がっている。
 俺の話なんだか、カイの話なんだかわからないような、いや、もう同じ話として俺の中では動いてる。
 カイが視える。
 カイの話が、カイの守ろうとしたものが。
 
 そして。
 その話と守ろうとしたものを見つめる、そのカイが、みえた。
 
 ひとりの、カイが。
 
 
 ああ、先生。
 
 
 だから俺は、そのみえたカイのひとりの姿を
 
 
 
 隠したんだ。
 
 
 
 
 そっと
 
 
 
 
 俺の姿を、付け足すことで。
 
 
 
 
 
 俺は
 カイのことが好きだよ
 
 
 お前はもう、独りじゃ無い。
 
 
 
 
 
 
 
 カイが、俺が、ひとりであるということは、隠したって消えない。
 そうなんだよな、先生。
 妖怪の姿が視えなくなったって、先生達妖怪が存在していることに変わりは無いんだ。
 でも、だから。
 隠しても、いいんじゃないか?
 だからこそ、隠しても大丈夫なんじゃないか?
 人が服を着たって、自分が消える訳じゃ無い。
 でも服を着れば、それだけ気分が良くなれるじゃないか。
 自分がひとりであることを見つめなくたって、俺達は絶対にひとりなんだ。
 だから、自分がひとりであることをみつめることでしか、ひとりである自分を生きられないなんていうのは、
 紛れも無く嘘だし、それこそ本質的なことじゃ無いんだ。
 見つめるからこそ俺や妖怪は存在しているのか?
 違うだろう? 違うんだ、全然。
 だから俺達は、服を着て、妖を視て、人と出会って生きていくことの中にこそ、最も本質的なものを
 みつけてく。
 服を着て、言葉を紡いで、物語し合って、そうして創っていくモノ達の世界の中で生きることにこそ、
 俺達の希望があるんだ。
 当たり前な、ひとりひとりとしての存在達と出会い、そして当たり前だからこそ、それを足場にして前へと
 進んでいく。
 
 先生。
 俺にはカイの喜びがわかるんだ。
 ずっとずっと独りだったから、ずっとずっと自分のひとりをみつめるだけだったから、俺はわかるんだ。
 俺が向き合うべきは、俺がひとりという事じゃ無く、俺が独りだということだったんだって。
 ああ
 俺は・・・
 もっと純粋に・・・みんなを求めて良かったんだ・・・・・
 いや・・・・
 俺は、みんなを求めなくちゃいけなかったんだ。
 俺はずっと、そのことに自信が無くて、後ろめたさを感じてて、どうしてもひとりでいるために独りに
 なろうとしていた。
 でも・・・・それでも・・・それでもみんなは・・・其処にいて・・・・
 俺がどう思おうと・・みんなは・・・・・
 ああ・・・カイ・・・・そうなんだよな
 俺達は、此処にいるんだ。
 誰がどうなろうと、俺達が、ひとりひとり自分を背負って生きていることは、絶対不変のことなんだ。
 俺は、まぜこぜにしていたんだと思う。
 みんなを求めるのは、その背負うべき自分から逃げることになるんじゃないかって。
 ひとりと、独りの区別が無かったから、俺はずっとそう思って、なのにどこか激しく、その俺の考えに
 違和感を持ち続けていたんだ。
 人か、妖か。
 俺のためにか、みんなのためにか。
 その選択肢自体、本当に間違っていた。
 人と妖の違いを本当に理解すれば、人と妖の同じものもまた見えてきたから。
 だから・・
 カイのためをおもってカイから離れるべきかなんて、そんな事に悩んでいた自分が馬鹿らしくなってきた。
 
 
 
 
 

木漏れ陽が緑に眩しい

轟く空の存在が痛いほどに暖かい

途端に

 

時間の流れが始まっていく

 

永遠の瞬間が永遠に繋がれていく

 
 

『自分が被れば、周りに迷惑が掛からないと思っているのだ。』
 

『浅はかな奴め。』

 
 
 
 走る。
 探し回る。
 町の中を、森の先へ、あの洋館の中へ。
 どうしようもなく、みえてくる。
 視えて、視えて、すさまじい。
 膨大なモノが語る力が、肌に触れて浸みてくる。
 カイの笑顔に滲む色合いが、煤けた灰の中の命のように濡れているのがみえた。
 カイ
 カイ
 待つんだ。
 カイは俺の友達だ。
 カイには、俺以外にも友達がいるだろう?
 俺にもいる。
 でも俺にとって大事なのは、カイか、それとも他の俺の友達か、っていう選択肢じゃ無いし答えでも無い。
 そうだろう? カイ。
 なにかひとつを求めたからって、もうひとつの大切なものが消えたりなんてしないんだ。
 もし消えてしまうと感じるのなら、語り合おう。
 そうして消えてしまうかもしれないという感情を、暖かくそっと隠し合おう。
 
 お前には、俺が、俺達がいるんだ。
 
 ああ、わかる。
 わかるよ、カイ。
 今ならよくわかる。
 
 
 
 
 

 『柩に閉じ込められたカイは、怖かったから泣いてたんじゃ無い。』

 

『祓われるべきものだと、そこにいてはいけないものだと思われた事が、悲しくて泣いてたんだ。』

 

『泣き虫な神様が、山の上にずっと独り・・・』

 

『それがやっと、居たい場所を見つけたのに・・・』

 
 
 
 
 カイ!
 駄目だ!
 ひとりだけの世界に帰っちゃ駄目だ!
 自分がひとりだという悲しみという名の鬼と、手を取り合っちゃ駄目だ!!
 憎いだろう、怨めしいだろう。
 憎んでくれ、怨んでくれ。
 カイ。
 お前を独りにして、ごめんな。
 お前は、人間でいていいんだ。
 いや、たとえ人間でいられなくなっても、憎悪に満ちた鬼になってしまったとしても、カイ・・・
 お前は、人間になっていいんだ!
 
 みんなと一緒に生きたいって、生きられるように必死に頑張っていいんだ!!
 
 鬼と手を繋ぐな。
 鬼になれ、カイ!
 憎んで、怨んで、そうすれば、そうすれば。
 必ず、憎むほどに、怨むほどに、そうしてまで見つめたかった俺達の姿がみえてくるんだ!
 孤独でも、いいんだ!
 だって。
 
 
 お前の目の前には!
 
 絶対に俺達がいるんだから!!
 
 
 いつだって向き合える。
 憎んでも怨んでも・・・・
 お前が・・・俺のことを想ってくれる・・・・その優しい気持ちは消えたりなんかしない・・・
 大丈夫なんだ、カイ。
 独りになってしまっても。
 独りの悲しさに沈んでしまっても。
 
 独りだから。
 独りが悲しいってなにより叫べるからこそ。
 
 
 
 
 俺達は、また出会えるんだ。
 
 
 また会いたいって、
 
 またみんなと笑い合いたいって、
 
 そう思える、
 
 
 
 なにより愛しい希望が、俺達には無限に芽生えていくのだから
 
 
 
 
 それが、俺達の本質だ。
 
 
 
 俺達が、ひとりであるということの、その意味がそこにあるんだ。
 
 
 
 
 
 
 

 

カイが泣いている
独りは嫌、と
叫んでいる
 
静かに 穏やかに 叫んでいる
 
カイは俺を怨む
独りにしたから
独りにするなら 最初から近づいてくるなよ、と
よくも俺を騙したな、と
怨みが震えている
怒りに
悲しみに
打ち震えている
 
カイが
泣いている
 
大きく目を見開き、必死に俺を罰する理由を探し回る
繋がっていく
カイの想いがすべてひとつに繋がっていく
泣いている
笑いながら
泣きながら
カイが
 
嬉しいと
悲しいと
ひとつの小さな口で同時に叫びながら
 
泣いている
 
寂しいよ
悔しいよ
悔しいんだ
こんなに憎いのに
こんなに好きなのに
どうして・・
 
こんなに
 
夏目達のことを
 
 
想えるんだろ
 
 
 
 
 
カイの
 
 
憎悪と愛が
 
 
ひとつに
 
どうしようも無く溶け合っていく姿が
 
 
みえた
 
 
 
 
 
 
 
カイが泣いている
 
 
 
 
世界のど真ん中で
 
 
 
 
 
 
 
− 『やっぱり』 −
 
 
 
− 『夏目が困るのは・・・・』 −
 
 
『 嫌だな 』
 
 
 
 
 
 
 
嬉しくて
堪らなくて
 
泣いていた
 
俺のためを思って身を退けるとさえ思える自分が
俺のことを怨んででも俺と一緒にいたいと思える自分が
嬉しくて
幸せ過ぎて
涙が止まらない
 
笑いが
 
笑顔に染みて
 
 
堪らないんだ
 
 
 
カイ・・・
俺はお前のその笑顔を
 
守りたい
 
 
 
 

 だからまた、会いにいくよ。

 人として、妖であり神であるお前に会いにいくよ。
 友人として、お前に会いにいくよ。
 そしてまた、カイ。
 お前も人間に化けて来い。
 お前が望む限り、お前は独りになんかならない。
 独りは嫌だと、俺達を怨みながら愛しながら、叫ぶことが出来たお前なら、きっと。
 きっとまた、俺達と会ってくれるよな。
 俺はお前を、あの笑顔のまま泣きじゃくるお前をまた、抱き締めてやりたいんだ。
 ああ
 嬉しいな、先生
 あんなに、あんなに、カイは俺のことを想ってくれて・・・
 俺から離れるも、俺を求めるも、根っこにあるのは同じなんだ。
 俺が、其処にいたから。
 カイにとって、それは永遠なんだ。
 先生。
 俺も同じだよ。
 もう
 俺がひとりだなんてこと、どうでもいい。
 独りだけ離れても、あっさりと独りを抜けてみんなの輪に入っていくよ。
 そしてまた、ふらりと独りの愉しみにも入って、そしてまた、みんなの笑顔に愉しく溶けて。
 
 楽しいんだ。
 そういうのが、きっと。
 とても、とても、自由な気がした。
 
 
 
 自由なのは、大切だろ? 先生。
 
 
 
 
 『人だとか、妖だとか、そんなことじゃなくて。』
 『自分にとって大切なのかどうか。』
 『その瞬間の想いを、幸せを、心のまま素直に、迷うことなく受け止めていけたらと思う。』
 
 
 
 
 
 みんなのために。
 俺のために。
 カイのために。
 楽しいか、楽しくないか、それだけだった。
 楽しさを求めるためにこそ、なにとでも向き合っていきたい。
 いくらでも怨めるし、憎めるし、悲しめるし、逃げられるし。
 いくらでも愛せるし、優しく出来るし、愉しめるし、戦えるし。
 この楽しい永遠の瞬間の連続の中で、俺は生きていける気がしたよ。
 なんとなく、俺の生き方が決まった気がした。
 なにかが、変わらないなにかが、俺の中で逞しく花開いた気がした。
 桜が綺麗だ、先生。
 淡くて
 薄くて
 どこまでも
 どこまでも
 繰り返される
 春の宴
 途切れてはまた催され、ひとつ年が回れば、また花は咲き・・・
 その下に、色んな存在達が集まってくる。
 いいな、この感覚。
 
 
 
 何度でも
 何度でも
 ああ
 
 
 あのカイの
 嬉しいやら悲しいやらで泣き笑う、あの笑顔が、浮かんでくるよ
 
 
 
 
 友達って、いいよな、先生。
 
 
 ふん、なにをくさいことを言っておるのだ。
 
 
 いや、だって、楽しいだろ? 色んな人と出会えて、色んな人とまた出会える可能性があって。
 この空の下に、ああ、みんないるんだなって・・・
 そう思えて、なんだか幸せな気分だ
 
 やっと、実感を持ちおったか。 本当に面倒な奴だよ、お前は。
 人も妖も、私達が此処にいて其処にいるということに、なんら変わりは無いのだ。
 それぞれが響き合い、そしてそれを当たり前のこととするのが・・・・
 レイコの、願いだったのかもしれんな。
 レイコは、独りじゃ無かったさ。
 
 そして、私もな。
 
 
 
 『先生、そばにいてくれてありがとう。』
 
 『阿呆。 気色の悪いこと言うな。』
 
 
 
 
 
 ありがとう
 
 
 
 
 みんな
 
 
 
 
 
 この世界に いてくれて
 
 
 
 
 
 
 
 
 なんだかとても
 
 穏やかな春だね 
 
 
 
 レイコさん
 
 
 
 
 
 俺
 
 
 
 この世界の中で
 
 
 沢山
 
 沢山
 
 
 色んなことを 願って生きていけるような気がするよ
 
 
 
 響き合う 愛しい音の みえるままに
 
 
 
 
 
 
 
 ふん。
 ようやく人並に前を向きおったか。
 これで、少しは陰気な顔を見なくても済むようになるといいがな。
 
 陰気っていうな。
 でも
 
 
 
 
 
 
 
 ああ。
 
 楽しいな、先生。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 〜 続夏目友人帳  了 〜
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
                             ◆ 『』内文章、アニメ『続夏目友人帳』より引用 ◆
 
 
 

 

-- 090401--                    

 

         

                             ■■ 現役ですが、なにか ■■

     
 
 
 
 
 ごきげんよう、皆様の紅い瞳です。
 
 
 うん。
 なんか無性に楽しいです。
 なんかね、文章を書くのが堪らなく楽しい。
 アニメ感想書いてて、とても久しぶりに熱い感じになってきてます、最近。
 ちょっと前までは、あんなに感想書くのが辛かったのに、とんでもないほどの反動ぶり、復活ぶりです。
 いやもう、筆が進んで進んで、苦にならないどころか、書いてるともう楽しくて楽しくて。
 いやもう、楽しいとしか言ってないほどに語彙力がアレですけど、いやもう、楽しくてね。

 
 すっげー。
 すっげー、楽しい。 (ほんとこいつは・・)
 
 
 やっぱりあれですね、わからないからこそ書く、わかろうとするために書く、っていうのは、なにものにも
 代え難いほどの刺激ですよね。
 今の私はそんな感じですよ、まったくもう、こんちくしょうめ。
 ちょっと今まで結構固まっちゃってたとこがあって、その上をずーっと平面的に納得ずくに、その中身を
 確認して抱き締めるだけの、そんな状態がずっと続いていて。
 なんかね、そうすると自分が頼れる手持ちのカード、みたいなものが得られて、それはまぁ確かに
 少しは落ち着いた感じはあったんですけどね。
 それはとても、不安だった。
 不安っていうか、なんかやべーって、なんかこれおかしいよ私、なんか根本的に間違ってきちゃってるよ
 私、みたいな感じがひしひしとしてた。
 だって、自分に閉じちゃってるというか、所詮私ってばこういうものなんだから、じゃま、その私の範囲で
 回していきまっしょい、無理はいかんよ無理は、みたいな感じになって、そういう口実の元に、色々と
 捌いているだけになっちゃってたとこ、大いにあったから。
 たぶんそれ、そういう私を見つめる、私自身の眼差しが曇っちゃってたからなんだと思う。
 ほんとの意味で自分を見つめることに疲れちゃってたから、安易な自分の限界を設定して、それが
 本当の自分だと限定して、それから逸脱することは私の身の丈を越えるものとして捉えて、排除して
 しまってたんだと思う。
 
 うん。
 正直ちょっと、いやいや、だいぶ、だいぶ、疲れてたんだと思う。
 
 疲れて、色々なことがアレになって、今まで通りにはいかなくて。
 そうして変わってしまった自分に戸惑って疲れて、そしてそのまんま、「変わってしまった自分」という、
 その「瞬間」だけの私を切り取って保存して、それを身に纏って、それに縋ってたんだと思う。
 そしてあろうことか、変わる前の自分にとって、直すべき弱いところ悪いところのものの自分を、そのまま
 肯定してその私の纏った「自分」に織り込んで、そのまま着込んで私としてしまって。
 そして、その変に固定化された、固定化されてるからなんか落ち着いてそれが自分だって思いやすい、
 その自分のままだけで踏ん張ったり頑張ったりするだけだから、どんだけ無茶したってその頑張りは、
 ただ過労死に繋がるだけの破壊的な努力と、それの反動からの無気力と開き直りしか生み出さない。
 
 それは、完全に自分を見失っているということ、だったんじゃないかなぁ。
 んや、というより。
 
 それってつまり、自分のこと、見つめてないって、そういうことだったんじゃない?
 自分を見つめる眼差し、真摯な瞳が無くなってたってことかもよ?
 
 なんつーか、瞳がどす黒く変色してたのかも。(ぇ・・)
 結局自分だけっつーか、自分の場所から見つめた他者しかないっつーか、その他者の場所からの
 眼差しっつーか、そういう外からの自分の視点、っていうのが無くなっちゃって、その外にあるべき瞳が、
 私の体にめり込んで黒ずんじゃってたのかもしんない。
 その黒く爛れただけの瞳をいくら回したって、それで見える自分や、そして他人や世界なんてたかが知れ
 た程度の、浅くて貧しいものにしか過ぎないし、それに実感を感じられないなんて、当たり前っちゃ
 当たり前なのよ。
 うん。
 マリみての瞳子観て、わたしゃ感動したもの。
 っていうか、これを観て、わからずに、わかろうとせずにいられようか、いやいやられない。 (反語)
 強さも弱さも、ほんとの意味でみつめなくちゃ、なにも変わりはしない。
 というか、変わってしまった自分がいるなら、その変わったという事実がもう、私は変わることが出来ると
 いう事実をなによりも証してるじゃないの。
 だったら、変わってしまった自分が、そこから変われない、その状態の自分が変わろうと頑張ることが
 出来ないなんて、もしそう言えるなら、それこそが私が見つめるべき、私の本当の弱さ、なんじゃ
 ないかなって。
 その弱さは実は、自分が変わってしまったこと、その事実に最も囚われていることにあるのだと思う。
 絶対に変わらないと思っていたものが変わってしまったこと、その衝撃が大きかったことで、不変のもの
 などこの世には無いんだという、だからなにを新しく変えて作ったって無駄だと、そう考えるだけの、
 その思考自体を今度は絶対に変えてやるものかと、そう思っていたり。
 それは実はだから、不変のものなど無いという、その不変の事実があることを、ほんとは認めたくないか
 らなんだと思う。
 受け入れて無いんだよ。
 変わるということを。
 だから、自分の枠を作って、自分は変わらない変われないとか、妙にその「変化してしまう」ということ
 ばかりを観ている。
 それは転じて、どうせなにやったって変わりはしない、という逆方向に振り切れてしまったりすることもある。
 
 変わらないものなんて、この世には絶対に無いのに。
 なのに、ひとつの変化に執着して、そこに自分の理を開いてしまう。
 
 たとえばどうせなにやったって変わりはしない、と考えるのは、青臭くすべては変えられるんだと思っていた、
 その自分が変わってしまったから。
 その自分の変化に戸惑って、そして変わってしまった自分をただ、なんの眼差しも無く受け入れること
 で、そのなにやったって変わりはしないと強固に考える、その不変の自分の枠に閉じ籠もってしまう。
 妙に理屈っぽくなったり、妙に理屈を否定してみたり。
 変に感情万歳になってみたり、変に感情を無視してみたり。
 理屈も感情も、それを見つめる自分自身が無ければ始まらないのに。
 いや。
 うん。
 なんかきっついこと言ってるけど、うん、別に自虐とかそういうことじゃ無いのよ?これ。
 こういうのが、楽しいの。
 ちゃう、Mちゃうぞこれは。 そこはちゃんとしてな。頼むでほんまに。いやお前が言うな。はいすんません。
 で、楽しいのはなんでか言うと。
 
 主体的に、変われるから。
 私が。
 私は今どういう風になっていて、そして私とはなにかとか、まぁ、その。
 徹底的に、考えて、わからないもの目を背けていたものを全部あぶり出して。
 引っぱたく。
 そして抱き締める。
 しゃんとしぃや!
 そうすれば、色んなことがみえてくる。
 
 私のすべてを切り開いて、引っぱたいて、抱き締めて。
 そうしたら、その私の瞳は。
 紅く、暖まっていく。
 血の通った、紅い瞳になっていく。
 
 
 そのために、今まで囚われていた、自分という理を無に還す。
 無茶をしてもなにも変わらないさ。
 無理をしない限りはね。
 そして無理をすれば道理も引っ込み、いくらでも新しい、変化に富んだ、沢山の理達と触れ合える。
 そのときにだけ、私の外にいる、他の人達自身の、紅い理に抱かれた「自分」と出会える気がする。
 瞳子最高じゃないの。
 紅薔薇万歳ですよ。
 白薔薇的には、こんな紅薔薇とこそ出会いたいよ。
 感情と理屈を兼ね備えた、当たり前の人間が、だから見えてくる。
 だから、会う人、話す人みんなが、とても暖かく豊かに見えてくる。
 だから。
 こんなに楽しいんだ。
 私は色々どんどんと変わっていくけれど、その変わっていくたびの自分を、ひとつずつ、そしてもれなく
 すべて抱き締めて。
 だから、変化が受け入れられる。
 変わってしまった自分のままに、変わる前の自分のやろうとしていた事と向き合える。
 そしたらいくらでも、新発見なんて出来ちゃうの。
 あそか、変わってしまったからこそ、変わる前には出来なかったことが出来るようにもなってるんだ、ってね。
 勿論出来なくなってしまったものもあるけれど、でもね、出来なくなってしまったという、その「変化」自体
 からも得られるものは、実は沢山沢山あるんだよね。
 そしてもう。
 そうして得たものを手にした瞬間に、私はまたひとつ変わってる。
 私達には時間があるんだもん。
 時間自体は時々刻々と流れて、変化そのもの、その中にいる私達がだから、変わらないでいられる
 瞬間なんて、ただのひとつも無いんだ。
 でも、私達には「自分」がある。
 変わらない自分、時の止まる一瞬の永遠。
 それを妄想して、そしてそれに実感を得ることだって出来る。
 それに血を通わせることだって、出来る。
 幸せじゃん。
 楽しいじゃん。
 
 
 その紅い言葉をあっさりとなによりも先に提出するからこそ。
 その言葉に追いつこうとして、必死に頑張れる私がいる。
 頑張るために、追いつくためにこそ、自分をみつめ変えていこうと出来る。
 理屈とか理想とか、そういう風に、変わっていく自分と向き合っていくためにこそ、なによりも大切な
 ものだと思うよん。
 そして勿論、だから。
 その理屈や理想に追いつけ追い越せと、一生懸命に走り出す私を動かすのは、感情。
 そしてなにより、冷たく固まっている中でそれでも幸せになりたいと願っている、その自分の現実が、
 私を突き動かす原動力。
 瞳子の目の前には、祐巳さんがいる。
 瞳子の中に犇めく祐巳さんへの愛が、瞳子を走らせる。
 そして。
 その瞳子の瞳は、紅く、なによりも紅く、輝いている。
 
 書かんとね。
 感想を、想いを、言葉を。
 私は書かなきゃね、やっぱり駄目なのよ。
 瞳子の白地図のように、自分の中の無を見つめんと。
 なんにも描かれていないから、新しく描いてくことが出来る。
 その白地図が鉄で出来ていて、なにも描けない?
 はっ、そんなの言い訳にもなりゃしない。
 シャーペンが駄目なら、ドリルがあるじゃない。
 そうして自分の中の白地図になにかを描く道具を創るためにこそ、私達には考える力がある。
 そして、なによりも。
 その白地図になにをどう描くか、そして。
 それをどういうペースで描いていくのかも、それらは全部自分で決めて良いこと。
 なぜなら、時間という変化の流れの中で、私達は「自分」という閉じられた「永遠」を妄想して、
 その瞬間瞬間を引き伸ばして、生きて感じて考えていくことも出来るのだから。
 理屈と感情は使いよう。
 それらを使う私達自身に、この世界の中で幸せになりたいと思う不変の手札があるからこそ、
 なんとでも、どうとでもやっていけるんじゃないかなぁ。
 私が求めているものは、本当に本当に、絶対不変に求めているものは、なに?
 愛だろ、愛。 愛ゆえに、だろ。
 みんなに愛される、祐巳さんのお姿でしょ。
 瞳と、ドリル。
 それに紅いカードが加わったら、無敵、瞳子、無敵。
 
 
 瞳子、最高。
 
 
 
 
 ドリルという単語が浮かんだ時点で、笑いが止まらなくなってる私はもう少し真面目になりなさい。(はい)
 
 
 
 
 ◆
 
 とまぁ、いつのまにか瞳子論にすり替わった、っていうかドリル言いたかっただけな気もしますけれど、
 その辺りはこの紅い瞳の幸せそうな笑顔に免じて許してやってくだしゃんせ♪
 ・・・・・石までは投げるの許可します。
 
 ま、うん、今回のマリみては、って今回って言ってももう放送と照らし合わせると一週遅れ状態の感想
 ですけど、うん、最高傑作といえるお話のひとつでした。
 瞳子は勿論のこと、乃梨子もすげー、祥子様もすげー。(ぉぃ)
 あと、作品的に表情とか間の取り方とか目力(めぢから)とか、もう半端無い。
 そういう意味では、そういう系の表現力は今期ピカ一でした。 最高。 涙も涸れるほどに最高!
 そして私も、今期最高の想いのままに感想書けました。
 今感想書きとして私が書けるはずの、最大最高のものが書けました。
 もしかしたら、それもちょびっとはみ出してきちゃったかもしんない。
 私いける、って思った。 (死亡フラグ)
 うわ、これ楽しくならない方がおかしいじゃないの。
 うわ、アニメの感想ひとつで喜怒哀楽が全部操られてることの方がすごいじゃないの。
 とまぁ、うん。
 マリみてについてはもう自分でも腹が立つほどに語りまくれる状態です。
 けど、ま、紙面の都合上、今日は他にも書かなくちゃあかんことありますんで、その、今回はこれくらい
 で!
 
 改めまして、マリみて万歳!
 いよいよ残り一話ですけど、万全絶対、大全力で向き合っていきたいと思います。
 私のすべてでぶつかってやんよ! 
 そこからなにかを、拾って参ります。 (骨とか)
 
 
 
 ◆
 
 で、他のアニメなんですけど。
 やべー、結構最終回やってるよ。 ていうかもうほとんど終わってるよ。
 そんな、マリみてとか夏目で手一杯なのに、他のアニメのことなんて語れますか、いや語れるよ、
 語れちゃうから困るんだ、死ぬ死ぬ、新鮮な感想にこそ意味があるんだよねとか、普通に一気に書こう
 としちゃいますからね、馬鹿なの?死ぬの?
 正直、無理でした。
 まりほりとか全力で語りたいんですけど、早く早く新鮮なうちにぃっ、って感じなんですけど、無理です。
 死にます。
 今のこの状態でこれ以上文章書いたら死ぬ。
 ていうか、年度末そして年度開始でなにかと忙しいのに、既にこんだけマリみてではっちゃけてる状態
 でそれやったら死ぬ。 死亡フラグが私の心臓に刺さっちゃう。
 ので。
 延期です。
 つーか、来週こそマリみてと夏目の最終回感想でそれどころじゃ無い気がするんですけど。
 ・・・・・。
 
 来週こそ、勝負どころよ!  (ちょww待wwww)
 
 と、いうことで、今週より来週の方が無理なはずなのに、再来週だとさすがに遅すぎだろ新鮮さ大事
 だもの、という折衷案というか全然死ぬ気だこいつみたいな感じの私が出した結論は、来週だ。
 おまけに来週四月からの新番組の感想とかもやんなくちゃいけなかったりして、結論出したあとに
 そういう事気づくの禁止とか、もうあとには退けないとか言って誰もなにもまだ言ってないのに勝手に
 退路を断っちゃうとか、どんだけ今週書きたくないんだよ、あれですか、あんたただマリみての余韻に
 浸ってたいだけと違うんか?、てかマリみてと夏目で忙しいとか言って、あんた夏目のこと今日一言も
 語ってませんからねこれ、あなたは結局マリみてだけでいいんでしょう、あんたなんて最低よ!、
 とか言って頬を引っぱたかれて、待ってよそうじゃないんだ、とか言って追い掛けて捕まえて、そしてきっと
 来週になんかカッコ良いプロポーズの言葉とか言っちゃうんだそうなんだそうに違いない!
 
 ・・・・・。
 
 えー・・・まぁ・・・
 
 
 なんとかなりますよ。 (微笑)
 
 
 
 
 ◆
 
 石を投げても罰は当たらない。てか石を当てろ当ててやってください。
 ま、うん。
 私自身もそうですし、やっぱりアニメの感想の新鮮さっていうのは、読んで貰う人のためにも必要な
 ものですよね。
 読み手としての私もそう思いますし、書き手としましても、語りたくてうずうずしてるっていう今言ったような
 気持ちがありますしね。
 ちょうど互いにとって、それが良いことなんですけれど。
 今回は、踏み止まらさせて頂きます。 すみません。
 というか、しばらくお待たせします。
 新鮮さは薄れる分、その分じっくりと書いて、書きたいこと全部書いてやろうと思いますので、
 そういうニュアンスで受け取って頂けると、より良いことになれると思います。
 ・・・・・・。
 ますます来週に書く可能性が低くなって、再来週になる可能性が高く、っていうか早くも再来週に
 書くことを正当化するための言い訳を始めてるのでしょうか私は、いやそうではない。 (反語? w)
 
 アニメを愛するがゆえに。
 読者の皆様を愛するがゆえに、ですよ。
 
 
 この胡散臭さはどうやったら抜けるだろうか、いや抜けない。 (自業自得)
 
 
 
 ちなみに。
 現時点で私が最終回の視聴を終えた作品は以下の通りです。
 
 ・とある魔術の禁書目録
 ・まりあ†ほりっく
 ・とらドラ!
 ・GenJi
 ・クラナド
 
 どうしてもすぐに語っておきたかったのは、まりほりととらドラ。
 まりほりは爆笑しながら訳わかんないことを書き綴る可能性大ww
 とらドラはたぶん割と否定的がっかり感から書き出してそのまま終わる鬱の可能性大ww
 なので、まぁまりほりはともかくw、とらドラは少し間を置いてからの方が、もう少し広く捉えて感想を
 書くことも出来るかもしれません。
 ・・・・でもそれ、なんだって同じなんだよなぁ、だからこそ新鮮なうちの直な感想の価値は別にある
 訳で、新鮮な感想とじっくりな感想を要はちゃんとふたつ書k(以下都合の悪い展開になるので削除w)
 
 えっとまぁ、うん。
 とにかくね、うん、まりほり最高だったから。
 最高だったからねまりほり、振り切れてたからね、うん。
 それだけ言いたかったの。
 うん、じゃそういうことで。 (逃げるな)
 
 
 ということで、改めまして、マリみてと夏目以外のアニメの感想は、もうしばらくお待ち頂ければ幸いです。
 お待たせした分、良いものを書けるように精進して参ります、はい。
 お願い申し上げます。
 
 
 
 
 ◆
 
 ラスト。
 これだけはやっとかなくちゃいけないので、やっときます。
 来期アニメ放送開始直前言及〜。 (なに)
 以前にも書きましたけど、私が取り敢えず第一話を観てみようと思っているのは、以下の作品です。

 
 ・戦国BASARA
 ・涼宮ハルヒの憂鬱
 ・PandoraHearts
 ・けいおん!
 ・Phantom 〜Requiem for the Phantom〜
 ・ハヤテのごとく!!
 ・鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST
 ・シャングリ・ラ
 ・夏のあらし!
 ・蒼天航路
 
 ・戦場のヴァルキュリア
 ・神曲奏界ポリフォニカ クリムゾンS
 ・タユタマ -Kiss on my Deity-
 ・咲 -Saki-
 ・リストランテ・パラディーゾ
 ・東のエデン
 
 
 これも以前にも書きましたけど、下6作品は上10作品の予備ですので、出来るだけ面白くならない
 ようにして観るという不毛なアレです。 (不毛なのはお前だ)
 で。
 やはりここにきても、私的にどうしても機運が高まらない。
 これだ、っていうのはまだ、無いです。
 ですから、これで感想を書こう、いや書くために観ようという、いつものスタンスがありません。
 ので、今のところ来期は感想執筆お休みシーズンになる可能性が高めです。
 もっとも、どうしようも無いくらいに、これ感想書かない訳にはいかないだろこれ、という作品に出会えば
 普通に書いていきますが。
 つまり、能動的に書こうと思わせてくれるものは無いけれど、受動的に書きたいと思わせてくれるもの
 が無いとは言い切れない、ということでしょうか。
 まぁさらにつまり、そう私が言うのは、今期が相当疲れたからですけどね、つかはっちゃけすぎた。 (笑)
 
 あそだ、忘れてた。
 ときみつさんにお勧めされた、バスカッシュ、というのも一応チェックしてみようとは思ってますので、よろ。
 書き忘れてた。
 
 
 ってな感じで、まぁ、来期は私的にはのんびりまったりと、アニメを「観る」愉しみの主体で、ゆっくりと
 楽しんでいこうかなと思っています。
 ええ。
 今のところは。
 何度この展開を崩されてきたことやら。
 だからアニメはやめられないのさ。 (ぉw)
 
 
 
 では、今日はこの辺りにて。
 夏目の最終回感想、マリみての最終回感想の次に、またお会い致しましょう。
 ていうかいよいよ、両作品とも最終回です。
 き、緊張してきた。 (落ち着け。)
 
 
 
 
 
 
 

 

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